2017年8月31日 20:15
ソニーモバイルコミュニケーションズ株式会社(以下ソニーモバイル)は、9月1日よりドイツ・ベルリンで開催される世界最大の家電ショーIFAに先だつ8月31日に行なわれたソニーブースでの記者会見のなかで、同社の最新製品となる「Xperia XZ1」、「Xperia XZ1 Compact」の2製品を発表した。
いずれも2月末のMWCで発表した「Xperia XZ Premium」と同じDRAM積層CMOSセンサーを利用したカメラ技術を受け継ぎながらも、ディスプレイの解像度が4KからフルHD/HDへと変更された。このため、位置づけ的には、引き続きXperia XZ Premiumが最上位製品で、Xperia XZ1およびXperia XZ1 Compactはやや安価な製品になる。OSはいずれもGoogleが先日発表したAndroid Oを採用している。
また、ソニーモバイルは“スーパーミッドレンジ”と呼んでいる普及価格帯最新製品として「Xperia XA1 Plus」を発表した。こちらは1月に発表された「Xperia XA1 Ultra」、「Xperia XA1」に次ぐXA1シリーズの新製品で、同社のこのクラスの製品としては初めて指紋認証を搭載しているほか、普及価格帯の製品としてはクラス最高峰の2,300万画素カメラを採用していることが大きな特徴だ。
Xperia XZ Premiumの要素技術を引き継ぎ、5.2型フルHD、4.7型HDパネルを採用
Xperia XZ1およびXperia XZ1 Compactは、Xperia XZ Premiumの要素技術を活用しながら、5.2型フルHD HDR、4.7型HDのパネルを利用した製品。Xperia XZ Premiumは5.5型4Kパネルを採用しているので、ディスプレイ部分が両製品との大きな差異になる。
同社によれば、Xperia XZ Premiumは引き続き同社が“プレミアムフラッグシップ”と表現する最上位製品として販売されていくとのことで、Xperia XZ1およびXperia XZ1 Compactはそのやや下の価格帯の製品となる。
Xperia XZ1 | Xperia XZ1 Compacet | |
---|---|---|
SoC | Qualcomm Snapdragon 835 | Qualcomm Snapdragon 835 |
メモリ | 4GB | 4GB |
内部ストレージ | 64GB(UFS)/microSD | 32GB(UFS)/microSD |
ディスプレイ | 5.2型(FHD)/HDR対応 | 4.6型(HD) |
LTE | CAT.16/4CA、4X4MIMO | CAT.15/4CA |
無線 | Wi-Fi(11ac)/BT5.0/NFC | Wi-Fi(11ac)/BT5.0/NFC |
SIMカード | Nano SIM | Nano SIM |
リアカメラ | 1900万画素(Exmor RS for Mobile、DRAM積層CMOS) | 1900万画素(Exmor RS for Mobile、DRAM積層CMOS) |
フロントカメラ | 1300万画素(Exmor RS for Mobile、22mmワイドアングル) | 800万画素(Exmor RS for Mobile、18mmスーパーワイドアングル) |
バッテリー | 2700mAh(QC 3.0対応) | 2700mAh(QC 3.0対応) |
I/O | USB Type-C | USB Type-C(USB 2.0) |
指紋センサー | スイッチに内蔵 | スイッチに内蔵 |
防水・防塵 | IP65/68 | IP65/68 |
ボディカラー | ブラック/ウォームシルバー/ムーンリッドブルー/ヴィーナスピンク | ブラック/ホワイトシルバー/ホライゾンブルー/トワイライトピンク |
サイズ/重量 | 148×73×7.4mm/156g | 129×65×9.3/143g |
OS | Android O | Android O |
ただし、両製品ともにプレミアム向けの製品であると位置づけられており、SoCにはQualcommのSnapdragon 835が採用され、メモリは4GB、ストレージには64GBないしは32GBのUFSが採用されている。
