飲酒運転許さない 福岡・3児死亡事故から11年 一斉検問

きょうだい3人が犠牲になった海の中道大橋に供えられた花束やジュースの数々。後方の車道には、検問による長い車列ができていた=25日夜、福岡市東区
きょうだい3人が犠牲になった海の中道大橋に供えられた花束やジュースの数々。後方の車道には、検問による長い車列ができていた=25日夜、福岡市東区
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「飲酒運転は、絶対許さない!」と拳を突き上げる参加者=25日午後、福岡市・天神
「飲酒運転は、絶対許さない!」と拳を突き上げる参加者=25日午後、福岡市・天神
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 2006年に福岡市東区で幼いきょうだい3人が犠牲となった飲酒運転事故は25日、発生から11年を迎えた。福岡県内の飲酒運転が増加傾向にある中、福岡市は市内で撲滅大会を開き、飲酒運転ゼロへの決意を新たにした。事故現場や3児を弔う寺院では市民が花束を手向けて冥福を祈った。

 九州管区警察局などによると、16年に全国で起きた飲酒運転事故は3757件で、九州は490件。県別では福岡158件▽佐賀53件▽長崎41件▽熊本69件▽大分34件▽宮崎61件▽鹿児島74件。福岡、佐賀、熊本、大分、鹿児島の5県は前年から2~9件増加した。

 特に3児死亡事故があった福岡県では、飲酒運転の摘発件数は15年以降は増加傾向にあり、昨年は1435件。福岡県警は、取り締まりを強化しており、25日夕方から26日朝にかけては約60カ所で飲酒運転の一斉取り締まりを実施した。

 福岡市役所前広場で25日に行われた撲滅大会には約2千人が参加。飲酒運転の犠牲者に黙とうをささげ、参加者全員で「飲酒運転はしない、させない、絶対許さない」とシュプレヒコールを上げた。

 事故現場となった海の中道大橋には花束が供えられ、福岡市東区の団体職員鶴田孝義さん(73)は「事故の風化が一番怖い。飲酒運転は絶対にしてはいけない」と手を合わせた。

 3児を供養する地蔵が設置された同市東区の妙徳寺には、近くの馬出保育所から園児43人が訪れ、黙とうをささげた。

=2017/08/26付 西日本新聞朝刊=

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