豪当局、中国人5人を強制送還 密航疑いで船拿捕
オーストラリアの入管当局が中国人男性5人を強制送還していたことが30日、明らかになった。5人はパプアニューギニアとの間のトレス海峡で密航の疑いで拿捕(だほ)されたボートに乗っていた。
豪当局は、一緒にボートに乗っていた中国国籍の男とパプアニューギニア国籍の男2人が密航幇助(ほうじょ)容疑で起訴されたと述べた。
地元メディアによると、ボートは今月20日にパプアニューギニアから4キロの距離にある豪領サイバイ島に到着したという。
オーストラリアのピーター・ダットン移民相は28日に、「1000日を大幅に上回る」期間、密航業者はオーストラリアにやって来ていないと述べていた。
入管当局が30日に出した発表文は、中国人男性たちがトレス海峡で「オーストラリアに不法入国しようとしていた」と述べた。男性たちが上陸していたのかについては明らかにしていない。
オーストラリア放送協会(ABC)によると、ボートの乗船者から難民申請は出ていない。
オーストラリアは、難民認定を求めてボートでやって来る人々をパプアニューギニアのマヌス島など本土外にあるオーストラリアの難民施設に送ったり、密航の疑いがある船舶を追い返したりするなど、しばしば議論を呼ぶ厳格な国境管理を行っている。
ジュリー・ビショップ外相は、今回のボート拿捕をめぐり、難民が再び押し寄せているわけでないと述べた。「国境の安全を守る非常に良い戦略が実施されていて、(今回の)人々は察知されていた」。
密航幇助の容疑で起訴された2人は29日に、東部クイーンズランド州ケアンズの裁判所に出廷した。来月もさらに審理が行われる予定となっている。
豪政府は昨年、難民認定を求める12人のスリランカ人がインド洋上にある豪領ココス諸島に到着したとの情報について、「作戦上のこと」にはコメントしないとして確認を避けた。
(英語記事 Chinese men sent home in Australia people-smuggling probe)