ムダになる投資vs.成功する投資の違いは?【貯金感覚で始める3000円投資生活 Vol.5】
「貯金だけでは、お金の悩みが解決できない」というのは、ファイナンシャルプランナーの横山光昭(よこやまみつあき)さん。
苦しい家計を再生させることを得意とするファイナンシャルプランナーで、これまで1万人以上の家計を「再生」させる中で、「無理のない範囲で投資を学んで貯蓄スピードを上げてきた人たち」をたくさん見てきました。
■投資は「手間をかけない」方が成功する
横山さんはいいます。「プロの投資家でない限り、投資を成功させるうえで、『あまり手間をかけすぎない』ということは、とても重要だと思っています」
とくに3000円投資生活の場合は、「バランス型の投資信託」を選び、積立の設定をしたら、あとは基本的にほったらかしに。バランス型の投資信託は、プロのファンドマネージャーが、経済状況や社会の動きを見て運用してくれています。気が向いたときだけ、証券会社から定期的に送られてくる取引報告書に目を通せばOKです。
では、複数のインデックスファンドを購入した場合は、どうでしょうか? 投資の本やWEBサイトを見ると、よく「複数のインデックスファンドを買った場合は、リバランスが必要である」と書かれています。リバランスというのは、「資産全体のバランスの見直し」のことです。
「私はリバランスも、とくに必要ないのではないかと考えています」(横山さん)
毎月積み立てていく場合、価格が安いときも高いときも設定した金額の分だけ買っているため、いずれバランスは平均化されていきます。そのため、へたにいじらなくても、勝手にリバランスされていくというイメージです。横山さん自身、そのようにしていて、十分にバランスがとれているそうです。
■横山さんが経験した「苦い経験」
そんな横山さんも、じつは過去にいろいろと苦い経験をしています。
かつて日本の個別株に投資したときのこと。株価は刻々とかわります。横山さんは、自分が買った株の値動きが気になって仕方なく、株式市場が開いている昼間、仕事の合間を見ては、株価の値動きをチェックするようになりました。
それはどんどんエスカレート。ついには株価チェックの合間に仕事をするようになってしまったそうです。まさに本末転倒。当然、仕事は手につきません。
ところが。
それだけ熱心に取り組んでいたのにもかかわらず、あるとき、横山さんが選んだ銘柄が、市場全体の下落に引きずられ、一気に値下がり。「あんなに時間と労力を割いたのに」「一生懸命分析し、市場がどうなろうとダメージを受けないよう、手を打っていたつもりなのに」と、大きなショックを受けたとか。
■投資は時間をかけても100%うまくいくとは限らない
投資は、手間をかけたからといって、100%うまくいくとは限りません。ひんぱんに売買を繰り返せば、その分手数料もかかります。
「一時的な値上がりや値下がりに一喜一憂するのは、時間とエネルギーのムダです」(横山さん)。投資を経験したことがある人のなかには疲れ果て、投資に嫌気がさしてしまったことがあるかもしれませんね。
「投資は本来、長期的な視野に立ち、『お金に勝手に増えてもらう』くらいの気持ちで取り組むべきものだと、私は思います」(横山さん)
商品を購入し、「20年間は続ける」「50万円になるまでは続ける」など、おおまかな目標を立てたら、あとはほったらかしにしましょう。それくらいの方が、「ママとしての心の健康」には良さそうです。実際に、投資を始めて気持ちが揺れたときには、この記事のことを思い出して欲しいと思います。
この記事を書いている私自身、「投資をする中で、気持ちがとても揺れた」という体験をしたことがあります。
デビュー戦で買った投資信託の配当金の額は、同じ額を1年間ネット銀行に預けた時の利率の約3倍でした。そう気がついたあと、株式相場がガクンと落ちて「チャンスだ」と感じた自分自身に驚きました。
なぜなら投資は、それまで「私にとってはすごくがんらなければできないこと」という存在だったのに、欲がムクっと起きてがぜんヤル気になっていたから。そう「投資生活を始める」ということは、そんな、「気持ちの揺れ」を体験するということでもあります。
次回は、「投資に欲が出てきたら注意! それ本当に“お得”ですか?」です。
