新潟では油揚げは主食です…!「油揚げ=脇役」と思っている人は栃尾のあぶらげを一度でいいから食べてみて

油揚げといえば、さまざまな料理の脇役としていぶし銀の活躍をする食材という認識だと思います。しかし、新潟では油揚げが主役なのです。なかでも「佐藤豆腐店」(新潟県長岡市金町2丁目3−11)の「栃尾のあぶらげ」は、いままで油揚げを軽視していた人も驚くほどの味とボリュームでしょう。佐藤豆腐店は、創業100年以上の老舗店。昔ながらの製法にこだわった油揚げを求めに、県外からわざわざ買いに来る人がいるほどです。新潟へ来たら主役級の油揚げをぜひお楽しみください。 (長岡のグルメランチ

新潟では油揚げは主食です…!「油揚げ=脇役」と思っている人は栃尾のあぶらげを一度でいいから食べてみて

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おみそ汁の具材としておなじみの「油揚げ」。
料理の脇役でありながらも、煮物や炒め物に何かと重宝する食べものですよね。

でも、私の住む新潟では、油揚げが「主役」として活躍しているんです。普通の油揚げとは見た目も味も別格! 酒のつまみにはもちろん、メインのお料理にも早変わり。

これまで油揚げを軽視してきた人が新潟へ来たら、「油揚げ=脇役」という先入観が崩れて、油揚げへの尊敬の念すら湧き上がるかもしれません。


一体どんな油揚げなのか、さっそくご紹介しましょう!

創業100年の老舗、佐藤豆腐店

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やって来たのは、新潟長岡市の栃尾地区。
およそ1万8千人が住む栃尾地区には、15店舗もの油揚げ店があり、各店こだわりの油揚げを製造しているんです。

なかでも赤い看板が目印の佐藤豆腐店は、創業100年以上の老舗店。昔ながらの製法にこだわった油揚げを求めに、県外からわざわざ買いに来る人がいるほど。
その名は「栃尾のあぶらげ」として知られ、食通なら知らない人はいない、新潟のご当地グルメとなっているんです。

せっかくなので、気になる「あぶらげ」の製造工程をのぞいてみましょう!


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どうだ! これが目に入らぬかー!!

新潟の栃尾のあぶらげの正体です!!
「いくらなんでもデカすぎじゃ……」と初めて見た時は思ったのですが、そのおいしさを知った今では、このこんがり揚がったキツネ色と、ふんわりと膨らんだ油揚げを見ただけで、自然とお腹が空いてきます。あぁ、今にもヨダレが出そう(じゅるり……)。

写真はあぶらげの中央を串で刺して、油切りをしている様子。このおかげで中身がふっくらとした状態を保つことができるんです。



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佐藤豆腐店で使うあぶらげの生地は、3種類の大豆をブレンドして絞った豆乳に、天然のにがりを手作業でこねて固めたもの。すべての工程で約2時間弱もかかるのだそう。

他の作業をしている間にも、同時に別の作業を行っているので、毎日開店前の朝5時から仕込みが始まり、午後4時ごろまで作業が続きます。


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まずは低温120℃で約10分揚げながら、生地をふくらませ、


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次に高温160℃以上で約20分揚げながら、外側をカリッと仕上げます。
油揚げってもっと簡単に作られていると思っていたけど、まるで唐揚げを作るかのように時間をかけて揚げているんですよね。

これだけの油で揚げているので、近くにいるだけでサウナにいるような熱気!
扇風機を回しながらも、厳しい熱さの中で汗を流しながら作業されているんですよ。

画像だと揚げている臨場感が伝わらないので、⬇次の動画を見てみましょう!




揚げる音がめちゃくちゃ食欲そそりません!?

油っこそうに見えるかもしれませんが、菜種油で揚げているからとってもヘルシー!

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この日は平日にも関わらず、続々とお客さんがやって来ました。


おじさんに話しかけてみると、「小千谷市の町内のみんなで車で40分かけて買いに来たんだよ。前からこのお店で買ってみたかったんだよね」と教えてくれました。

新潟県内のスーパーでも栃尾のあぶらげは購入できますが、大量生産していない佐藤豆腐店の場合、スーパーに卸すことが少ないので、直接お店に買いに来るのが1番なんです。


そもそも、どうして栃尾でジャンボ油揚げが広まったのでしょうか?
佐藤豆腐店3代目店主の佐藤さんにお話をうかがってみました。

 

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 「諸説あるんですが、ひとつは江戸時代に栃尾で馬の売買があって、宴の酒のつまみに手でかぶりつけるようなサイズになったという説。
もうひとつは、近くの秋葉神社の土産物として作られたという説があります。どちらが正しいかはわかりませんが、私が生まれたときには既にこのサイズだったんですよ」と話す佐藤さん。

栃尾のあぶらげは江戸時代から続く歴史ある食べもので、今もなお新潟県民に愛されているのです。

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店舗でも揚げたては食べられますが、車で約10分の「道の駅R290とちお」にやって来ました。「あげたて」看板の矢印の方へ行ってみると、

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ひっそりと営業しているお店が。実はここも、佐藤豆腐店のお店なんです!

佐藤豆腐店の従業員さんが常駐していて、店舗と同じ揚げたてを食べられます。

道の駅は広い駐車スペースがあり、地元の人も仕事の休憩がてら、車中であぶらげを食べている姿を見かけました。

 

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定番は、ネギとかつお節付き(300円)で、塩分少なめの醤油を端から端までたっぷりとかけます。

それでは、いっただきまーす!


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うめぇ!


口に入れた瞬間に、豆腐に染み込んだ醤油がじゅわっと広がり、ネギの食感がシャキシャキでたまらん!! 回りはサクサクしているけど、中身はふんわり、軽くて優しい味。
なにより揚げたてだからアッツアツでおいしい!!!


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家庭で作る場合は、細切りネギの上にかつお節を乗せるのが、大事なポイント!
これが逆になってしまうだけで、口の中の食感が変わってしまうんですよ。


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他にも甘辛のソースがかかったピリッとしたキムチ味も食べられます。
これまたうまい!

あーもう誰かお酒、持ってきてー!!

 

 

 

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道の駅内では、おみやげ用に各店舗のあぶらげが販売されています。
こんなに油揚げが置いてある場所って、なかなか見ない光景ですよね!?
 

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新潟県内のセブンイレブンでは、栃尾のあぶらげが売っている店舗もあるんですよ〜!
どこまで進出しているんだ、栃尾のあぶらげ!!


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私もさっそく、お土産に5枚入りを買って帰ります! まるでティッシュケースのように大きい……!
栃尾のあぶらげは、納豆やチーズを挟んで焼いたり、煮物にしたり、ピザのようにトマトを乗せて焼いたりと、酒のつまみや主食としての楽しみ方がたくさん!

これだけ新潟県民の食文化に浸透している「栃尾のあぶらげ」。
ぜひあなたも本場の味を確かめに、新潟長岡市の栃尾地区へ足を運んでみてください!!

紹介したお店 佐藤豆腐店

住所:新潟長岡金町2丁目3−11
電話:0258-52-2558
営業時間:9:00~17:00
休業日:不定休
ホームページ:http://www.aburaage.co.jp/
※店舗で揚げたてを確実に食べたければ、お昼までに行ってください。

◆道の駅R290とちお
住所:新潟長岡市栃尾宮沢1764
電話:0258-77-0100
営業時間:10:00~17:30(佐藤豆腐店 揚げ処 さとう)



書いた人:フリーライター ルリ子

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