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「入試数学の掌握」受験勉強の見方を大きく変えてくれた一冊

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今日は読書録というよりも参考書レビューに近いんですけど。

 

 

 

僕の受験勉強に対する考え方を大きく変えてくれた本についてお話しします。

 

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入試数学の掌握。聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

 

表紙に、

「君の数学力を理Ⅲ・京医・阪医合格レベルに導く究極の指南書」

とあります(この時点で見向きもしない人がほとんどでしょう)。

 

実際コレは本当だと思います。

 

僕自身、この「入試数学の掌握」という参考書には、成績についてはもちろん、

考え方についてもかなり影響を受けています。

 

その「考え方」の部分はみんなが知っておいて損はないと思うので、その辺りをなるべく分かりやすく、今日は皆さんに伝えられたらなぁと思っています。

 

 

ということで、この参考書の使用に適したレベルについてはともかく、

この記事のターゲットは、

2次試験で数学を使い、かつ数学を武器にしたいと考えている方全て

になります。

 

 

以下、「掌握」と書いていきます。

 

掌握は他の参考書と何が違うのか?

 

その答えは、目次を見ていただければすぐに分かると思います。

 

目次

Theme1:全称命題の扱い

Theme2:存在命題の扱い

Theme3:通過領域の極意

Theme4:論証武器の選択

Theme5:一意性の示し方

Theme6:解析武器の選択

Theme7:ものさしの定め方

Theme8:誘導の意義を考える

 

つまり、掌握では数学の問題を上のように分類しているんですね。

 

おそらく皆さんの知っている数学の分類は、

  • 方程式
  • 高次関数、三角・指数・対数
  • 幾何
  • 座標
  • ベクトル
  • 数列
  • 複素数
  • 微積

 

みたいな分類だと思うんですね。

 

 

 

見て貰えばすぐに分かることですが、明らかに分類の仕方が違いますよね。

 

皆さんがよくご存知の、文科省的な分類を"縦割り"とするならば、

この掌握の分類は"横割り"になります。

 

 

 

 

んで、どうしてわざわざこんなに変わった分類をするのか。

「おいおい、違い見せたくてイキってるだけなんじゃねぇんか。」

 

 

 

 

ちゃんと理由があります。

 

ひとつは、「はじめに」の部分に書かれています。

 

...。難関大の入試問題になると途端に手が出なくなるのにはいくつかの理由があって、まずは、

①関数・数列・ベクトル・座標などの安直な範囲割りが文科省の定める教科書に採用されてしまっている。

ということが挙げられます。

各分野の公式などを体型的に学ぶためには理想的な分け方と言えますが、残念なことに大学の先生方が創られる入試問題では「君はこの分野のこの定型問題を解けるかい?おっ、出来るんだ、エライねぇ」などといった程度の低いことは問われません。

「君はこういた現象に対して、様々な分野の解法を自由自在に駆使し、どうしてそうなるのかきちんと説明することができるかい?」のように、かなり高級な部分が問われるため、入試問題を前にして受験生は遅れを取ってしまうわけです。

そして、受験生や数学の指導者を悩ませる最も致命的な理由は、

②入試数学で頻繁に問われるテーマで分類した参考書が世の中にない。

ことに尽きます。…

 

 

さぁ、分かりましたよね。

感じている方もいるとは思いますが、入試の難問レベルになってくると、もう文科省的な分類」は解く上で役に立たないんですよね。じゃあ諦めるしかないの?問題ごとに頭を使う?