Xperia XZ1はLTEモデムがカテゴリ16に対応しており、4CA、4x4 MIMOを利用した場合には1Gbpsの伝送速度でのセルラー通信に対応できる(もちろん、利用するには通信キャリアがそのモードをサポートしていることが前提になる)。Xperia XZ1 Compactはアンテナのスペースの問題で、4x4 MIMOに対応しておらず、4CAのみの対応となるので、カテゴリ15までの対応になる。
カメラ機能に関しては、Xperia XZ Premiumで搭載されて話題になった積層DRAMのCMOSセンサーが搭載されている。このため、両機種ともに960fpsのスーパースローモーション機能に対応するなど、Xperia XZ Premiumの特徴を引き継いでいる。
一方でカメラソフトは進化しており、新機能として被写体が笑っていることを検知するとさかのぼって撮影を開始する機能が実装されている。また、ソニーのコンデジであるサイバーショットなどに搭載されているオートフォーカス連写の機能も新たに搭載されており、動いている被写体にフォーカスを合わせ続けてクリアに撮影できる。
Xperia XZ1 Compactに関しては、セルフィー用途を意識して前面カメラの画角が強化されており、最大で120度(35mm換算18mm相当)までの広角撮影に対応している。ソフトウェア的に通常の画角となる80度(28mm相当)の画像を撮影するモードも用意されており、カメラソフトのボタンで切り換えて撮影することができる。
オーディオ周りも強化されており、Xperia XZ1の内蔵スピーカーは、Xperia XZに比べて音量が50%アップになっている。また、両機種ともBluetoothのコーデックに関しても、ソニー独自のLDACに加えて、Qualcommが提唱しているaptX HDにも対応している。シンク側(スピーカー、ヘッドフォンなど)がLDACとaptX HDの両方に対応している場合にはLDACが優先される。なお、aptX HDで接続している場合には、切り換えツールを利用してaptXと切り換えて利用することも可能だ。
新しい3Dクリエイターと呼ばれるソフトウェアを搭載しており、背面カメラを利用して、ソフトウェア的に3Dモデリングを行なうことができる。3Dアバターを撮影したり、3Dプリンタを利用して出力したりすることができる。なお、この3Dクリエイター、およびカメラソフトのアップデートなどは、後日Xperia XZ Premiumなどの既存製品にもOSアップデートと一緒に配信される見通しだ。
筐体に関しては、Xperia XZ1にでは押出成形のメタルによるバスタブ構造を採用しており、ディスプレイ面に採用されているCorning Gorilla Glass 5との組み合わせにより、Xperia史上最高の曲げ/ねじれ強度を実現しているという。Xperia XZ1 Compactに関しては同じバスタブ構造だが、素材はGFRP(グラスファイバー強化プラスチック)とCorning Gorilla Glass 5の組み合わせになる。いずれの製品もIP65/68の防水、防塵機能を実現している。
OSはAndroid Oがプリインストールされている。カラーバリエーションはXperia XZ1がブラック/ウォームシルバー/ムーンリッドブルー/ヴィーナスピンク、Xperia XZ1 Compactがブラック/ホワイトシルバー/ホライゾンブルー/トワイライトピンクとなる。なお、今回の発表はグローバル向け製品の発表となり、日本国内での販売予定、販売形態などは未定。
普及価格帯向けのXAシリーズの最新製品Xperia XA1 Plus、5.5型フルHDパネル採用
Xperia XA1 Plusは5.5型フルHDパネルを採用しており、同社が“スーパーミッドレンジ”と呼んでいる普及価格帯向けのXperia XAシリーズの最新製品となる。2月のMWCで発表されたXperia XA1シリーズ2製品(Xperia XA1、Xperia XA1 Ultra)に追加されるかたちだ。
最大の特徴は、このクラスのXperiaとしては初めて指紋認証センサーを搭載していること、2,300万画素という普及価格帯製品としては最高クラスの画素数のカメラを搭載していることにある。SoCはMediaTek Helio P20、4GBないしは3GBメモリで、32GBのeMMCの内部ストレージをもっている。カラーバリエーションはブラック、ブルー、ゴールドの3色。こちらの製品もグローバル向けの発表となり、日本国内での販売予定、販売形態などは未定だ。