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実は知らない　「晴れ」「曇り」の見極め方気象予報士　伊藤みゆき

2013/4/30

　普段の通勤日なら、雨さえ降らなければ晴れでも曇りでも構わなくても、休みの日は「曇りよりも晴れてほしい」と思う人が多いことでしょう。

　特に行楽なら、晴れと曇りではテンションの高さも違ってきますよね。

　では、「晴れ」と「曇り」の境目はどの段階にあるでしょうか？

1.空に雲がほとんどない場合だけが「晴れ」。
2.雲が空の半分以下なら「晴れ」。
3.雲が空の8割くらいまででも「晴れ」。

■雲が8割の空は「晴れ」

　この問題を出すと、多くの人が「2」と答えがちですが、正解は「3」です。

　気象庁では「空全体を雲が占める割合＝雲量」で天気を判別しています。空のあちらこちらに広がっている雲を寄せ集めたとして、それが全天のどのくらいの量になるかをみるのです。

　日本の雲量は0から10までの11段階に分けられています（国際的には0から8まで）。雲量が0～1なら「快晴」、雲量が2～8は「晴れ」、雲量が9～10は「曇り」です。一般的に「雲が8割・青空2割」なら曇りかと考えると思いますが、晴れの幅は一般の感覚よりもずいぶん広いんです。

　また、「曇り」もさらに、「曇り」と「薄曇り」に分けられています。地上から空高いところまでを下層・中層・上層の3段階に分けて、どの階層の雲が多いかによって判断します。

　曇りの定義は「雲量が9以上であって、中・下層の雲が上層の雲より多い場合」、薄曇りは「上層の雲が中・下層の雲よりも多い場合で、薄い雲を通して地物の影が出来ることが多く、予報では“晴れ”として扱う」となっています。

上層に広がる薄い雲が空いっぱいに広がっているが、うっすらと太陽が見える。この場合、地面には影が出来るので「薄曇り」となり、天気予報では「晴れ」に含まれる

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普段の通勤日なら、雨さえ降らなければ晴れでも曇りでも構わなくても、休みの日は「曇りよりも晴れてほしい」と思う人が多いことでしょう。　特に行楽なら、晴れと曇りではテンションの高さも違ってきますよね。　では、「晴れ」と「曇り」の境目はどの段階にあるでしょうか？1.空に雲がほとんどない場合だけが「晴れ」。 2.雲が空の半分以下なら「晴れ」。 3.雲が空の8割くらいまででも「晴れ」。■雲が8割の空は「晴れ」　この問題を出すと、多くの人が「2」と答えがちですが、正解は「3」です。　気象庁では「空全体を雲が占める割合＝雲量」で天気を判別しています。空のあちらこちらに広がっている雲を寄せ集めたとして、それが全天のどのくらいの量になるかをみるのです。　日本の雲量は0から10までの11段階に分けられています（国際的には0から8まで）。雲量が0～1なら「快晴」、雲量が2～8は「晴れ」、雲量が9～10は「曇り」です。一般的に「雲が8割・青空2割」なら曇りかと考えると思いますが、晴れの幅は一般の感覚よりもずいぶん広いんです。　また、「曇り」もさらに、「曇り」と「薄曇り」に分けられています。地上から空高いところまでを下層・中層・上層の3段階に分けて、どの階層の雲が多いかによって判断します。　曇りの定義は「雲量が9以上であって、中・下層の雲が上層の雲より多い場合」、薄曇りは「上層の雲が中・下層の雲よりも多い場合で、薄い雲を通して地物の影が出来ることが多く、予報では“晴れ”として扱う」となっています。<INSERT code="1" id="DSXZZO5441052026042013000000" style="4"/><PAGEBREAK/>　“晴れ”の予報には、青空がたったの2割しかない場合も、青空が薄い雲で遮られてしまってうっすら影が出る場合も含れるとなると、「だいたいの天気が晴れになってしまうのでは？」と思ってしまいますが、実際は8割程度の雲でも晴れていると感じる人が多いので、気象庁も雲量が8までは「晴れ」としたようです。　ただ、私自身も写真を撮る時や天体ショーを楽しみたい時は、多少の雲さえ邪魔に感じることがありますから、8割も雲があったら大問題です。気分を保つために「天気的には晴れだから」と思うことにしていますが、内心は「雲が少ない晴れだったら良かったな」と残念な気持ちでいっぱいになります。　「快晴に近い晴れ」になるタイミングの一つは、大きな移動性高気圧に覆われ始める時です。乾燥した空気が流れ込んで雲が広がりにくくなります。高気圧の中心が通り過ぎてしまうと、雲が増えてきて、次第に「曇りに近い晴れ」へと変わってしまいます。　大型連休中はいつも以上に天気が気になると思います。特に、同じ「晴れ」でも雲の割合まで気になる人も多いかもしれません。いまのところ、連休前半は大きな高気圧に覆われて晴れるところが多く、4月30日からの休みの谷間に列島を雨雲が通過する予想になっています。以前の記事「1週間先の予報は当たらないのウソ」に書いた週間予報の信頼度も、行楽の準備などに役立てて下さいね。<INSERT code="1" id="DSXZZO4285519021062012000022" style="2"/>伊藤みゆき 　気象予報士。証券会社社員を経て、気象予報士に。日本テレビ衛星「NNN24」の初代気象キャスターに合格。現在はNHKラジオ第一「ラジオあさいちばん」気象キャスター。 光文社の雑誌『STORY』などで連載を持つなど、幅広く活動中。[nikkei WOMAN Online 2013年4月25日付記事を基に再構成]

