以前似たような話をした記憶もあるのだけど。消費税を肯定する理由の一つとして、「景気に左右されない安定した税収を確保するため」というのがある。人間は景気が悪くても消費活動をする必要があるから、その流れに税金をかければ、税収は安定するじゃないか、というもの。これって考えてみれば呼吸税とか窓枠税とか人頭税みたいなものだけど。
で、これって見方を変えると、景気をよくする動機付けが無くなるので、方向性としては税率を上げるだけになるんだよね。宿題してもしなくても怒られないしおやつも抜きにならないし成績の評価も変わらない。ならば宿題をやる人がどれだけいるのか。
財務省は元々お金の勘案、予算設定部分の調整、つまりは電卓みたいな役割を果たしているはず。にも関わらず、景況感に関わる部分に多分に影響力を持ち、さらには景気を良くする方向への動機づけすら穴に埋めてしまおうとしている。
という指摘があるので調べてみたら、江戸時代の年貢には「年毎に収穫量を見てその量を決める」検見法というのがあったけど税収が安定しなかったので、指摘されている定免法が採用された、と。その内容はと言えば一定年数の(同一面積における)平均値を元に年貢の量を決めて、毎年同じ量を収めるようにした、と。ただし「余りにも凶作のときは「破免」(年貢の大幅減)が認められる」などともある。「消費税は年貢よりひどい」と表現すれば理解しやすいだろうか。仕組み的に。
「消費税で財源が安定すれば安心して消費が増える」の間違いは、個人商品の安心感は「自分のお金の額面」で決まるという原則をよじ曲げている点にあるのだよね。「財源安定」→「個人に渡るお金が増える」→「消費増加」との思惑でしょうが、現実にはその「財源安定」のための施策(消費税の導入、増税)で個人のお金は減る。個人のお金が減れば、当然消費性向は減退する。
税金が増えて、可処分所得が減って、安心だから消費を増やそうという話は、とんと聞いたことが無いのだけど。それって個人ベースの話だよね。貯金が数億円ある、どんどん積み立てを増やしていって安心が増えるから、残った部分は心配なく消費できるよ、的な。
例のこども保険云々もその辺りがインチキな仕組みで、子供の安心のためにというのだったら保険という名前のついた税金では無く、本当に個人ベースでの保険なり積立への優遇措置をとれば良いまでの話。あるいは子供への遺産相続の優遇措置、だよね。
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