「接客業はつらいよ!あけすけビッチかんどー日記!」を運営されている、かんどー (id:keisolutions) 様が寄稿募集をされていまして。記事を交換させていただきました!
初めましての方も、また来てくださった方も、こんにちは!
かんどー様は、ここ最近までの2年間、毎日更新してきたという怪物なんです。
現場にガンガン出てる多忙な社長さんなのに、ですよ。
そんな、かんどー様に早速、登場していただきましょう!
かんどー様、どうぞ~
こんにちは、かんどー (id:keisolutions) です。ふだんは「接客業はつらいよ! あけすけビッチかんどー日記」というブログを淡々と更新している目立たないブロガーです。
今回、ココッチィ様のブログに寄稿させていただくにあたり、テーマを決めていただきました。「彼氏の部屋にあった衝撃的なもの」です。
少し前置きとなりますが、わたしは「彼氏の部屋」というものに縁がありませんでした。なんていうか、学生時代は彼氏なんてできたことがないし、社会人になっても、お金のない男の人がわたしの部屋に転がり込んでくるだけで、彼氏の部屋に行くという機会はありませんでした。
つまり、わたしがこのテーマで記事を書くことは物理的に不可能なのです。経験が無いのですから。
……そう思いましたが、いろいろ思い出してみると、一回だけありました。わたし、28歳の頃に一度結婚しかけてるんですよ。ネットで知り合った人とね。双方の両親の顔合わせも済ませて、婚姻届けもわたしの名前のところ以外すべて埋まった状態で、その状態で「ヤバい結婚したくねぇ…」ってなっちゃって、結局市役所で婚姻届けを破り捨てて逃げてきたんです。
その人の部屋に行ったときのことを書きますね!(前置きがクッソ重いなw)
★★★
その男の部屋は、雑多にモノが多く、ひどく落ち着かなかった。ドラマなどに出てくる「中学生の勉強部屋」そのものと言った感じだ。実家だということである程度覚悟していたが、想像以上に「お子ちゃま」だ。
本棚には百科事典が鎮座し、その男が仕事で必要としてきたであろう技術資格の本が並んでいる。資格を取り終えたのなら教材など捨てればいいのに。当時28歳のわたしは意地悪な気持ちで、その男の部屋にいた。
この男とはインターネットの掲示板で知り合った。有名かどうかわからないが、ひろゆきという人が作った掲示板だ。そこで知り合い、別の掲示板に場所をうつして連絡先を交換し、二人で会うようになり、今は婚約者という間柄だ。
結婚なんざしたくなかったが、この男いわく「結婚という制度を使うと、夫婦それぞれが金銭的に有利となる。だから僕らは結婚すべきなんだ」だそうだ。全く理解不能だったが、この男は自分の両親を喜ばせたいことしか考えていない。「とにかく両親に孫を抱かせたい」と言っていた。おい、わたしは孫産み機か。おい、お前わたしのこと本当に好きか。目の濁ったクソ野郎め。
しかし、婚約という形で縛られているため、わたしは自由に男を殴ったり約束を反故にしたりできなくなっていた。世の中の多くの女はこうして結婚させられていくのだろうな……とぼんやり思った。
わたしはまだ海外にも行ったことがないし、旅行もショッピングもこれからすべてこの男とするのかと思ったら、何もしたくなくなった。行動するのがめんどうくさい。わたしはこの男を愛していないのだと心から思った。
男はわたしに洋服ダンスの中を見せてきた。この男は典型的アスペルガーで、自分でもそれを理解していた。この男には恥と言う概念が欠落している。見た目に気を使うこともできない。そういうのはどうでもいいらしかった。
「ここが普段着、ここが下着、ここ靴下。靴下なんて、お袋にやってもらわなきゃずっと片っぽずつになってしまうよなあ、ハハハ」
つまらない会話にもわたしは返事をしなければならない。自分の答えを返す。会話が、はじまる。
「毎日洗濯をすれば、片っぽずつには、ならないですよ」
「君は毎日仕事をして、毎日洗濯をしているのか」
「朝洗濯機を回して、その間に身支度して、干してから出るんです」
「雨が降っても取り込めないだろう」
「ええ、部屋に干すんです。毎日すれば量も少ないから簡単ですよ」
「お日様の下に干さない洗濯なんて嫌だなあ」
「わたし結婚しても仕事やめないですよ。お日様の下に干すのは無理です」
「ここへ住んだら楽じゃないか。お袋にやってもらえば」
「……えっ? ここへ住む?」
「ここが無理ならすぐ近くだ。お袋に家事を手伝ってもらえばいい」
驚愕した。同時にわたしは「しまった!」と思った。こいつは長男だ。つまりわたしは、最終的にこいつの親と同居のような形を取らされるのだ。ハメられた……!