　普段の通勤日なら、雨さえ降らなければ晴れでも曇りでも構わなくても、休みの日は「曇りよりも晴れてほしい」と思う人が多いことでしょう。

　特に行楽なら、晴れと曇りではテンションの高さも違ってきますよね。

　では、「晴れ」と「曇り」の境目はどの段階にあるでしょうか？

1.空に雲がほとんどない場合だけが「晴れ」。
2.雲が空の半分以下なら「晴れ」。
3.雲が空の8割くらいまででも「晴れ」。

■雲が8割の空は「晴れ」

　この問題を出すと、多くの人が「2」と答えがちですが、正解は「3」です。

上層に広がる薄い雲が空いっぱいに広がっているが、うっすらと太陽が見える。この場合、地面には影が出来るので「薄曇り」となり、天気予報では「晴れ」に含まれる

　“晴れ”の予報には、青空がたったの2割しかない場合も、青空が薄い雲で遮られてしまってうっすら影が出る場合も含れるとなると、「だいたいの天気が晴れになってしまうのでは？」と思ってしまいますが、実際は8割程度の雲でも晴れていると感じる人が多いので、気象庁も雲量が8までは「晴れ」としたようです。

　ただ、私自身も写真を撮る時や天体ショーを楽しみたい時は、多少の雲さえ邪魔に感じることがありますから、8割も雲があったら大問題です。気分を保つために「天気的には晴れだから」と思うことにしていますが、内心は「雲が少ない晴れだったら良かったな」と残念な気持ちでいっぱいになります。

　「快晴に近い晴れ」になるタイミングの一つは、大きな移動性高気圧に覆われ始める時です。乾燥した空気が流れ込んで雲が広がりにくくなります。高気圧の中心が通り過ぎてしまうと、雲が増えてきて、次第に「曇りに近い晴れ」へと変わってしまいます。

　大型連休中はいつも以上に天気が気になると思います。特に、同じ「晴れ」でも雲の割合まで気になる人も多いかもしれません。いまのところ、連休前半は大きな高気圧に覆われて晴れるところが多く、4月30日からの休みの谷間に列島を雨雲が通過する予想になっています。以前の記事「1週間先の予報は当たらないのウソ」に書いた週間予報の信頼度も、行楽の準備などに役立てて下さいね。

伊藤みゆき
　気象予報士。証券会社社員を経て、気象予報士に。日本テレビ衛星「NNN24」の初代気象キャスターに合格。現在はNHKラジオ第一「ラジオあさいちばん」気象キャスター。光文社の雑誌『STORY』などで連載を持つなど、幅広く活動中。

[nikkei WOMAN Online 2013年4月25日付記事を基に再構成]

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