文房具はコンパクトな方が良い。以前、そのような記事をいくつか書いた覚えがある。確かに、コンパクトなものは持ち歩くのにも便利だし、使わない時にも収納場所が小さくて済むという利点がある。しかし、使い勝手をある程度スポイルしてしまうという難点はある。今回、機能美にあふれた文房具を手にしてそれを痛切に感じた。
武骨で美しいホッチキス
今回、思いがけず目にしたのがMax社の「プライヤータイプ HP-10」というホチキスだ。通常のホチキス針を使うのだが、持ち手が長くて質実剛健なフォルムが美しい。一目見て「使ってみたい」を思わされた。
この商品を見かけたのが、吉祥寺にある文具と雑貨のお店「36(サブロ)」だ。定期的にご紹介しているお店だが、昭和レトロな雰囲気が漂う素敵なお店だ。定期的に顔を出しては商品を見て回るのだが、ツイッターで紹介されていたこのホチキスには一目ぼれだった。
元々は業務用として作られたホチキスで、針は二個同時に入れられるようになっている。それによって、たくさんのホチキス止めを行っても針の交換回数が少なくて済む。ちょっとしたことだが、作業中に針が無くなって取り換えるとういストレスが軽減されるのはありがたい。
また、柄の部分が長くて丈夫なので、てこの原理で軽い力で止められるというのも良い。少ない量だと気にならないが、大量のホチキス止めを行う時には疲労度が全然違ってくるからだ。
道具として潔いくらいシンプルなこのホチキスは、ホチキス止めという単調な作業を楽しくしてくれること間違いなしだ。
マックス ホッチキス プライヤータイプ シルバー 10号針使用 HP-10
- 出版社/メーカー: マックス(MAX)
- 発売日: 1988/03/01
- メディア: オフィス用品
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る
針を入れ替える時のギミックが楽しい
動画でご覧いただくと良く分かると思うが、針を入れるときに一瞬で針のケースを開くことができる。とにかくこの動きが気持ち良い。片手で持ってガシャンと開き、芯を入れたら片手でガシャンと閉じる。それだけのことだが、トランスフォームするみたいで楽しいのだ。
動きもさることながら、金属音がすると言うのも楽しさのひとつだろう。文房具にしろおもちゃにしろ機械にしろ、金属製品独特の"ガシャン!"という音はなぜか心をワクワクさせてくれる。
電車の連結器の音やバイクのシリンダーの音、工場の機械の音なども同様だと思うのだが、この音を聞いて「ワクワクする」というのもちょっと変わっているのかもしれないなと思う。
他にもあるトランスフォームする商品
こちらも以前ご紹介させていただいた商品だが、ワンプッシュでガシャンとトランスフォームする二欠パンチ「リヒトラブ コンパクトパンチ 2穴」だ。商品自体はプラスチック製なのだが、音を聞いていただくと内部の金属音が響いているのが分かっていただけるだろうか。
道具は便利に使えてこその道具なのだが、こういった「カッコいい」と思える道具というのは無条件で楽しくて良い商品だなと思う。