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【社会】

気温35度近く 測らず部活 都特別支援学校の生徒重体の当日

 東京都の知的障害特別支援学校「都立永福学園」(杉並区)で二十三日、高等部一年の男子生徒(15)が部活動中に熱中症で意識不明の重体になった問題で、同校が当時、気温測定を怠り、生徒に運動させていたことが、都教育委員会への取材で分かった。都教委は気温三五度以上で原則運動中止を指導しており、付近では当時、これに近い高温を記録していた。

 都教委は二〇一一年、熱中症を防ぐため、都立学校に「天候・気温、活動内容・場所などの状況により、無理に活動せず自粛するなどの適切な判断」を求め、三五度以上で原則運動中止、三一度以上で激しい運動の中止を指導している。今年五~七月も同様の通知を三回出したという。

 同校では五月以降の午後一~二時、職員がグラウンドと体育館の気温を測定し、職員室前の掲示板に記入していた。生徒が重体となった二十三日は、これらを担当する職員が休暇だったこともあり、測定していなかった。

 生徒が所属するバスケットボール部の顧問教諭も、体感で「これくらいなら大丈夫だろう」と判断したという。

 だが、同校のある杉並区の気温は、都環境局の測定によると、二十三日午後三時時点で三四・七度を記録していた。

 都教委は二十五日の記者会見では「杉並区の気温は三二度」と説明していたが、これは千代田区の気象庁観測所で測定したもので、実際には「運動中止」に該当しかねないレベルだった。

 生徒は二十三日午後一時二十分ごろから部活動に参加。午後三時十分ごろから時間内に走れなかった罰として、屋外でランニングを始めた。校舎の外回りを二十一周(九・五キロ)走った午後四時ごろ、横たわってうなっているところを、部の顧問とは別の教員が見つけた。 (唐沢裕亮)

 

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