これ。このCM。最高。
このCM最高なんで見て欲しいんですけれども、これがどう最高なのかを蛇足だけど解説しますよ、と。
※ここから下のCMの開発の様子は個人の妄想です。
「ファイト一発のCM、ずいぶん作ってないけれども、セルフパロディの「ファイト!」って言ったあとに「一発!」って言わないCMを作ろう。」
ここまでは良いんですよ。
「どうせだから時代に合わせて、実際の山を登るクリフハンガーから、ボルタリングに変えよう」
ここまでは良いんですよ。
「ボルタリングやるんだったら、ボルタリングの選手連れてこよう。スポーツ選手を応援してるっていう企業のイメージにも重なるし」
ここまでは良いんですよ。
「じゃあ、ボルタリングをやってて、手を滑らせたときに、先に上ってた人間が、ファイト―!っていうけれどもリアクションせずにすいすい登って行って、登り切ってリポビタンDを飲むことにしよう」
ここまでは良いんですよ。
「先に行って登ってる人間誰にする?ボルタリングの選手に相当する人で、90年代に壁とか登ってそうな人→ケインコスギ」
ここまでは良いんですよ。
「ケインコスギに、ネイティブな発音で『ジェネレーションギャップ!』って言ってもらうと面白くない?」「面白い面白い」
ここまでは良いんですよ。
「CM完成」
↑これすごい事なんですよ。
初期のコンセプトを残したまま、跳躍がなく、淡々と正解だけを選択していくのは、ものすごい一発物のアイデアを出すよりも難しい
ファイト一発!のパロディで、ファイトの後に一発を言わない、っていうのは、だれでも思いつくし、90年代の、もともとのCMの時から「普通ああいうときにああいくこと言わねえよな」って言われてたし、そういう場所で無理に「ファイト一発!」っていうことを、リポD側もネタにしていた(はず)で、だから、初期コンセプトに対しては、面白いけれども、特に、ものすごいアイデア、というわけではない。60点くらい。
それを、追加要素を加えて行って面白くしていってるわけなんですけれども、それが、初期コンセプトを外れることなく、淡々と正解だけを選んで追加されて行っている、ということがものすごいんですよ。追加要素を足していくと、初期コンセプトがぼやけてしまったり、また、追加要素同士が食いあったりして、どうしてもうまくいかなくなってしまう。
それを、全部かみ合ったまま、特にものすごいアイデアの跳躍もなく、淡々と、“正解”だけを選んで、“面白さの精度”だけをあげていって、一切の無駄がないって普通出来ることじゃない。ものすごい“凡人の才能”がいる。一発ネタのものすごく面白いCMよりも、こういうCMが好きだし、超敬意。プログラミングのことってよくわからないんだけれども、スーパーマリオとか、FF3や、星のカービィを小さいROMに圧縮した職人の技術に似たものを感じる。
とにかく、このCMすごい好きだし、最高なのでみんな見て欲しい。今日言いたいことはそれだけです。
あと、アリュージョニストも読んでほしいし、JKハルも読んでほしいし、FGOもプレイしてほしいし、FGO6章話にならないんだけどどうにかしてください。
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