実は首都圏にまだある「全車冷房なし」の路線

乗ってみると意外に暑くない?

千葉県佐倉市内のユーカリが丘ニュータウンを走る「こあら号」。今では珍しくなった「非冷房車」だ(筆者撮影)

季節は夏から秋へと移っているが、暑い日はまだまだ続く気配。気象庁が8月31日17時に発表した週間天気予報(9月1〜7日)によると、東京地方は3日以降、最高気温が30度を超える日が続く。

こういうときに外回りしていると、早く仕事を終えて電車に乗りたいと思う。現在の鉄道車両の大半は冷房装置を搭載しており、乗ればほぼ確実に人工的な冷気にありつける。冷房を搭載していない「非冷房車」と遭遇することは、いまや皆無に近い。

JRの非冷房「電車」は2年前消滅

しかしこうなると、非冷房車ばかりだった時代が懐かしくなってくる。走行中に窓を開け、熱気こもる車内に自然の外気を取り込む。涼風が体の前をすり抜けていく快感は、今でも忘れられない。もう一度「暑い列車」に乗ってみたい……何とも身勝手な話だ。

JR旅客6社の場合、非冷房の電車はJR北海道の普通列車で使われていた711系の引退(2015年3月)で実質消滅した。昭和初期の1933年に製造されたJR西日本のクモハ42形が非冷房車として残っているが、2003年に通常の営業運行を終了。現在は臨時列車としても運行されていない。

ディーゼルエンジンで走る気動車では、JR北海道とJR東日本(東北地区)に非冷房車が残る。特にJR東日本の八戸線は、定期運行の普通列車に使われている気動車(旧国鉄車のキハ40・48形)が、すべて非冷房車だ。

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  • NO NAME22cb87b4f424
    ユーカリが丘線
    冷房車が無いのもそうだが、車両も施設も全体的に古すぎて疲れきっている。
    up13
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    2017/9/2 06:49
  • NO NAME8942f0cdee19
    「こあら号」の写真初めて見ました。機会があったら訪れてみようと思いました。
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    2017/9/2 06:06
  • NO NAME3f444e07f156
    6年前、東日本大震災の影響による節電要請のため、首都圏の電車でも盛夏まで冷房を入れない路線があった。梅雨の蒸し暑い時季ならまだしも、4月や5月に冷房がいかに過剰サービスかが改めて感じられた。外の方が涼しくても車内に入ると閉め切った車内で冷房が入っているのに暑く、窓を開けると顰蹙を買う。それでいいのだろうか。
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    2017/9/2 12:31
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