年収600万円の手取りはいくらになるのかって情報に需要はあるのかな。
最近、年収600万円だった当時の源泉徴収票が発掘されたので、せっかくなので手取り額を計算してみることにします。
私が年収600万円を会社から頂いていた数年前は、まだ旧式の源泉徴収票だったんですが、平成28年からマイナンバーの導入に伴い、新しい源泉徴収票にリニューアルされました。
ここでは、私のリアルな年収600万円の源泉徴収票をもとに、新しい源泉徴収票に情報を書き込みながら、手取り額を計算してみたいと思います。
年収600万円のリアル源泉徴収票を読み解いていこう
では、新型源泉徴収票の項目に沿って、年収600万円の生々しい現状を読み解いていきましょう。
会社員の「所得の種別」
まず『種別』という項目をみると、「給与・賞与」と書いてあります。
ここには所得の種類が書かれており、所得の種類によって所得税の計算方法が異なってきます。
なぜ所得の種類によって所得税の計算方法が異なるのかというと、所得によっては労働によるものもあれば、労せずにGETできるものもあり、一律の計算方法では不公平感が生まれてしまうからです。
所得には10種類の区分があり、それぞれの所得計算式は次のようになっています。
私の場合は、⑤給与所得が該当するため、所得税は(収入金額ー給与所得控除)で計算されることになるわけですね。では、計算過程部分がどうなっているのか引き続き源泉徴収票で確認していきましょう。
年収600万円の「支払金額」
源泉徴収票では種別のすぐ右横に支払金額という項目があり、ここに記載されている金額こそいわゆる「年収」に当たる部分です。
この部分については、別記事で詳しく解説していますので、ここでは割愛します。
つまり、私が当時会社から頂いた給与(税金等支払う前の額面金額)は1年間で592万円(およそ600万円)ということになります。
私の場合、この『支払金額』の他に
- 非課税分の交通費
- 個人事業主としての所得
- 太陽光発電の雑所得
- 児童手当
などのお金を頂いています。
「給与所得控除」後の金額
支払い金額の横に目を向けると、『給与所得控除後の金額』という項目があります。
ここには、先ほど所得の種別で述べた所得計算式に則り、会社員の必要経費にあたる「給与所得控除」を引いた金額が記載されています。
私は個人事業主でもあるので、個人事業で発生した所得からは必要経費をうまく計上することで節税につながっています。
こう聞くと、「会社員には必要経費の制度がないから不公平だ」と思われるかもしれませんが、実は会社員こそ有利な制度になっています。
なぜなら、会社員は必要経費にあたる給与所得控除を無条件で最低でも65万円差し引くことができるからです。
給与所得控除の金額が、『支払金額』によって変動します。
この計算式に従って、計算してみましょう。
すると、どうでしょう。私の持っている源泉徴収票の『給与所得控除後の金額』と一致しません。
「あれ、計算ミス?もしや事務員の方間違えやがったなぁ…」と疑ってしまいますが、実際は年収660万円以下の収入には上の表以上に厳密な計算式があるようです。
詳細な所得税法を確認してみると(探すのも嫌になるほど細かい)、私の支払い総額が該当する『給与所得控除後の額』は4,199,200円であることが記載されています。
これで実際の源泉徴収票の金額と一致しました。
会社員というだけで毎年170万円以上も必要経費として計上してくれるわけですから、これは手厚い制度ですよね。(社畜さいこー)
「所得控除の額」の合計額
さらに右に目を向けると、『所得控除の額の合計額』という欄があります。
ここでは、給与所得控除以外にも所得税の負担を減らす「所得控除」が設けられており、その金額の合計額が記載されています。
「所得控除」には大きく分けて2種類の控除が存在します。
- 物的控除…保険や損害に応じた控除
- 人的控除…家族の状況に応じた控除
私の適用されていた「所得控除」を源泉徴収票で読み解いてみます。
まず人的控除に関しては、専業主婦の妻がいるため
- 配偶者控除…380,000円
が適用されています。子供もいるのですが、16歳未満の子に対する扶養控除は平成23年に廃止されてしまいました。
そして物的控除は
- 社会保険料控除…647,598円
- 生命保険料控除…50,000円(上限)
- 地震保険料控除…16,670円
となっています。
以上の所得控除を合計すると、1,094,268円となります。さらに、ここに納税者であれば全員が受けられる
- 基礎控除…380,000円
を加えた1,474,268円が『所得控除の額の合計額』に記載されています。(おー合ってる。)
「源泉徴収税額」が0円!?
最後に一番右端にある『源泉徴収納税額』の欄を見てみると、0円と記載されています。
『源泉徴収納税額』とは1年間に収める税金の確定額なのですが、「あれ?0円?」と思ってしまいますよね。
実はこちら住宅ローン控除のおかげで0円となっているのです。本来は、所得から控除を引いた金額に決められた税率を掛けた金額がここには記載されるのですが、住宅ローンを組み、住宅ローン控除(2年目以降)を受けている場合は、さらに「住宅借入金等特別控除」という控除がさらに受けられるのです。(※所得や住宅ローンの残額による)
この控除のおかげで、この年収める税金は0円になっているというわけです。
年収600万円の手取り額は?
さて、一通り年収600万円の源泉徴収票事情を確認してきました。これでようやく本題にはいれます。
年収600万円の手取り額を、源泉徴収票をもとに計算すると
となりました。
実際にはここからさらに、住民税(1年分)と交通費(非課税分の1年分)を引いた金額が真の手取り額になります。
私の場合、住民税と交通費を1年分合わせるとおよそ90万円程度になるため、これを上記の金額から引いた4,378,665円が年収600万円当時の手取り額となり、これをボーナスを加味して考えると
- 月:26万7,000円前後
- ボーナス:60万円前後
(ボーナスは年2回支給の1回分)という金額となりました。
まとめ
本日は、年収600万円の手取り額を私が実際に年収600万円程度のときの源泉徴収票をもとに計算してみました。
年収600万円と聞くとそれなりの暮らしができると思われますが、実際ボーナスは会社の業績に左右されるため家計として当てにできない部分もあります。
そうなると月々の給与の手取り額でやりくりしなくてはいけないわけですが、住宅ローンに子供の教育費を払っていては、とても26万円では足りないのが現状です。
少しでも手取りが増えるよう税金面の知識武装する一方で、資産運用や副業等に取り組んでいかなくてはと尻と家計に火がついています。