戦前のサントリーもニッカも、本格的なウイスキーが当時の国民に受け入れられたとはいえない状況がありました。
両社が進出する前の、アルコールに着色しただけの焼酎にも匹敵するアルコールを、当時の国民はウイスキーと認識していました。
その中で、本格的に製造したウイスキーのスモーキーさに、違和感を感じたのは否めませんでした。
そんな状況でしたから、サントリーもニッカも苦境に立たされていました。
サントリーは国内での試作ブレンドのモニタリングの末、現在の角瓶に当たるサントリーウイスキー12年をリリース、ニッカもようやく第一号ウイスキーを出したときでした。
しかし第二次世界大戦、大東亜戦争が勃発すると、日本はイギリスと敵対したことで、スコッチウイスキーの輸入が途絶えることとなりました。
その中で、海軍はウイスキーの蒸留、製造をしていたサントリーの山崎とニッカの余市を海軍指定工場として、ほぼ独占的にウイスキーの製造を行わせ、買い取っていきました。
その中で入手困難だった大麦麦芽などの原料も、海軍が独占的に供給を行いました。
こうしてサントリーとニッカは、倒産の危機から脱出しただけではなく莫大な利益を上げることにも成功したのです。
そして戦後、生きて帰還した海軍の兵士や士官によって、サントリー、ニッカの評判が広まることとなりました。
もしこの事実がなかったとしたら、日本のウイスキーは国内で多く飲まれただけでなく、海外に知れ渡るほどに発展したのでしょうか?
戦争を賛美するわけではないですが、ジャパニーズウイスキーが賞賛される背景には、戦争の事実をしっかり受け止める必要があるのです。
コメント
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戦争がウイスキーを救ったのはマッサンでも描かれてましたし、戦争がなかったら、ジャパニーズウイスキーは誕生してなかったでしょうね。
私のいいたいことについては、ニャンコさんが書かれているとおりです。
戦争によって、多くの兵士、そして民間人が犠牲になったのですから、その点は重く受け止めるべきでしょう。
憲法が改正されて交戦権が認められ、防衛目的のための戦争を起こせるようになっても、そうした大量の犠牲を伴う恐れがあるなら起こすべきではないと思います。
先の戦争にしても、諸外国からの圧力に外務官僚が強く抗議せず、譲歩を続けて追い詰められたことも原因に挙げられます。結局、起こさなければ日本という国が戦わずしてなくなっていたわけで、必ずしもその戦争を糾弾することはできません。
しかしながら、その戦争そのものを全否定する人たちが、ジャパニーズウイスキーを賛美する姿は納得いきません。
それこそが、戦争は仕方がなかったと認めるようなものですからね。
こちらのブログを時折、拝読しております。ウィスキーに対する深い造詣が感じられて、ウイスキー選びの参考資料とさせていただいております。
ただ、率直に申し上げて、今回のエントリーに関しましては、牽強付会の感を否めません。
確かに戦時中の特需によってサントリーやニッカの前身が潤ったわけですが、
それはウイスキーの流通が制限された統制品であり、庶民にとっては手の届かない品であったと言う当時の特殊な事情を鑑みる必要があるのであって、
ジャパニーズウィスキーの戦後の発展と言うものが、
戦争がなければありえないと言う論調は、暴論といいますか、わが国のウイスキー醸造家の情熱とポテンシャルをあまりに見くびった論調だと思います。
サントリーやニッカにとどまらず、マルスにせよ、ベンチャーウィスキーを始めとする様々な地ウイスキーにせよ、戦争の有無などにかかわらず、戦後の食生活の欧米化と自由経済の波に乗って、ジャパニーズウィスキーが世界的な評価を得ていた事は、わが国の起業家と醸造家のポテンシャルの高さを鑑みれば疑いようがありません。
現代のウイスキー愛好家がこんなことをおっしゃっているようでは、
ウィスキー革命に情熱を注いだ竹鶴さんがあの世で泣いていますよ。
予想通りと言いますか、あなたのような「お花畑」の論法で反論する方にはそういう風にしか見えないのでしょうね。
実際、サントリーもウイスキー事業で傾きビール事業も失敗、角瓶で再起を図っていたわけで、その角瓶も特級品、実際に海軍に調達したものとほぼ同じと言われています。
