俳人、正岡子規の生誕１５０年を記念した展示会が１日から東京で始まり、ことし見つかった子規が亡くなる前年に書いた未発表の句が収められた帳面など、貴重な資料が公開されています。

この展示会は、ことしが俳人、正岡子規の生誕１５０年にあたるのを記念して、生前、子規が暮らした東京・台東区の「子規庵」で１日から始まりました。

展示のうち、ことし新たに見つかり、今回初めて公開された「歳旦帳」と呼ばれる資料は、子規が亡くなる前の年の明治３４年の正月に子規の家に置かれていた帳面で、中には子規の未発表の句が５つ収められています。

句の多くは「寝後れて新年の鐘を聞きにけり」、「暗きより元朝を騒ぐ子供哉」など正月の情景を写実的に描いています。

「歳旦帳」には子規が自分の横顔を墨で描いた自画像などもあり、今回の展示では毎日、１ページずつが公開されるほか、写真パネルによるすべての内容の解説もあります。

このほか、子規が創作に使ったすずりや筆などの文具や、期間中には日清戦争に記者として従軍した際に携えた刀が仕込まれたつえなども展示されることになっています。

訪れた人たちは一つ一つの展示を興味深そうに眺めていました。訪れた７５歳の女性は「亡くなる前の年とは思えない元気で明るい句もあり、すばらしいと思いました。来てよかったです」と話していました。この展示会は今月３０日まで開かれています。