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» 2017年08月29日 15時50分 公開

「ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査」発表 据置機従事者が増加、スマホゲーム従事者は減少傾向

文系の開発者が急増しているとのデータも。

[沓澤真二ねとらぼ]

 コンピュータエンターテインメント協会が例年の「ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査」を実施し、8月30日~9月1日開催のCEDEC 2017に合わせて速報を公開しました。調査は7月1日~31日に商業ゲームに携わる開発者を対象に行ったもので、有効回答数は1936件(以下、資料より引用)。

 注目すべきデータは開発者が従事しているプラットフォーム。据置機向けゲームの従事者が2015年の27.1%を底に、2016年は40.3%、2017年は48.8%と増加傾向に転じています。その一方、スマートデバイス向けゲームの従事者は2014年の92.2%をピークに、2015年は64.3%、2016年は53.2%、2017年は48.9%と減少傾向にあるとのことです。


プラットフォーム 据え置き機とスマートデバイスとで、従事者の数がほぼ同じに

2014年分 2014年時のデータでは、スマホおよびタブレット向けゲームの従事者が合わせて92.2%にも及んでいた

 今回は初めて勤務地域別の集計を実施。回答者の勤務地は8割方関東だったものの、地域ごとの特徴が部分的に確認されています。例えば平均年収においては、北海道が576.72万円、近畿が561.23円と、全国平均が539.15万円を上回る結果となりました。


全国平均 全国平均の2016年度年収。400~499万円を中心に分布

勤務地別年収 勤務地別で見ると、北海道と近畿は全国的に年収が高め

 ゲーム業界の就業年数は、毎回平均10年前後で推移しており、今回も10.63年。北海道では13.82年、九州では12.96年、中部では8.87年と地域差が見られました。なお、転職回数は0回が56.6%と最も多い結果となりましたが、就業年数が長いほど転職回数が多いとのデータも示されています。


就業年数 就業年数は全国平均で10.63年。3年以下が20.1%と最多ですが、18年超のベテランもそれに次ぐ多さ

勤務地別 勤務地別では、北海道と九州が全国平均を上回る

転職回数 平均の転職回数は1回未満。過半数が転職未経験

転職回数別 就業年数を転職回数別で見ると、長くやっている人ほど転職も多いということに

 開発者の最終学歴における学問系統で、人文学専攻者が前年のほぼ2倍となる46%に増加したという興味深いデータも。職種別でもサウンドクリエイターを除く全部門で最多となっています。同団体はこの結果が近年指摘される若者の理科離れを示すのか、新たな学問分野を生かそうとする開発会社の意向なのか、今後の分析を注視するとしています。


学問傾倒 人文学専攻者が最多に

職種別 ほとんどの職種で人文学専攻者が最多


(沓澤真二)


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自分がツインテールのかわいい女の子だと思い込んで「はとバス」の取材をレポートする(後編)

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