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あたしらには徳川家斉は無理!少子化困るって…そんなこと言われても どうすりゃいいのさ

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こんにちは、DACです。

今回は少子化周辺のお話しをします。

少子化ってどういう状況

少子化というのは、出生率が低い。つまり子どもの数が減っていると言うことです。

厚生労働省が2日発表した人口動態統計によると、2016年に生まれた子どもの数(出生数)は97万6979人で、1899年に統計をとり始めてから初めて100万人を割り込んだ。1人の女性が生涯に産む子どもの数(合計特殊出生率)は1.44と前年を0.01ポイント下回った。16年の出生数は前年比で2万8698人減った。05年に4万8191人減となって以来の大きな減少幅だ。死亡数は前年比1万7321人増の130万7765人。出生と死亡の差はマイナス33万786人で、10年連続の自然減となった。という日経新聞の2017年6月3日の記事を引くまでも無く、日本の少子化は留まることを知りません。

単に少ないというだけではなく、単純に考えて親が2人に対し子が1.44です。72%くらいですか?30%弱の人が減っているわけです。上の世代は長寿化していますからとにかく年寄りが多くなるけれど物理的にも子どもは産めず、全体に行き止まり感は増える一方です。

徳川家斉の子だくさんの背景

ここで子だくさんで有名な江戸幕府第十二代将軍徳川家斉について触れてみます。彼は53人の子どもをなしたということで有名です。一時期テレビでイジられまくっていたビッグダディ林下清志氏が連れ子を合わせて約20人、その2.5倍ですから特筆に値するでしょう。

その子だくさんの背景として将軍・徳川家斉が「53人も子供を作った」ワケ | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準にて以下のような推論をしていました。


それには、当時の医療事情も関係しているでしょう。というのも、江戸時代の日本人は、「平均寿命が30~40歳」といわれていました。

その理由として、「生後1年間の乳幼児死亡率が20~25%」という高さが強く影響しています。また、予防医学や衛生面での対応が未発達なため、健康は個人の生命力や日常的な生活力に頼るほかありませんでした。これは将軍家でも例外ではなく、実際、徳川家斉の子どもも約半数の25人が成人できずに夭折しています。

とくに、そのほとんどが彼の前半生に集中しており、後継者だけでなく十分な「スペア」確保の必要性から、子づくりにより積極的となったとも考えられます。

スペア確保と書いちゃう筆致の思い切りの良さに仰天しました。

しかし、きっと当時は言葉や行動を飾るような状況でも無かったのですよね。とにかく跡継ぎが誰かしら生き残るようにするには量で埋めるしか無かったわけです。

医療技術が高ければ病気になっても救われる率が高くなりますし、栄養環境や衛生環境が高ければ発病リスクも少なくなります。勿論将軍とその子どもですからお抱えとして当時最高峰の医師団が常駐し、食事だって最高の物が供された筈です。それでも、現代日本で一般人の子どもとは比較にならないくらいあっけなく死んでしまう状況でした。

とにかく沢山生む生存戦略

酷い言い方をすれば、お魚とか虫とかと同じ戦略ですよね。

彼らの場合は病気もリスクですがもっと直接的なリスクがあります。卵を産むと同時に外敵がやってきてバクバク食べちゃうのです。それこそ卵を産んでる真っ最中に張り付いて根こそぎ食べにくるくらい貪欲に狙われまくるのです。そうなるととにかく数で対抗するよう適応が進んでしまいます。

生まれた後の面倒もみません。卵から孵った赤ちゃんは生まれたなりで生存競争に叩き込まれます。というか卵の頃からそうなので何を今更なのです。ちっちゃくて弱い赤ちゃんや幼児時代も外敵は容赦しません。むしろ美味しくて低リスクなごちそうなのでこぞって食べまくります。

まあ、それでも回るくらい生めば何とかなるわけです。流石に両生類、は虫類、鳥類、哺乳類と進化を遂げればその数は減るわけですけど、少なくとも江戸時代あたりでは霊長類ですら数による生存戦略を取るしかなかったというのはなんか歴史を感じます。

そこまで遡らなくても核家族化が進んだのは戦後で、それより前は大家族が一般的だったりしました。貧困になれば、口減らしに売り払ったり間引きとして手にかけたという陰惨な影の歴史もあったわけです。人の命が軽すぎたから「お金があるとかないとか関係なしに生んでしまう。生まれてしまってからどうするか考える」というくらい後先なしだったのかなあとも思います。

海外の子だくさん例はどうだろう?

ちょっと気になって軽く検索してみました。すると桁が一つ違いました。種馬にも程があるという数で正直引きましたが、きっと事実なんでしょうねえ。タイ代理母事件よりヤバい世界一の子だくさんは888人 サッカーチーム80個分!!! - エキサイトニュース(1/2)によると、以下のように紹介されています。


世界一の子沢山について調べてみると、まずほぼ事実だと言われているのが、アフリカ南部の国・スワジランドの前国王、ソブーザ2世(1899年12月10日 – 1982年8月21日)。

なんと100人もの妻をもち、その子供は600人近かったという。とはいえ決して色呆けジジイなどではなく、正常不安定なアフリカにおいて約61年近い長期政権を樹立し、同国を発展させてきた傑物だった。

そしてギネスブックにも掲載された、世界最高の種馬ならぬ種人間は、モロッコ最後の皇帝ムーレイ・イスマイル(1672-1727)だ。1703年までに合計525人の息子と342人の娘をもうけ、1721年には700人目の息子をもうけたと言われており、888人の子供がいたというのが通説だ。
えーと。男性側の話ですから種をばらまけば良い(それでも凄い大変ですけどね)と考えれば、ソブーザ二世は83歳までの人生で70年と仮定して年あたり8人くらいは生ませていたのです。ムーレイ・イスマイルに至っては55歳で亡くなっていて45年と仮定しても年当たり20人弱くらい、つまり月あたりでも1-2人必ず生ませていたのです。

