ジョージマンです。
今回ご紹介したいのはMT-07です。
最近の売れ筋バイクラインキング 400cc以上ではいつも上位に入る人気バイクですね。
はじめは「なんで今さら750cc以下ツインエンジンの大型バイクが人気?」と思いましたが、よく調べてみると魅力がたくさんあって気になります!
◆ MMD MODEL:舞風 「艦これ」ファンアートモデル(モデル製作:お宮)
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MT-07のエンジンはもちろん『クロスプレーン・コンセプト』
MTシリーズのシリーズ内一貫しているのが、『クロスプレーン・コンセプト』
以前ご紹介したMT-09もそうでしたが、
今回のMT07も2気筒なのでクロスプレーンエンジンではありません。
『クロスプレーン・コンセプト』である、
「慣性トルクが少なく、燃焼室のみで生み出される燃焼トルクだけを効率良く引き出す設計思想」に基づいたツインエンジンです。
MT-07の為に新開発された水冷4ストローク直列2気筒DOHC8バルブエンジンは688cc。
クロスプレーン・コンセプトに基づいて採用されたのが270度クランクです。
ヤマハが温め続けた270度クランクツインエンジン
パリ~ダカールラリー、略して『パリダカ』。
このレースの名前はバイクに詳しくない人でも1度は耳にしたことがあるでしょう。
砂漠を乗り越えて進んでいくレースで勝つために必要なのは
トラクション(駆動力)を得やすいエンジン特性。
そして、考え出されたのが270度クランク採用による
不等間隔爆発のパラレルツインエンジン。
現在一般的な180度クランクのパラレルエンジンはピストン上下が交互に動き、等間隔爆発です。
270度クランク採用による不等間隔爆発はクロスプレーンエンジンの説明記事でもご紹介したとおり、断続的にリアタイヤにかかっていた力にリズムをつけることによりトラクションを得ることができます。
ヤマハはこの270度クランクツインエンジンを使い1997年と1998年に「XTZ850TRX」というバイクでパリダカを連覇しましたが、実は1995年にはいち早く市販バイクへこの技術を採用していました。
その市販バイクというのがTRX850というバイクです。
▲TRX850
By Kuro8124 CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons
当時、大排気量ツインエンジンを積んだカウル付きのスポーティなバイクといえばドゥカティぐらいしかありませんでしたから、大きな話題になったのは覚えています。
ただ、このTRX850は売れませんでした・・・
TRX850の最高出力は83PS / 7500rpm。
そしてミッションは5速。
1995年と言えばCBR900が売行きを伸ばし、CBR1100XXやYZF1000Fサンダーエースが発表を控えていた『ハイパワー至上主義』全盛の頃。
大排気量バイクで100PS以上の出力は当たり前と思われていましたし、大排気量ツインというジャンルとしては、その後発表されたスズキTL1000Sやホンダ VTR1000Fの方ががTRX850よりもスポーティでハイパワーでした。
しかし、このTRX850の不発の裏で売れまくっていたのが、同じ270度クランクツインエンジンを搭載した『TDM850(後期)』です。
▲TDM850(後期)
By Gregor Neagy CC BY-SA 2.0 de via Wikimedia Commons
日本ではなかなか見かけない不人気バイクですが、ヨーロッパでは前期型から人気があり、オンロード・オフロード兼用のアドベンチャーツアラーです。
270度クランク採用によるトラクションの獲得はパリダカのイメージもあって、後期型はますます人気が出たというわけです。
その後もTDM900へとモデルチェンジされ、2010年の生産終了まで販売された台数はTDM850とTDM900を合わせると10万台を超えるそうです。
▲TDM900
By Daniel LAURENTCC BY 2.0 via Wikimedia Commons
クロスプレーンに近いエンジンはコレだけど
慣性トルクの軽減によりトルクのムラを減らし、不等間隔爆発による断続的にリアタイヤにかかっていた力にリズムをつける。
このアプローチはクロスプレーンエンジンと同じです。
YZF-R1やMT-10の4気筒クロスプレーンエンジンはハイパワーをいかにトラクションへ変えるかが目的ですが、MT-07の270度クランクパラレルツインは少々目的が違うようです。
世の中はハイパワー至上主義ではなくなり、ヨーロッパでは600~800ccクラスが人気の主流となっています。
TDM850、900にかわる『次世代のスタンダードバイク』MT-07のエンジンはTDMで採用されていたヤマハ特有の5バルブ(2気筒で10バルブ)は4バルブに変更され、排気量は落とされています。
MT-07に搭載されたクロスプレーン・コンセプトのツインエンジンでは速く走る為のトラクション獲得やリニアなトルク発生ではなく、『スムーズ』に『意のまま』に操ることが目的でしょう。
デザインと価格も魅力
『誰が見ても格好いいと思えるスタイリング』
が開発時のコンセプトです。
かなりハードルの高いコンセプトですよね?w
みなさんはどうでしょうか?私は、
『非常に格好いい』と思っています。
それでもMT-07の性能は気に入ったけど、デザインが気に入らないっていう人には
『XSR700』というヘリテイジデザインの用意もあります。
国内仕様はありませんが、こちらもデザイン面は非常に優れていると思いますよ。
まぁ、MT-07のデザインのすばらしさを説明した後でなんですが、ヤマハの純正オプションパーツであるY'sGEARで用意されているマフラー
スンゲー好み!
もうこれ装着したいというだけでMT-07買っちゃいそうな勢いで好みですw
そして価格は
MT-07 ABS
¥760,320 [消費税8%含む] (本体価格 ¥704,000)
MT-07
¥710,640 [消費税8%含む] (本体価格 ¥658,000)
さすが次世代スタンダード!
破格です!絶対安いです。
うーん、気になる!