もしこれがあなたの思うような大ヒットにつながってなければ、サントリーという会社はこの世になかったでしょう。
同様にニッカにしても、最初のリンゴジュース事業で失敗しており、火の車であったことは否定できないでしょう。
マルスウイスキーの事業が立ち上がったのは戦後の話で、それも地方で細々とやっていたわけで、議論に出すものではないです。
所詮、あなたの意見は事実を否定したたらればレベルの話でしかなく、戦争というものを忌避しているだけの話ではないでしょうか。
戦争がなければ、洋酒ばかり作っていたサントリーもニッカも倒産したことは十分あり得る話です。
百歩譲っても、日本人が本物のウイスキーを飲む習慣を持つ人は今ほどいなかったでしょう。
むしろ戦争しなければ、日本という国自体もなくなっていたかもしれません。
日本の分割案も事実あったわけで、アメリカ、イギリス、ソ連によって国が分割され、言葉も風習も異なる同じ民族がちで血で争っていてもおかしくなかったわけです。
ハルノートなど、あなたにはむしろ、なぜ日本は戦争しなければならなかったのか、歴史を詳しく勉強することをおすすめします。
学校で教えた昭和以降の歴史には嘘が多いです。
あえて竹鶴政孝の名前を出しますが、あなたは何を持って竹鶴氏の苦労を知ったつもりでいるのでしょうか?
勝手に関係のない人間の気持ちを出すなど、故人を愚弄しているあなたの方です。
本当に気持ちを知りたければ、余市にあるお墓に行って、直接訴えてください。
ご返信をありがとうございます。
率直に申し上げさせていただきます。
まず、私の先の投稿につきあなたは誤読をされているようです。
もう一度読み返してみていただければと思います。
私は、わが国の先の大戦の是非、評価については一切言及していません。
私はただウイスキーに関心を持ってこちらのブログを訪れ、先の私のコメントもウイスキーに関するものでしかありません。
先の戦争がなければ、ジャパニーズウイスキーの発展はなかったと言うのがこちらのエントリーの論旨であり、
それはジャパニーズウィスキーに関するあなたの「推論」であって、客観的事実ではありません。
それに対して、私は読者として、それはありえないと言う感想をお伝えしたまでです。
戦争そのものに関する評価は私は決してしておりませんし、あなたも読書に誤解されることを避けるために、戦争を賛美しているわけではないと言うふうにエントリーの文中で念をを押されているわけですよね。
戦争論ではなくウイスキー論(推論)であるはずのエントリーに対する批判的な感想を述べた私に対して、
バリバリ戦争論をぶつけてくるあなたのコメントの脱線ぶりは、あまりに非論理的です。
テイスティングに関する、あなたの知的で繊細な感受性はどこに行ってしまったのでしょうか。
それとこちらのエントリーは、ジャパニーズウイスキーが主題であって、サントリーやニッカに限定されたものでは無いはずです。
ですから私はマルスやベンチャーウイスキーも例としてあげたのです。
地方の後発のウイスキーメーカーが、世界的な評価を受けている事はRERA様は、よくご存じのはずです
あなたの言いたいことは、先の戦争と日本のウイスキーの発展は「関係ない」ということですが、私は「事実としてサントリーとニッカの発展によって日本のウイスキーの発展の引き金となった」という話の元でやっています。その上で戦争による特需は避けられない事実です。
また、日本のウイスキーが世界的評価を最初に得たのはニッカのシングルカスク余市10年です。ベンチャーウイスキーなどが評価を得たのはそれからです。
そうした歴史的事実を見ても、戦争によって潤ったサントリー、ニッカなしに日本のウイスキーの発展はなかったと言われても、否定するのは極めて困難です。
ベンチャーウイスキーの創業者もサントリーで修行したわけで、サントリーなしには今の地位がなかったという事実もありますね。
どうがんばっても、あなたの意見は事実を元に話しているわけではなく、「たられば」であることは認めざるを得ませんよ。
まぁ、勝手に自分が会ったことのない人間の気持ちを勝手に語る人には議論の余地などないです。
ニッカやサントリーがなくても発展したという持論を持つあなたに、ニッカやサントリーを愛する人にとっても言われたくないでしょうけどね。