ＴＰＰに参加する１１か国は協定の発効に向けてことし１１月にベトナムで開かれるＡＰＥＣ＝アジア太平洋経済協力会議の首脳会議での大筋合意を目指し、２８日からオーストラリアのシドニーで首席交渉官らによる高級事務レベル会合を開いています。

冒頭、議長を務めるオーストラリアのブラウン首席交渉官は「全員が合意できるような道筋をつけることが必要だ。各国とも考慮しなければならない事項があると思うが、それらの懸念が包括的に審議されるよう協議を進めたい」と述べ、協定の発効には各国の歩み寄りが必要だという認識を示しました。

また日本の梅本首席交渉官も「世界の各地で保護主義が出現する中、２１世紀にふさわしい自由で公正な多国間のシステムを築くため１１か国が引き続き団結することが重要だ」と述べ、各国の結束を呼びかけました。

ＴＰＰをめぐってはアメリカが離脱したあともアメリカの主張に沿う形で医薬品の開発を保護する期間が設けられていることにベトナムやマレーシアが難色を示していて、どの項目を凍結するかについて各国が歩み寄れるかが焦点となっています。