★後輩シリーズPart1★
★後輩シリーズPart2★
後輩のことに関して書くのはこれが最後だと思います。
~あらすじ~
ある日、後悔からの連絡が来た。後輩は夫からのDVとモラハラがひどすぎて離婚を決意したという内容だった。しかし、決意してから時間が立つに連れて決意が揺らいでいくのであった。
そんなPart2からの後日談。
友達の家で歌を歌いながら楽しくかき氷を作っていたら家のインターホンが鳴った。
驚いたことにそれは例の後輩だった――友達の家で留守番しているとは連絡していたけれど、まさか来るとは思わなかった。
何か大変なことでもあったのかな?と思っていたのだけれど。後輩からの第一声。
「外まで歌ってたの聞こえていたよ」
なるほど、だから壁や床からバンバン音がしていたのか――許せ、斎藤くん。
後輩から今回の件について話をされた。
話をまとめると......
夫がとても反省しているらしく、「信じてあげよう」、「やっぱりこの人しかいない」という気持ちになったらしい。
そう思い始めてから、また結婚生活をラブラブな関係で過ごせるようになったみたいだ。
あれほど離婚したがっていたのによくここまで戻ってこれたなと感心した――いい意味でも、悪い意味でも人の気持ちなんてすぐに変わる。
人生は本当に何があるかわからないし、人の数だけ物語があって面白いと感じたり、不思議な気持ちにもなる。
自分視点で考えたら、たった1つの物語が進んでいるにすぎないのだけれど、もっと大きく考えたら人口の数だけ物語が今も同時に進んで作られていると思うとなんだかすごくないですか?
今回は後輩だけが辛い出来事だったけれど、辛い時や大変な時に、こうやって相手を信じることで乗り越えていける関係を作れるのなら結婚するのも悪くないことなんだろうなって思えた。
借金持ちの僕が仲直りできたお祝いに何かを他人にしてあげる余裕は無いので、お祝いに冷蔵庫にあった材料を使ってケーキを作ってあげた――すまん、斎藤くん。
「これから先にまた何かあるかもしれないけれど、頑張って幸せな生活を送りなよ」
僕はそう言って彼女を友達の家から送り出した。
一週間後......
友達(斎藤くん)の家で歌を歌いながらお好み焼きの生地を作っていると携帯が鳴った――後輩からのLINEだった。
幸せの自慢だったらイラネーよって思いながらLINEを見た......
「DVとモラハラが前よりひどくなった。死にそう(泣)」
......僕はそっとLINEを閉じて、お好み焼きの生地を焼き始めた。