フッ素塗布はする?しない?
フッ素は歯の再石灰化を助けて、歯質を強化し、虫歯をできにくくする(虫歯菌の活動を抑える)効果があります。
市販されている歯磨き剤には「フッ素配合」と表記されていて、大々的に売られています。
私の勤めている歯科医院でも、子どもの虫歯治療の最後にはほぼ必ずフッ素塗布を行います。
しかし、なかにはフッ素塗布はしないで下さいと言われる親御さんもいらっしゃいます。
フッ素を体内に取り込むことへの悪影響を心配されているのです。
「フッ素」と「フッ化物」の違いについて
フッ素というのは、原子記号の1つです。元素記号では(F)と表されます。
フッ素単体では、塩素のような独特の臭いを持ち、猛毒です。
なので、単体で使用されることはほとんどありません。
フッ化物というのはフッ素の化合物です。
歯磨き剤の成分として記載されている、フッ化ナトリウムはフッ素ではなく、フッ化物ということになります。
なので、正しくは「フッ素塗布」ではなく、「フッ化物塗布」というのが正しいです。
しかし、今回はややこしくなるので、一般的な言い方でフッ素塗布と書かせていただきます。
子どもの歯を虫歯から守るために、フッ素塗布はした方がいいのでしょうか?それとも避けた方がいいのでしょうか?
フッ素塗布をするメリットは
・歯の再石灰化←超初期の虫歯はこれで治ります
・歯質の強化
・虫歯菌の活動を抑制する
です。
フッ素塗布をしないでと言われる方のように、フッ素塗布は人体に悪影響を及ぼすので危険!
などという意見もありますが、害が出るほど濃度の濃いフッ化物は塗りませんし、過剰に摂取しなければ、人体に影響はないと言われています。
複合体としてのフッ素は、土、山、川、海、動物、植物など地球のあらゆる所に含まれていて、地球上に暮らす生物はみんなフッ素を取り込みながら生きています。
歯科医師の指導のもと、用法容量を守って正しく使用していれば、フッ素を虫歯予防に使うことに対して、そこまで神経質になる必要はないでしょうか?
フッ素塗布は3~6か月に1度するのが効果的!
フッ素塗布は、自宅で低濃度のフッ素(歯磨き剤やジェル)する方法と、高濃度のものを歯科医院で塗布する方法があります。
定期的な歯の検診と合わせて、3~6か月に1度、塗布するのが良いと思います。
フッ素塗布はいつ始めればいいのか?
私は、3太郎とも歯が生え始めたら(7か月頃ぐらい)歯科医院に連れて行きフッ素塗布をしています。生え始めの歯が1番フッ素の取り込み量が多く、効果的です。
フッ素は使い方さえ間違わなければ、人体に悪影響を及ぼすことなく、虫歯予防の働きを高く期待できる、とても頼もしい存在です。
しかしこれは、フッ素を塗っていれば虫歯を防げるというものではなく、正しいブラッシングができているという前提での話です。
歯磨きをせずにフッ素だけを塗っていてもあまり効果はありません。虫歯になります。
正しい歯磨きと定期的なフッ素で・・・
目指せ!
虫歯ゼロ!!