銀行員の頃、僕は『投資』について知るようになった。
僕は法人企業の担当だったが、お客さんである会社の社長の多くは個人でも運用をしており、運用担当を連れてよく提案しに行ったものだった。
幸運な経験だったのは、ペアで一緒に動いていた運用担当者と出会えた事。
野村證券から、外資系のメリルリンチにヘッドハンティングされた経験のある彼は、とても頭が切れ、市場に精通した人だった。
彼のトークをいつも横で聞いているうちに、赤子同然だった自分にも自然と知識が身についたのをよく覚えている。
退職後は、さっそく自分でも株式投資を始めた。
デイトレードやスイングトレードにも手を出した。
ハマりすぎて一日中、板に張り付いた事もしばしばだったと思う。
さて、どうやら世の中の流れを見ていると、これからは仮想通貨の時代らしい。
僕も年始に手を出したが、あえなくチャイナリスクの餌食にあい爆死した話はあとでしよう。
Twitterを見ているだけでも、数え切れないほどICO(Initial Coin Offering:仮想通貨を用いた資金調達)のニュースが飛び込んでくる。
どんどん新たな通貨が生まれている、というわけだ。
仮想通貨の普及と同時に、思わず飛びつきたくなるような美味しい話もあなたの耳に入ってくるだろう。
ただし、そんな夢物語には、飛び込まない方が賢明かもしれない。
今回は、元銀行員として思う、『仮想通貨は長期目線の積立運用』がお勧めだという話をしたい。
ロマンの無い王道な運用方法かもしれないが、僕がこの結論に達した背景も併せて、ゆっくり読んで欲しいと思う。
1.僕がビットコインで年明けに大損した話
さて、早速だが僕が始めて仮想通貨に手を出した話をしよう。
スタートのきっかけは単純で、仮想通貨と言うものに単純に興味を持ったからだ。
銀行員の多くは仮想通貨にあまり興味ないし、いまだに『胡散臭いもの』として見ている人は多いだろう。
(そもそも僕がいた銀行では、投資に関しては社内規制がかなり厳しく、ほとんど投資自体やっている人はいなかったと思う。インサイダーレベルの情報も職業柄入ってくるので当然なのだが)
ただ、自分には仮想通貨の可能性を大いに感じたので、試しに最も話題性があったビットコインを買ってみる事にした。
その時の価格はなんと1BTC=149,300円(今の3分の1以下!)だ。
(2017年1月5日時点)
ビットコインのこれからの盛り上がりに、僕は期待を膨らませながら高値続伸を待つ事にした。
しかしそんな期待は、一瞬で吹き飛ぶことになるとは思いもよらなかった。
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幸せな日々はすぐに終わりを告げた。
あっけなくビットコインはナイアガラの滝のごとく美しく暴落し、1BTC=8万円台まで下がってしまった。
購入した時の、およそ半値だ。
僕は絶望した。
理由は、突然のチャイナリスクだった。
>>またもやチャイナリスク、ビットコイン一時八万円台まで下落
たった1週間程度で、僕はサラリーマン時代の月収の半分を失う事になった。
仮想通貨の不確定要素の多さに、僕は泣く泣く損切りする事を決めた。
あれから半年ちょっとが経ち、8/31時点で1BTC=51万を記録している。
短期の利益だけを追い求め、あの日損切りした事を、僕は全力で後悔した…。
2.仮想通貨は、長期目線の積立がベターだと思う
さて、僕がビットコインの大損で感じた反省点は以下の2つだ。
① ボラティリティ(価格の変動幅)の大きさ
②不確定要因の多さ
(両方が相関関係にあるとも言えるが)
① ボラティリティ(価格の変動幅)の大きさ
ボラティリティとは簡単に言うと、いわゆる『価格の変動幅』の事だ。
10円~100円と値動きする株より、10円~10000円に値動きする株の方が「ボラティリティが大きい」と言うイメージだと思ってもらえれば良い。
『ボラ』とも略して使う。
銀行員やトレーダーがカッコつけだすと、「ボラが大きくて今日はきついよね~」みたいに言い出す。
安易な横文字の使用は信頼を失うだけなので、お勧めはできない。
仮想通貨の大きな特徴だが、日々の値の上下があまりにも激しい点がある。