それぞれ王様だったり最高権力者でお金とか場所とか何の心配も無い状況だから出来たことなのでしょう。でも、これやっぱり凄いです。もし仮にそういう環境が与えられたとしてもここまでやる気になる人ってそんなにいますでしょうか?女性側も何というか普通の日本人女性の精神では受け付けられる状況では無いような気がします。

まあ、わかりませんけれどね。案外今の先行き分からず結婚も出産も出来ない状況に比べれば、もし側室的な立場でも安心して生むことが出来る環境は悪くないという判断もありえるかもしれません。

保育所が相変わらず足りないとの報道

相変わらず日本は子どもが産みにくい、育てにくい状況が続いています。本日9/2の日本経済新聞朝刊に
待機児童、減らぬワケ 3年連続増2.6万人 :日本経済新聞という記事が載りました。


保育所に入れない待機児童が増え続けている。厚生労働省が1日発表した全国の待機児童数は4月1日時点で前年比2528人増の2万6081人。女性の社会進出のテンポが予想以上に速いことに加え、保育所のニーズが集中する都市部で十分な施設を供給できない需要と供給の乖離(かいり)が広がっているためだ。
保育所が足りません。行政も何も手をこまねいている訳では無くて、4月1日時点の保育の受け皿自体は前年比11万3千人分も増え、約284万人となった。これに対し、保育所への申込者は前年比約9万人増え約265万人だ。統計だけみれば保育の受け皿は申込者の「9万人増」を上回るペースで増えた計算としてマクロベースでは保育能力はかなり追いついてきていることになります。

しかし、保育所を必要とする共働き家庭の家の側には足りていないのです。職住近接やその他の理由で住む場所を決めてもその近くには十分な保育所が出来ていないから、競争であぶれれば待機児童が増えてしまう。その一方では需要の少ないところに過剰な供給がされて無駄になっているのです。

共働きをする理由も切ないものです。子どものいる世帯の平均所得は1996年の年782万円をピークに減少傾向にあり、15年は708万円だった。景気回復でも生活が苦しいという子育て世帯は、16年に60%にものぼる。多くの世帯が共働きの必要に迫られ、保育所の入所希望者急増につながっている。となっています。この書き方では、働きたくて働いているのでは無く生活苦があるから仕方なく働きに出ている感じで、それをするにも保育所が少ないから足を引いてしまっているという悪循環に陥っている訳です。

厚労省は来年度から、保育所の定員見込みや待機児童の実態に関する情報を地域ごとに細かく公表するよう自治体に要請する。今は自治体単位となっている情報を、小中学校の学区程度に細分化して開示するよう促す。としてミスマッチを把握して問題解決を計る取り組みに早速着手したのは良い流れです。でも、後手後手なのは否めません。

この状況に小生が思うこと

そもそも可処分所得が減っているから仕方なく働きますという流れより、子どもを安心して産んで育てられる環境整備が先にあるべきだと思います。

「少子化だから困った」「国が弱体化する」「子どもが減ると税金が取れない」色々と問題がありますけど、そこは結果でしか無いのです。一番の問題は、子どもを産んで育てることに不安しか感じられないような環境がずっと維持されてしまっていることなのです。

平均化してみれば、働けど働けど所得は減るばかりだし、その仕事も今日明日無くなってもおかしくない不安定な状況です。

政府は完全失業率が下がって有効求人率がかつてなく上がったと胸を張ります。でも、所得を上げるためにいつでも好きに仕事を辞めて会社を乗り換えられるような流動性が上がったわけではありません。個人の能力や人脈にもよりますけれど、後先考えずでは転職もままならないし転職後所得が下がるなんてザラです。

後先考えずに子どもを産めと言われても、そりゃあ無理というものでしょう。江戸時代とかじゃないんですから、死んだらそれまでよ…なんて倫理的にも法的にもありえません。

正確に言えば、産んでしまってから苦しんでいる人も沢山います。共働きの家庭にスポットが強く当てられますが、夫一人が働いて専業主婦というお家だって大変な筈です。所得が低下して不安定なことには変わらないんです。最近報道されるようになりましたがシングルマザーや子どもの貧困の話は待ったなしです。

こういった状況に手をこまねいて時のあだ花的に消化するだけなら、そりゃあ結婚もしないし子どもも産むのが怖いってなりますよ。自分がこの先生きていけるかも不安となれば「それどころじゃない」ってなりますよ。

マクロで見て結果の問題が深刻なのは聞けば誰だって理解出来ますけれど、ミクロの目の前の問題をクリアにしないことには絵空事なんですよね。

国にはお金が無いから出来ない、保育人材がいないから出来ないも分るんですけど、そこは言い訳しても仕方ないでしょう。いっそのこと子育てそのものの給与を支払うとか、共働きの先として保育業務を割に合う形で再構築し直すとかしないと駄目な気がします。このやり方は共産主義的過ぎるので成立が極めて難しいし非現実的なのかもしれません。

でも、自由競争的なやり方で解決する目処が立つ見込みは低いです。困窮に目をつけて短期的にお金を巻き上げる卑劣な貧困ビジネスは色々出てくるだけでこれという手立てが見当たりませんですしね。

小生の浅慮ではこんなことを思いつくのが精一杯です。あなたはどう思いますか?