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弥富金魚、防鳥ネット半額補助 市、補正予算案に計上

養殖池に張られた防鳥ネット=愛知県弥富市で

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 全国屈指の金魚産地で知られる愛知県弥富市周辺の養殖池で野鳥などによる食害が相次いでいる問題で、弥富市は市内の業者に、防鳥ネットなど対策用品の購入費を補助する方針を決めた。カモなど渡り鳥が多く飛来する冬を見越し、九月の市議会定例会に提案する一般会計補正予算案に関連費百十万円を計上。地場産業の保護につなげる。

 市によると、補助は購入費の半額。市内の六十八業者のうち二十三業者が活用する見込みで、池の上部や周囲に張り巡らせるポリエステル繊維の防鳥ネットなどを購入する予定。市内の養殖池の約四分の一にあたる十万平方メートルをカバーし、適切に管理すれば、ほとんどの食害を防げるという。

 弥富金魚漁業協同組合(同市)は五月、弥富市や周辺の組合員に昨年の被害状況を初めて調査。全体の約14%にあたる百五十七万匹が食害にあったとし、市に支援を要望していた。

 同市の安藤仁司さん(60)は池の上に釣り糸を並べて張るなどの対策をしてきたが、昨年約六万匹が被害に。補助を使い、釣り糸をすべて防鳥ネットに替えるといい、「被害は激減する」と喜ぶ。

 市は二〇一三年まで十五年以上、組合に毎年数十万円の食害対策費を助成。一定の対策が取れたとして打ち切ったが、今回新たな対応が必要と判断した。伊藤恵造組合長(65)は「渡り鳥が多い十一月から二月ごろが狙われやすい。できるだけ早くネットを設置していきたい」と話している。

 (清水裕介、大野雄一郎)

 

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