「一応教えておこう。パンツはこれだ」
わなわなと震えるわたしに、男は白のブリーフを見せてきた。実はわたしは、ブリーフというものをその年まで見たことがなかった。体を重ねてきた男たちはみな、トランクスを履いていた。一様にトランクスだった。ドラゴンボールにもトランクス君はいたが、ブリーフ君はいない。わたしの人生も同じだった。
「ブ…ブリーフですか」
わたしはやっと一言返せた。恐ろしいものを見たときの声だった。
「お袋が、汚れも見えるしこれが良いと言うんだ」
知らねえよ、と思った。お前らのマイルールもマイブームも知らねえよ。もうここから出してくれ!
……しかし結局、その日は男の家で食事を摂って帰らねばならない状況となっていた。さっさと食べて帰ろうと思っていたのだが、絶妙に時間のかかる料理などを並べてきて、ちょっと食べたら揚げ物して揚げたてを食べて……という気の遠くなるような食事の時間があった。
揚げ物は確かにサクッと揚がっており、新しい油で揚げたときの澄んだ衣の味が、エビやたまねぎや白身魚、すべての具材を最善の状態で口に運べるようになっていた。その瞬間だけは、確かに幸せだった。
しかし、男の父親はわたしに日本酒をすすめてきた。飲めないっちゅーのと思いながら断ろうとすると、日本酒の銘柄が見えた。
「初孫」
うわ、重い……クッソ重い日本酒だなこれ。断るにしても相当丁寧に断らないと気分を害されるぞこれ。面倒だから一杯だけ飲もう。世の中の下戸はこうして気を使って飲酒をするのだろうな……とぼんやり思った。
いろいろ、追い詰められていた。結局わたしは、この男との関係を最悪の形で終わらせた。この男の家族とも、もう会うことがかなわないくらい関係がまずくなった。
そういうことをすると、何かしら悪いものを引きずるのか、あまり良い恋を引き寄せないことが多い。事実、このすぐ後に付き合ったDV男は人生で最悪の男であった。DV男は住むところがなかったので、すぐわたしの部屋に住み着いた。
そのDV男は、衝撃的なものを持っている男だった。
それは、形のないものだ。ただし、そのDV男にいつもくっついているものであった。無理やり言葉にすると、業とか霊とかそういうものになるだろうか。
わたしは霊が見えるわけではないが、霊媒体質である。そして、良くないものを察知することくらいはする。第六感ともいえるその感覚は、幾度となくわたしを救ってきた。
DV男がまだDVをしないとき、わたしはよろこんで体の交わりを持った。すると恐ろしいことが起こった。脳内が江戸時代の浮世絵のような絵に支配されるのだ。細かく描写をするのはやめておくが、明らかに江戸時代だった。その絵に脳内が支配され、わたしはどうしても絶頂を迎えることができなかった。あと一歩のところで行けるのに、その絵の顔が上から、2人でわたしを見下ろしている。正常位の形でDV男の肩越しに天井をあおいでいるわたしに、浮世絵の2人がぐっと近づいてくるのだ。怖くて行けない。
DV男は何も持っていなかったが、あるとき急に警察に捕まってしまった。罪は犯していなかったのだが、捜索願が出ていたらしかった。
DV男が出て行ったあと、部屋に浮世絵の人が残っていないか不安になって、盛り塩をいつもしていた。もともと運気の良かった部屋だったらしく、部屋はすぐに元の白さを取り戻し、わたしもどんどん元気になっていった。
……ということで、「彼氏の部屋に会った衝撃的なもの」は、ひとつは白のブリーフで、もう一つは業です。正確には業はわたしの部屋で発動していたのですが、まあ一緒に住んでいたので。
もっと明るい話が良かったかな。えーっと、スロットマシン持ってる男はいましたw
機会があれば、今度は明るい話を書けたらいいな。残暑を吹き飛ばすよう、ホラーな感じで書いてしまいました! 心地いい(ココッチィ)生活のために、いい男と素敵な暮らしをしてくださいね。
ちなみに今のわたしの部屋はこんな感じです。衝撃的なものどころか、モノがないのでとてもココッチィです。もう、わたしも「ココッチィ2」とか運営しよっかなって感じw 今日もまじココッチィっすーまじパネェっすーってね。
でも本当に、今のわたしはココッチィ(しつこいw)。
それでは、また。
かんどー (id:keisolutions) 様、ありがとうございました!
交換寄稿が決まったときは、正直ドキドキが止まらなくなっちゃって。
小学校の時のエレクトーンの発表会以来の緊張でね。
だって、読者1300人以上の「はてな界の大御所」かんどー (id:keisolutions) 様ですよ。
芸能界なら和田アキ子でしょ。
かんどーさんの記事はほんと、勉強になります!
好きな記事はたくさんあるんですが、その中のひとつ。
そして、こちらはぐっとシビれた記事。
経験からくる説得力のある文章が、心に響くんです。
ぜひ、読んでください!ほんと、おススメです。
こちらは私がかんどー様のブログに寄稿させていただいた記事です。
よかったら読んでみてくださいね!
かんどー様!この度は、寄稿してくださり本当にありがとうございました。
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