いえ、まだ解決策はあるんです。

それがこの掌握です。この新しい分類を知ることで、今までは行きあたりばったりになっていた数学の勉強が体系的なものになります。

 

 

 

次に、僕が考える理由として。

ついさっき文科省的な分類」は役に立たないと言いましたが、それは合っているんですが間違ってもいて。

僕は入試数学の大半は「パターン暗記」でどうにかなると思っています。それは入試を終えた今も変わりません。

んで、この「掌握的な分類」があるとどうなるかって話なんですけど。

 

 

パターンのストックと、そのクオリティが掛け算的に上がります。

縦の糸に横の糸が重なった感じ。

今までは縦の糸は充実していても、掌握の横の糸は充実していなかった。

それが、掌握によって得られる横の糸の充実で、交点が多くなって、さらに布も頑丈になる。といったイメージ。で分かってください。

 

これが2つの理由であり、

この、独特な分類こそ掌握の最大の特徴であると言えます。

 

 

さて、分類の話はこの辺にしときましょう。

 

 

 

 

次の話。とは言っても、ここも若干話がかぶるのですが、

 

 

②入試数学で頻繁に問われるテーマで分類した参考書がこの世にない。

が自分にとっては衝撃だったんですね。

 

 

 

だって、

「なんでないの?」

って思うじゃん冷静に考えて。

(実は断片的にはあると思うのですがまぁそれはさておき)

 

 

そもそも文科省の分類」なんて普通疑わんだろうと。

 

 

 

でもその姿勢が間違っていたわけです。

 

 

 

 

勉強は文科省が決めるものではなく、自分が決めるもの。

 

 

 

この前提がないとなかなか自分の頭で考えられないんですね。

"自分"のための勉強なんだよー!!

親のためとか先生のためとかよく聞くけど、自分のためなんだよー!!

だからもっと頭使って考えて欲しいです。

 

要するに、文科省的な分類に縛られずに、自分で色々と考えてみようねって。

1つの知識をそれだけで終わらせないで、いろんな角度から眺めてみる。すると意外な共通点が見えてきたりするんです。時にそれは科目を超えて。

 

 

 

そうやって、自分で考えて作る分類こそ、自分にとってのベストの分類だと思いませんか?

 

 

自分の、自分による、自分のための勉強ってそういうこと。

そのことに気づかせてくれて、しかも立派で十分に有用な分類の例が与えられている。掌握は僕にとってはそういう役割を持っていた参考書でした。

 

 

だから、掌握には多くの非常に有用な「鉄則」が出てきますが、これをさらに自分にとってベストな形に練り上げちゃうんです。「my鉄則」を作っていく。そうやって勉強してたかな。

 

もちろん「my鉄則を作る」レベルまでくるには、膨大な量の問題を頭使って観察しながらこなさないと厳しいです。だから基本は掌握に則っていいよ。なにか補足があったら付け足していく感じで。

 

 

とまぁ、具体的な内容には触れずにここまできてしまいました。

 

この考え方は他の科目にも応用できますからね。

 自分の頭で考えるようになったきっかけかな。これを機に、他の科目も全部、既存の知識や方法を一度批判的にみて、よりよいものを自分で考え出すことに時間を割いていた。

 

んでね、こうするとね、

楽しーんだわ、勉強。

 

ちょっと考えてみて。一見関係なさそうなテーマに、実は関連性があったと自分で気づいた瞬間。

 

喜び。

 

そんな感じで「掌握」と出会ってから、僕の勉強は「本質」(って言っていいよね?)を見るようなものになっていき、モチベーションも上がって成績も上がって。めでたしめでたしって感じでした。

 

 

という話でした。

 

具体的な内容については、触れようと思っていたけど、ターゲットがまた変わってくるから今回はやめときます。

 

 

 

さいごに。この参考書はレベル高いんで、自分の志望大学の数学のレベル、また自分に残された時間と相談してやりましょう。やり始めたら少なくともTheme3までは完璧にこなすこと。得られるものはバカでかいと思いますよ。

 

やるなら早いうちがいいです。基礎がある程度固まっている人は。過去問やる前にこっちで考え方を習得しちゃった方が、過去問演習とか普段の演習で得られるものが大きくなりますよ。

 

一般人もTheme3はやって損はないかも!かなり体系的にまとまっていて分かりやすかった。Theme3は青に収録されています。