ロシア中銀、「システム上重要な」民間銀行を救済-預金流出で

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ロシア中央銀行は、国内大手商業銀行のオトクルィチエの経営支配権を奪取したと発表した。金融システムに重要との指定を受けた銀行が公的資金で救済されたのは初めて。

  ロシア中銀の29日発表によると、この救済で既存株主の持ち株比率は最大で25%に縮小し、償却される可能性もある。劣後債保有者も保有債券が紙くずとなる恐れがある。

  オトクルィチエはかつてロシア最大の民間銀行だったが、格付け会社による予想外の格下げを受けて6-7月の2カ月で74億ドル(約8000億円)相当の預金が流出。この影響がロシア金融システム全体に拡大する事態が懸念されていた。

  中銀はこの日、他行への緊急流動性措置を準備していると明らかにした。今回の救済は中銀が金融システム上重要な銀行と指定した10行のうちでは初めてで、資金は銀行業界の再編支援用に新たに設立した基金から拠出する。

原題:Russia’s Central Bank Steps In to Rescue Otkritie After Outflows(抜粋)

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金正恩委員長、29日のミサイル発射はグアム封じ込めへの「前奏曲」

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  • 引き続き米国の反応を見守ってからさらなる行動を決める-金委員長
  • 今後も太平洋に着弾するミサイル試射続けるよう指示

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は30日、日本上空を通過した29日のミサイル試射について、米軍の拠点であるグアム封じ込めのための「意味深長な前奏曲」だと表明。引き続き米国の反応を見守ってからさらなる行動を決めるとの考えを示した。

  国営の朝鮮中央通信(KCNA)が伝えた声明によれば、金委員長は中距離戦略弾道ミサイルの発射を指導。朝鮮人民軍に対し、今後も太平洋に着弾するミサイル試射を続けるよう強く促した。

金正恩委員長
金正恩委員長
出典:韓国中央通信社(KCNA)/ AFP、ゲッティイメージズ経由

  KCNAによると、今回のミサイル発射は米韓合同軍事演習に対抗する「力の誇示」の一環だった。北朝鮮は今月9日、グアム島周辺への包囲攻撃を検討していると表明。これを受け、米軍当局者らは攻撃されれば報復すると警告していた。

  北朝鮮の飛翔(ひしょう)体が日本を通過したのは2016年2月にロケットが沖縄上空を飛行して以来となった。先週末と29日の2回の発射により、一時は緩和したとみられていた緊張が再び高まり、金委員長の兵器プログラムを巡る対話への期待は後退した。

  北朝鮮は米国が「敵対的」な政策を撤回しない限り、核プログラムの交渉には応じないとしており、米韓合同軍事演習は体制転覆を狙うもので、偶発的に戦争を引き起こし得ると強く非難してきた。
  
原題:Kim Says Latest Missile Test Was ‘Prelude’ to Containing Guam(抜粋)

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