決済プラットフォームを提供するStripeは8月31日、ECサイトにおける決済方法にApple Payを追加したと発表した。
Stripeは、グローバル規模の決済プラットフォームを展開する企業で、Facebook、Twitter、Kickstarterといったサービスの決済領域を担っている。ウェブサイトに簡単に実装できるのが特徴で、数行のHTMLコードを埋め込むことでオンライン決済に対応するという。今回の国内向けアップデートにより、オンライン決済でApple Payが利用できるようになった。
Stripeを導入している企業・事業者であれば、AppleのiTunes Connectでマーチャント登録することで、ダッシュボード上から設定できるようになる。Apple Pay対応に関する費用は発生せず、通常の決済手数料のみで導入できる。
決済は、商品購入時にウェブサイトでApple Payの決済画面を表示した後に、iPhoneのTouch IDをタップするだけで完了する。PCブラウザからのアクセスにも対応するほか、決済画面では、ユーザー自身の自国通貨で価格を表示可能だ。正確な金額を把握できるため、EC購入のコンバージョン率向上にもつながるという。
国内の決済代行事業者が提供するApple Payの決済サービスは、国内利用を前提にしていることもあり、日本円のみの取り扱いが主流だという。このため、サービスを海外展開する際にApple Payに対応させようとすると、現地の決済代行サービスを別途利用する必要があったという。Stripeでは130の通貨に対応し、インバウンド需要に対応するほか、こうした海外展開もサポートできるという。
Stripeでは、Apple Payが利用できる16カ国中12カ国でオンライン決済をサポート。そのなかで、取引の4分の1は米国経由だったという。今回のApple Payサポートにより、日本からの越境ECで市場規模第2位の米国(市場規模は6156億円、1位は中国で1兆366億円)のインバウンド需要にも応えることができるという。
なお、海外ユーザーがApple Payを利用して国内事業者のECで決済する際、VISA、MasterCard、アメリカン・エキスプレスに対応する。ただし、Apple Payの仕様上、国内ユーザーの決済にはMasterCardとアメリカン・エキスプレスのみ利用可能となる。