ビットコインの高速新規格「SegWit(Segregated Witness)」が2017年8月24日に有効化されましたが、この新規格で処理高速化の特許技術ASICBOOSTが無効化される世界最大のマイニングプール「AntPool」(運営元・中国Bitmain)が空ブロックをせっせと採掘しているのが見つかり、「ビットコイン送金が詰まるからやめれ!」とビットコインユーザーたちが怒ってます。
Bitmain社といえば、SegWit導入に反発し袂を分かってビットコインキャッシュ(BCH)を独立させたビットコイン分裂の主勢力です。もちろん表向きには処理速度を20%上げるCovert ASICBOOST技術は「実装しているけど使ってない」と疑惑を否定しています。が、「だったら無効になっても問題ないよね」と言われたら「それは困る」となり、今回の対立に至ったわけです。
そんな背景もあるため、早速邪魔してる!とみなさん思ったようですね。トレーダーのTone Vaysさんなどは、「SegWit」規格の決済をわざと遅らせている証拠だとして、エンプティブロック採掘のスクリーンショットをツイート(トップ画像)していますよ。
RedditユーザーのCapableOfLearningさんによると「SegWitが有効化されてから、AntPoolは24ブロックを採掘した。うち1件はフルだったが、4件は>900kb、6件が空だった(blockchain.info)」とのこと。その情報をもとに38degreesさんが過去24時間の空ブロック採掘で失った手数料をざっくり試算してみたところ…
(4 x 100 kB + 6 x 1,000 kB) @ 400 sat/byte = 2,560,000,000 satoshi25.6 BTC @ 4,000 USD = 102,400 USD
…10万2400米ドル(約1120万円)でした。そんなことしたって何の得にもならない気がするんですが…。誰かがコメントに書いているように、もしかしたらこれはASICBOOSTを使っているかどうかのリトマス試験紙になるのかもしれません。すぐさまJihan Wu CEOはツイッターで疑惑を否定し、システム障害だと釈明しました。
今月は欧米メディアのQZやBloombergが同社の内モンゴル自治区のマイニング工場に取材を許され、動画を公開しています。
ここは従業員50人で、1日に25万ドル(2700万円強)を採掘しています。1120万円なんてのははした金なのかも。
Image: Twitter
Video: YouTube, Bloomberg
Source: Reddit, Bloomberg, Twitter
(satomi)