昨日8月30日、菅井竜也挑戦者が羽生王位を4-1で破り、
初の平成生まれタイトル棋士が誕生しました。
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菅井先生はこれまで数々の序盤の新戦法を生み出されており、本シリーズでも期待以上の面白い作戦を見せてくださいました!!

まずは1局目3局目の将棋がこちら。

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おなじみゴキゲン中飛車の出だしですが……。

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まさかの三間飛車!!!!

このとき角交換~▲6五角の両成りの筋を消しているのが△5四歩と突いた効果。
しかし反面5三地点の打ち込みが気になりますね。実戦は▲6八玉でしたが戦法の成否に関わる問題なので突っ込んで調べてみましょう。

▲2二角成△同銀▲5三角△3五歩▲8六角成
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上図で△3六歩▲同歩△5五角と攻めたいところですが以下▲8八銀△2八角成▲同銀△3六飛▲7七馬△3三銀▲3七銀で「振り飛車ちぃと苦しそうやね」と技巧はん

よって最終図では穏やかに△6二玉と囲うのが最善で、先手の馬VS後手の手得でいい勝負か。
まあ力戦で互角のわかれならば後手としては十分な戦果でしょう。


続いて第2局の将棋。

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ははぁ、今流行の先手中飛車ですかぁ。
後手の羽生さんが△6四銀対抗型と相振り飛車どちらを選ぶかに注目……。

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って、先手番でもやるんかーーーーい!!!(ズコー

あ、でもこれよく考えると相振り対策になってるのか。

相振り中飛車の救世主と期待された中飛車左穴熊も後手の目がだいぶ慣れて先手勝ちづらくなってきましたが、三間ならもともと相振りに強いですからね。

戸辺流相振りなんでも三間飛車 (マイコミ将棋BOOKS)


さて、この先後どちらでも使える本作戦。
王位戦モバイル中継の観戦記では「ゴキゲン三間飛車」や「偽装三間飛車」と仮称されていましたがTwitter界隈では「うっかり三間飛車」というネーミングが人気のようです。
履歴を辿ると↑が最古のツイートでした。


そしてそして、キワメツケの最終局

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はい、そうです。次の一手は皆さんご存知の・・・。

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阪田流三間飛車ですね!!!!!!

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(ワシの知ってる阪田流と違う・・・)

現段階ではさっぱり意味が分かりませんが、20手ほど進めると真の狙いが見えてきます。
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金を四段目まで進出して2五歩を掠め取る構想だったんですね。
これを見たとき「何となく『窪田ワールド』っぽい独特の指しまわしだなー」と思ったら、

変幻自在!! 窪田流3三角戦法 (マイコミ将棋BOOKS)


おおー、やっぱり!
ただ、相当玄人向けの作戦ですのでビギナーの方はあまり真似しないほうがよいかも(笑)。


ここ数年、菅井先生は居飛車党に転向されていてちょっぴり寂しい思いでしたがタイトル戦で楽しい振り飛車シリーズが見れて大満足です。今後の活躍も応援しております!

▲早速、新刊が出るそうですよ!

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