お手伝いさせていただいている会社の若い子やらから、「仕事が楽しいと感じる時って何ですか?」みたいなキラキラした質問をされることがあるんだけど、そもそも仕事で楽しいと思った瞬間は一回もないわけです。なので素直に、「楽しかったこととか特にないよ?」と返すと、ちょっぴり残念そうな顔をされるんです。今の若い子って、仕事に何かしらの希望と期待を持ってるのかしら。
自分が仕事をしている業界が業界だけあって、周りには仕事好きな人が多いんですよね。その理由もよくわからないわけですが。お手伝いさせていただいている会社の人とか、この時間にもまだ普通にメール飛ばしてたりするし、正直何が楽しくてそんなに仕事をしているのか全然わからないわけです。早く帰ってスプラトゥーンした方が楽しいやんって。
とはいえ、仕事中が常につまらないかと言われたらそんなわけではないです。仕事が常につまらなかった時代もあったけど、つまらなすぎて転職を何回かして、わりとフリーダムな感じのフリーランスになったので、このハゲ氏ねよとか、つまらないなと思う回数は、幸いなことにかなり減ってるわけです。好き勝手やらせてもらえてるし、いろんな意味で良い人たちと仕事させてもらえてるし。とはいえ、仕事が楽しいかといわれれば、ちょっと違うんじゃないかと思うわけです。
例えば、プログラムを書いていてそれがうまく動いた時って、ちょっとした万能感みたいなものがあったりして楽しいと思うときは少なからずあるんだけど、でもそれって「プログラミング」が楽しいわけであって、仕事「が」楽しいわけじゃないと思うんですよね。いうなれば、仕事中に粘土細工をしていて「楽しい!」ってなっているのとあまり変わらないわけです。この場合、仕事が楽しいんじゃなくて、粘土細工が楽しいだけですよね?
別の例だと、新規の取引先に営業に行って契約をまとめられた瞬間なんかはちょっとした満足感はあったりするんだけど、でもこれよりも女の子を口説き落とした時の方が全然楽しいし、満足感もあるわけですよ。そんなのと比べると、微々たる楽しさしかないし、これを楽しいって思っちゃう人って幸せだなとしか思えないわけです。
さらに別の例だと、職場の人とくだらない雑談で盛り上がったりして楽しい瞬間があったりするんだけど、でもそれって居酒屋とかで友達とだべってる方が数百倍楽しいわけですよ。自分の作ったサービスが使われてるのが楽しいっていう話もわからなくもないけれども、その場で自分が描いた絵を手売りしてる方が全然楽しいわけですよ。
仕事の中で楽しいと思う瞬間はゼロじゃないとはいえ、それって仕事「が」楽しかったのか、仕事に付随する作業やプロセス自体「が」楽しかったのかでいうと、明らかに後者だと思うんですよ。もうちょっと別の言い方をすると、わざわざその仕事をしなくても得られる楽しみだと思うんですよね。
で、それが楽しかったからといって、仕事「が」楽しいとはいえないと思うんですよ。
文化祭とか部活って、なんかよくわからないけど楽しかった記憶があるんです。
仕事にも、そんな感じの楽しさが転がってるんですか?
仕事が楽しいって一回くらい言ってみたいし思ってみたいんです。
仕事が楽しいっていう人がいるってことは、楽しい仕事や仕事の楽しみ方ってものが多分あるはずだし。