まさにボラティリティが大きいと言い換えられる。
数%の変動は当たり前で、日によっては10%以上変動する事もしばしばだ。
投資ビギナーが保有すると、そわそわせずにはいられないだろう。
そのため、短期間の利益を追い求めない方が賢明だ。
② 不確定要因の多さ
これは仮想通貨に限った事ではないのだが、まだ発展途上の投資先は不確定な要因が多く、相場に影響がでやすい。
僕が爆死したチャイナリスクは、当時の市場では突然降ってきた隕石のようなインパクトだった。
(もちろん先見性のある方は予想していたかもしれないが)
この上記2つを何とかしないと、仮想通貨には安易に手を出せない。
同じような悩みで、なかなか踏み込めない人も多いだろう。
それを踏まえた上で、僕が考えた結論が以下だ。
『仮想通貨を、長期目線の積立で運用していく』
なんてことはない、ロマンの無いやり方とも言われるかもしれない。
ただ僕は経験則的に、このやり方がベターだという結論に至った。
なぜか。
長期目線では、仮想通貨の価格が上がっているからだ。
こちらのビットコインチャートを見れば分かるが、まだ発展途上且つ注目度が高い事もあり、短期では上下がありつつも、長期で見ると右肩上がりが進んでいる。
もちろん、未来の話は分からない。
これは仮想通貨の市場が膨らみ、ますます普及が進んで行く事を考えての予想だ。
ただ、過去を振り返ると、このやり方に一筋の光が見えるのは頷けるだろう。
具体的なやり方は、毎月決まった額を積み立てしていくイメージだ。
これをドルコスト平均法という。
定期的に一定金額分を買っていく方法。
例えば、毎月3万円を継続して購入する事で、高値で買うのをある程度避ける効果が期待できる。
そして価格変動をしながらも右肩上がりで価格が上昇すれば、利益が期待できるという運用方法だ。
長い目で見て右肩上がりが期待できるなら、このドルコスト平均法が有効というわけだ。
決まった額を毎月コツコツと買う事で、価格を押し下げていくイメージである。
特にこのやり方は、忙しいサラリーマンの方にも向いている。
フリーランス等で時間に余裕がある方なら、板に張り付いて暴落した時でも買えば良い。
一方で、サラリーマンなど忙しい人はそんなこまめに見てられない。
そこで、この投資方法なら、日々価格を見てそわそわする事もなく、暴落してストレスを削る事もなく、心に余裕を持ちながら運用ができる、というわけである。
3.長期目線の積立を実践している方々
(ツイートリンク失礼します)
このやり方は、仮想通貨ネタを最近頻繁につぶやいてるイケハヤさんも実践されているようだ。
彼は先見性があり、今では多くの仮想通貨に手を出されているが、基本的なスタイルは上記の通りだと思う。
長い目で見て、コツコツ買い増し、買い増し、というスタイルだろう。
(ツイートリンク失礼します)
親しくさせて頂いているエルモさんも、『ドルコスト平均法』のワードを使ってツイートをしている。
イケハヤさんもエルモさんも、「暴落のタイミングで」と付け加えているが、機会を狙えるなら間違いなくそれが良いだろう。
(ただし先述の通り、多忙なサラリーマン等が実践できるかは分からないが)
4.自分で仮説を作り、投資を楽しもう
いかがだっただろう。
今回ご紹介したのは、あくまで投資運用としては王道のやり方だ。
もうすでに実践している人も珍しくは無いだろう。
ただ、自分の失敗と反省を踏まえ、特に仮想通貨に関してはこのやり方がベターだと言う話をした。
もちろん、このやり方が本当に正解かどうかは、未来が訪れるのを待つしかない。
答え合わせは少なくとも半年、1年後以降の話になるだろう。
ただ、投資で大事なのは自分で仮説を作り、運用手段を考える事だと思う。
自分なりに考え、仮説を立てて動けば、もし失敗したとしても反省の材料にする事が出来る。
一番怖いのは、何も考えずに、ただ流れに乗ろうとして安易に飛び込んでしまう事だ。
そんな投資をしていると、あえなく養分にされてしまうだろう。
自分で未来への仮説を作り、余裕を持って投資を楽しもう。
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