【年収200万円からの貯金生活】
(楢戸ひかる)
苦しい家計を再生させることを得意とするファイナンシャルプランナーで、これまで1万人以上の家計を「再生」させる中で、「無理のない範囲で投資を学んで貯蓄スピードを上げてきた人たち」をたくさん見てきました。
■投資は「手間をかけない」方が成功する
© naka - Fotolia.com
横山さんはいいます。「プロの投資家でない限り、投資を成功させるうえで、『あまり手間をかけすぎない』ということは、とても重要だと思っています」
とくに3000円投資生活の場合は、「バランス型の投資信託」を選び、積立の設定をしたら、あとは基本的にほったらかしに。バランス型の投資信託は、プロのファンドマネージャーが、経済状況や社会の動きを見て運用してくれています。気が向いたときだけ、証券会社から定期的に送られてくる取引報告書に目を通せばOKです。
では、複数のインデックスファンドを購入した場合は、どうでしょうか? 投資の本やWEBサイトを見ると、よく「複数のインデックスファンドを買った場合は、リバランスが必要である」と書かれています。リバランスというのは、「資産全体のバランスの見直し」のことです。
「私はリバランスも、とくに必要ないのではないかと考えています」(横山さん)
毎月積み立てていく場合、価格が安いときも高いときも設定した金額の分だけ買っているため、いずれバランスは平均化されていきます。そのため、へたにいじらなくても、勝手にリバランスされていくというイメージです。横山さん自身、そのようにしていて、十分にバランスがとれているそうです。
■横山さんが経験した「苦い経験」
そんな横山さんも、じつは過去にいろいろと苦い経験をしています。
©Drobot Dean - Fotolia.com
かつて日本の個別株に投資したときのこと。株価は刻々とかわります。横山さんは、自分が買った株の値動きが気になって仕方なく、株式市場が開いている昼間、仕事の合間を見ては、株価の値動きをチェックするようになりました。
それはどんどんエスカレート。ついには株価チェックの合間に仕事をするようになってしまったそうです。まさに本末転倒。当然、仕事は手につきません。
ところが。
それだけ熱心に取り組んでいたのにもかかわらず、あるとき、横山さんが選んだ銘柄が、市場全体の下落に引きずられ、一気に値下がり。「あんなに時間と労力を割いたのに」「一生懸命分析し、市場がどうなろうとダメージを受けないよう、手を打っていたつもりなのに」と、大きなショックを受けたとか。
■投資は時間をかけても100%うまくいくとは限らない
© maroke - Fotolia.com
投資は、手間をかけたからといって、100%うまくいくとは限りません。ひんぱんに売買を繰り返せば、その分手数料もかかります。
「一時的な値上がりや値下がりに一喜一憂するのは、時間とエネルギーのムダです」(横山さん)。投資を経験したことがある人のなかには疲れ果て、投資に嫌気がさしてしまったことがあるかもしれませんね。
「投資は本来、長期的な視野に立ち、『お金に勝手に増えてもらう』くらいの気持ちで取り組むべきものだと、私は思います」(横山さん)
商品を購入し、「20年間は続ける」「50万円になるまでは続ける」など、おおまかな目標を立てたら、あとはほったらかしにしましょう。それくらいの方が、「ママとしての心の健康」には良さそうです。実際に、投資を始めて気持ちが揺れたときには、この記事のことを思い出して欲しいと思います。
この記事を書いている私自身、「投資をする中で、気持ちがとても揺れた」という体験をしたことがあります。
デビュー戦で買った投資信託の配当金の額は、同じ額を1年間ネット銀行に預けた時の利率の約3倍でした。そう気がついたあと、株式相場がガクンと落ちて「チャンスだ」と感じた自分自身に驚きました。
なぜなら投資は、それまで「私にとってはすごくがんらなければできないこと」という存在だったのに、欲がムクっと起きてがぜんヤル気になっていたから。そう「投資生活を始める」ということは、そんな、「気持ちの揺れ」を体験するということでもあります。
次回は、「投資に欲が出てきたら注意! それ本当に“お得”ですか?」です。
【年収200万円からの貯金生活】
(楢戸ひかる)