週刊ヤングマガジン連載中の原作:山川直輝、漫画:朝基まさしのマイホームヒーロー。
連載始まってもう3ヶ月くらいでしょうか、最初のころに面白そうだと期待して一度だけブログ書いたのですが、期待通りになかなか面白くなってきてます。
もうすぐ単行本1巻も発売だそうで。
冒頭部分の大まかなあらすじは是非前回の記事読んでください。
その後の主人公鳥栖哲夫(47歳)ですがやっぱり全然気の休まる日が訪れません。
殺した延人の死体を限られた状況の中で見事に処理するのですが、その方法が怖い!
浴室で人間の死体をバラバラにして…具体的なところは省略します。
漫画の中では死体そのものの絵は極力出ないようにしてて直接的なグロさは軽減されているのですが。
一介のサラリーマンがそこまでやったことで哲夫と妻の歌仙の鳥栖夫妻は冴えない中年のようでいてもう「一線を越えた」「覚悟が決まった」的な貫禄が出てきました。
でもやっぱり普通のおじさんおばさんっぽくもあって、淡々と犯罪隠滅工作をこなしていきます。
しかし、ヤクザ半グレ組織の実行部隊の隊長っぽい恭一からはかなり疑われてます。
ただ延人を殺した犯人だということはまだ全く気づかれてなくて「何か知ってそうで怪しい」レベルの疑念であることが、絶妙なギリギリ感を呼んでいて面白いです。
鳥栖夫妻は頭をフル回転させて、組織が仕掛けてくる尾行や盗聴を逆手に取って嘘の情報を組織に流すなどして切り抜けていくのが見事です。
ただそのかく乱は完璧ではなくて、恭一だけが「演技っぽくて怪しい」と感じ取っています。
その「ほぼシロだけとちょっと怪しい」という状態が夫婦だけでなく組織もどっちも追い込まれる状態となってしまうのです。
追い込むのは麻取義辰。
本来なら延人のようなお荷物一人消えたところで組織としては切り捨てちゃえばいいのに、息子を異常に溺愛する義辰がそれを許しません。
「一刻も早く延人を探し出せ」と窪や恭一にじりじり圧力をかけます!
と同時に札束も惜しげもなく出すもんだから「無理です」「不可能です」とは言えません。
「見つかりませんでした」はもっと言えない!
かといって手がかりは何も無い!
鳥栖夫妻以外は。
というわけで後がない恭一は強硬手段に出るしかありませんでした。
哲夫を拉致して、鳥栖家にも押し入って歌仙を拘束して、尋問(拷問!)して二人の証言が食い違ってたらお終いという超荒業。
この漫画が始まったときに、哲夫はいつかヤクザにつかまって拷問されるシーンが出てくるんだろうなあーと(闇金ウシジマくんとか読んだ経験から)薄々思っていましたが早くもその時が来ました。
恭一は本当にもうかなりの無茶をするしかないようです。
……と、ここまでが前回までのお話。
今週は夫妻がそれを切り抜ける話だったのですが、その方法はもしもの時のためにと事前に口裏を合わせていた、というものでした。
まーそれしかないかなあー。
でも哲夫の用意周到さはすごいです。
長年趣味で推理小説を書いたり読んだりした経験が生きてます。
歌仙も時間稼いだり無能を演じたり、非力な中年夫妻が本当に組織に対して一歩も引けを取らずに渡り合ってて読んでて応援したくなるんです。
結局組織の恭一以外の全員が夫妻はシロだと判断して恭一は成果を出せずに八方塞がりで夫妻の勝利!
…というのはまだまだ早計で歌仙は解放されたけど哲夫はまだ拘束されてるし、追い詰められた恭一が何をするかわかりません。
そこで哲夫が一言。
これが今まで読んでて一番驚きました。
「僕と組みませんか?」
おー!そうきたかー!
追い詰められて殴られて切られてボロボロ満身創痍なのに、よくまーそんな発想が浮かぶもんです!
哲夫が拉致られてどうなるか気になってたのにお盆休みや休載があって、かなりじらされてようやく読んだ今週号面白かったです。
この漫画、中だるみシーンがなくもないので不安もあるのですが、期待してた面白さがあって嬉しいです。
いやもちろんこれから期待外れになる可能性もあるのですが素直にわくわくしてます。
鳥栖夫妻VSヤクザ組織だけでなく警察も今後動き出しそうな雰囲気もあります。
続きが楽しみです。
果たして哲夫は恭一を味方にするのか、あるいは殺しちゃうのか!?
頑張れマイホームヒーロー。
(編集部は新宿スワンやミュージアム、僕たちがやりましたみたいに実写化を狙ってたりするかなあー?)