絵は理屈で描ける。
だから勉強さえすれば、誰にでも描ける。
そう思っておいた方がいい。

ぶっちゃけ、アニメの絵なんて、訓練だ。
もちろん天才は中にはいる。しかしアニメは人海戦術だ。そうやって勉強した「そこそこ」のアニメーターが、大量にいなくては話にならない。

僕はそうやって、沢山のヘタクソアニメーターが成長する様を見てきた。
彼らは作監にだって、監督にだってなれた。

しかし、やがてそれは「手癖」になってしまう。慣れだ。
頭を使わなくても絵が描ける、いや言い方ちょっと変か、気がそぞろでも、絵が描けてしまうのだ。
手が勝手に動くと言ってもいい。ちょっとカッコ良すぎるかも知れないが。


僕でさえ、手癖で絵が描けてしまう。
今日もコンテをやってて、そっちに作業が傾いて、思わず手を止めた。
僕はもうサッチンを何百回も描いている。そうなると慣れてしまって、ただ線を引く作業になってしまうのだ。
そうなると情感が絵からどんどん消えていく。

あと描きやすいポーズ、描きやすいアングルを選択してしまいがちになる。
芝居も頭の中でアーカイブ化しているので、それをちょいちょいと引き出すだけの作業になってしまう。

時間のない時やTVシリーズを回す時、動画でひたすら枚数をこなしたい時などは、非常に便利だし、楽だ。
しかし『薄暮』が期待されているのは、そこではないはずだ。


これからもあの手この手で脳を刺激し、「作業」に陥らないようにしないと、ヤバいね。