目次
- ファンクとは
- 邦ファンクの系譜
- 関西発のファンクバンドが熱い
- 大阪のエンターテイナー カルメラ
- 新時代のファンク 空きっ腹に酒
- 激渋ギターファンク 踊る!ディスコ室町
- 正統派インスト ナチュラルキラーズ
- ベテランバンド ザ・たこさん
- 渋すぎる重鎮 オーサカ=モノレール
- パーティー色強め AWAYOKUBA
- 今日一暑苦しい The Gypsies
- 大阪の久保田利伸 Heartful★Funks
- ホンマに日本人? STEPAK-TAKRAW
- おわりに
ファンクとは
ファンクは音楽のジャンルの一つだ。その名の通りファンキーなサウンドが特徴。
ファンク・ミュージックの大きな特徴は、1拍目を強調した16ビートのリズムとフレーズの反復を多用した曲構成である。リズムはファンクを特徴づける大きな要素であり、強調され、ためのあるベースライン、冗長ではなくストイックなリズムギター、分厚いホーンセクションなど、演奏楽器の多くがファンクビートを形成している。引用:wikipedia
詳しく言うとこうなる。わからん人には全くわからんと思うし、代表曲を聴いてみよう。ファンクの創始者であり神、ジェームス・ブラウンのナンバー。
聴いたことある人も多いだろう。色んな場面で使われるのは、唯一無二のノリの良さがあるからだ。黒人的な、感情と直接結びついているような、肉感的なダンスも特徴的だ。最高。
このあたりが最初期のファンクだ。踊れる黒人音楽としてその地位を確立していった。ディスコ全盛期を過ごした方なら慣れ親しんだサウンドだろう。
邦ファンクの系譜
ファンクは黒人の音楽だった。しかしそれは過去の話。これまで日本でもファンクをやってやるぞ!と多くのバンドが生まれた。
在日ファンク

在日ファンクはその代表だろう。ノリや歌詞、あるいはそのダンスまで、ジェームス・ブラウンを踏襲した上で自分のものにしている。
字面は強烈だが、「日本人のファンク」を見せてやるという意気込みを感じる。
ズットズレテルズ
オカモトズの前身バンド「ズットズレテルズ」もファンクバンドだった。
かっけぇ。ダウンタウン浜田の息子、ハマ・オカモトは当時まだ18歳。これ10代か、渋すぎ。すでに才能が溢れまくってる。
オカモトズはギター・オカモトコウキ以外の3人は元ズット・ズレテルズであり。MCはあの呂布。良いメンバーだった。
ここまで3曲、最高に踊れるファンキーなナンバーを聴いてもらった。すごい夏っぽいでしょう。この記事は、夏が来るのを待っていた。
いよいよファンクの季節だ!
関西発のファンクバンドが熱い
関西人の暑苦しさは尋常じゃない。昼間からベロベロのおっさんが溢れる街・大阪を筆頭に、関西各所にはものすごい勢いでしゃべる人が絶対にいる。
100人ザルで掬ったら10人は虎柄というのは嘘だが、100人いたら90人は阪神ファンだ。移住を考えてる人は妙なこと言わんように気をつけて。
まくし立てるように喋る関西弁が功を奏したのか、年中踊り狂ってるような脳が良かったのか、関西発のファンクバンドはみんなかっこいい。
たくさん紹介するので、ぜひ今年の夏のテーマを見つけていってほしい。
大阪のエンターテイナー カルメラ
早速暑苦しい。言い忘れてたけど、ファンクはリズムが命。ベースがその屋台骨になってくるので、スマホのスピーカーで聴いてる人はぜひお近くのイヤホンを装着して欲しい。
まさにという感じの大阪のバンド。日本が一番明るかった80年代に、空間を戻す魔法が使える。パーティー色強めで、ライブがめっちゃ盛り上がる。
おしゃれな曲もいける

おしゃれな曲も作れる。まさにディスコティーク、あの頃よカムバック。ミラーボールが似合うバンドだ。真ん中で踊り続けてる2人から、エンタメ力の高さを感じる。
新時代のファンク 空きっ腹に酒
やばそうな感じがすごい。一緒に飲んだら楽しいだろうな。タイトなギターとベースからはファンクっぽさを感じるが、それだけに留まらない度量の広さがある。なんやこれ、ファンクでええんかな。
ヴォーカルがタイト

ファンクのスタイルを使いつつも、ヴォーカルは明らかにファンクのそれとは異質で、ズットズレテルズのように新しい音楽を作ろうとしているように感じる。なにより踊れるし、リズムがタイトすぎて気持ちいい。
上記2曲と同じスタイルの曲が多い、でもそれだけじゃないのが彼らの深さだ。
エモーショナルな最新曲

