神戸市灘区の長峰霊園にある指定暴力団山口組の歴代組長らの「供養塔」が撤去されたことが31日、関係者らへの取材で分かった。3代目組長の墓の隣にあったが、暴力団排除の機運が高まる中、3代目の遺族が「故人の墓が組の墓と混同される」と懸念し、山口組が撤去を申し出たという。供養塔は同市灘区の山口組総本部の中に改めて設置される見込み。
関係者らによると、撤去された供養塔は、歴代組長や直系組長らの死を悼んだもので、故人の直系組長らの名前を記した「銘板」もあった。いずれも28日に撤去されたという。
供養塔は、3代目が晩年、組員らのために建立。だが、篠田建市(通称・司忍)組長が6代目に就任した翌年の2006年8月、山口組の歴代組長の供養塔として、3代目の親族が所有する区画にあらためて設置した。篠田組長らは命日や盆、彼岸などに墓参している。
遺族の一部は当時、3代目の墓の隣に、歴代組長の供養塔を建てることを認めたが、歴代組長の墓と混同されることがあり、対応に苦慮していたという。そうした遺族側の意向を伝え聞いた山口組側が対応したという。