黒潮に異変 12年ぶりの「大蛇行」発生 台風接近で潮位の上昇に警戒を!
気象庁は30日、九州から本州の南岸に沿って北上する黒潮に異変が起きていると発表した。紀伊半島から東海沖にかけて大きく離岸した状態が続いていて、2005年8月以来の「大蛇行」となる可能性が高いそうだ。黒潮の異変がどんな影響を及ぼすのか、解説しよう!
黒潮は、メキシコ湾流や南極大陸の近海を一周する南極還流と並んで、世界最大規模の海流だ。通常、東シナ海を北上して九州の南から太平洋に入りこみ、本州の南岸に沿って北上し、房総半島沖を東に流れるパターンで知られるが、気象庁によると、この流れに、異変が起きているという。
気象衛星ひまわり8号がとらえた、今月29日の海面水温の観測画像によると、黒潮は現在、紀伊半島から東海沖にかけて、大きく離岸して、伊豆諸島の八丈島付近まで南下している。一方、紀伊半島の熊野灘から東海沖には、黒潮から分かれた海水温の高い暖水が分布して、潮位が通常よりも10〜20センチ上昇しているという。
この現象は、黒潮大蛇行と呼ばれるもので、かつては異常現象だと考えられていたが、現在は黒潮のもうひとつの流路として考えられている。気象庁によると、2005年8月以来、12年ぶりの大蛇行になる可能性が高く、今年10月上旬まで続く見込みがあるという。
黒潮大蛇行が発生すると、蛇行した黒潮と本州南岸の間に、深海からの冷たい水が湧き上がることで、漁場の位置にも影響を及ぼすうえ、東海から関東地方では沿岸の潮位が上昇することで、浸水被害が起こりやすくなるリスクがあるという。
1965年以降、これまでに5回の大蛇行が発生しているが、いずれも一度発生すると1年以上、最長で4年近く継続した時期もあるという。この時期に、台風や低気圧が接近した場合は、さらに潮位が上昇する。今週末、東日本への接近が懸念される台風15号にはくれぐれも注意してほしい。
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