これすごいと思う。一番新しい公式動画。新しい扉を開いた。同一人物とは思えないエモーショナルなラップ。そして不思議なリズム。
今回の「暑苦しい」というテーマとはズレるようだけど、すごくいい曲なのでご紹介。
激渋ギターファンク 踊る!ディスコ室町
きっと誰よりもジェームス・ブラウンに影響を受けてる人たち。
京都は室町通りから「踊る!ディスコ室町」。この絶妙な声、ギラギラした音、ブチ上がる。そして編成が渋い!ギターが2本でホーンは無し!(タンバリンはあり)
大人のファンク
すごいディープだ。早くて踊れる曲だけがファンクじゃないと思い出させてくれる一曲。
パーティーソングも最高だけど、彼らのこういう渋い所がほんとに好きだ。こんな曲を書けるバンドが2017年現在、どれだけいるのか。
黒人音楽へのリスペクト
後ろへと引っ張られていくような黒いアプローチが実った完成形。黒人音楽へのリスペクトを感じる。京都発、大人のファンク。
正統派インスト ナチュラルキラーズ
複雑に絡み合う6つのリズム。これぞファンクの醍醐味。そしてヴォーカル無しなのになんだか熱い。全員ネアカな感じがするサウンド。
やっぱりパーカッションいるバンドはいいな。リズムの良さが増す。カルメラもそうだけど、インストのファンクもかっこいいよね。彼らも大阪のバンド。
ベテランバンド ザ・たこさん
冗談かってくらいたこさんな人が歌うファンク。
93年結成、大阪のベテランファンクバンド。シャウトのかっこよさよ。元気が出ない時にぜひ。TOYOTAのCMソングだったみたい。
渋すぎる重鎮 オーサカ=モノレール
邦楽の枠を超えて黒い。大人の凄さを見せる彼らは92年結成。名前のとおり大阪のバンド。
「1968〜72年のFUNKサウンド」を結成以来のバンドコンセプトに掲げている。引用:wikipedia
ものすごい狭いけどよくわかるコンセプト。この当時を再現することへのこだわりが、現代においては唯一無二の魅力になっている。
ルパン三世のテーマソングに
ルパン三世(海外版)のテーマソングに参加していたそう。海外版の存在をまず知らなかったけど、そういう背景全部置いといてかっこいいと思う。
パーティー色強め AWAYOKUBA(アワヨクバ)
2011年流星のように現れ、フジロック出演を果たし、その直後1st Albumを出すも, 2012年解散。
まるで花火のように一瞬で燃え尽きたが、その強い光は多くのものを残した。
SUPER BUTTER DOG(スーパー・バター・ドッグ)に近い、本格派ながらもパーティー感を忘れない曲。客を躍らせるために生まれたファンク。
解散はメンバーの一人が脱退したことによるもので、残った3人はDENIMS(デニムス)というバンドを作った。
DENIMS

今っぽいサウンドのバンド。シーンの最前線を突っ走っている。この人たちも器用だなぁ、なんでも出来る。そして忘れない黒っぽさ。
ファンクでは無くなってしまったけど、その音楽は今も邦楽シーンを引っ張っている。
今日一暑苦しい The Gypsies(ザ・ジプシーズ)
特に意味のない歌詞。タイトなカッティングのギター。聴くだけでパワーをもらえるパーカッション。絶妙な音のベース。主張がすごいドラム。やたらムサいMV。
これぞファンクだ。マジで暑苦しい。北京の言い方が好きすぎる。
和歌山発で現在は大阪で活動中だそう。音の暑苦しさにすごいセンスを感じる。今はどのバンドもお洒落よりなサウンドにしがちだし、こんなバンド逆にいないんじゃないか。
大阪の久保田利伸 Heartful★Funks(ハートフル・ファンクス)
最初聴いたとき予想外の声にぶったまげた。めっちゃ甘い。★入ってるから舐めてた。彼らも大阪のバンド。
ジプシーズとの対比がすごい。この振れ幅の広さもファンクの面白いところ。常に進化し続けるジャンルだ。
ホンマに日本人? STEPAK-TAKRAW(セパタクロー)
最後にいくらなんでも渋すぎると思ったバンドをご紹介。ガチのアフロファンク。(アフリカの要素を多く取り入れたファンク、パーカションの多用が見られる。)
これはかっこいいけど、知名度が上がるのに時間がかかりそう。アフロファンクはマイナーすぎる。だからこそみんなで応援しよう。全国のファンクファンに届け。
おわりに
見てもらったように関西にはファンクバンドがたくさんいて、それぞれが違うサウンドを目標としている。ファンクの長い歴史が彼らを作り上げたのだ。
最後にcinraのライブレポに書かれていた文章を引用したい。
岡村靖幸や在日ファンクがそうであるように、ポップミュージックの歴史のなかで、アフロアメリカンたちが生み出してきたブラックミュージックの本質をなんとか自分たちのものに咀嚼しようと試みながら、それでも絶対にジェームス・ブラウンにもプリンスにも、あるいはブルーノ・マーズにだってなることはできない――「日本人」としての悲しみがそこには刻まれている。
だからこそ、彼らのファンクミュージックには、ぽっかりと空いた心の穴のように「何者にもなれない」という感覚が存在する。しかしそれは、同じように「何者でもない」人たちを抱きしめる優しさに変わる。
音楽は最高にキマっているが、メンバーの佇まいにどこかユーモラスな「キマらなさ」を携えた、踊る!ディスコ室町。しかし、こんなにも優しいファンクが自分たちの音楽であることが、僕らの誇りなのだ。引用:cinra.net
これは今日見てきたどのファンクバンドにも言えるだろう。日本のファンクは誇りだ。
世の中が四つ打ちやお洒落ぶった音楽で満たされた時も、浅くて広いやつに刺さるだけのバンドが流行る時も、最高のグルーヴを鳴らし続けてきた。
これからも頑張ってください。それでは。