こまだこまのロバの耳ブログ

旅行と生活。ときどき読書。だいたい酒。

ピースボートに乗船するまでの流れと、乗ってみた感想、記憶に残る乗客のことなど。

ピースボートって?

ピースボートとは、居酒屋なんかでよく見かけるポスター「地球一周の船旅」っていうアレです。

平和活動を掲げていながらも、ネットで検索すると悪い情報ばっか出てくるアレ。

わたしが乗ってからもう10年もたったんだなぁとふと思い出したので、実際に乗船した経験から、いろいろと書いてみようと思います。

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ピースボートに乗ったきっかけ

当時のわたしは定職につかずぷらぷらしていました。(今もだろ)

そんなある日、美容室で雑誌を読んでいたときにピースボートの広告を見かけます。

海外に行ったことがなかったわたしは、なんかおもしろそうだなーと思って資料を取り寄せてみました。船好きだし。

 

きっかけはそれだけです。

平和活動うんぬんにはさして興味もなく。

 

説明会があるということで、とりあえず高田馬場の事務所まで行ってみることに。

 

なにやら「ボランティアスタッフ」とかいうのに登録して、乗船前にいろいろと作業を手伝ったりすることで乗船代金が割引になるとのこと。(現金が支給されるわけではなくて、あくまで割引)

 

割引制度使えばなんとか行けたりすんのかなーとちょっと思いました。

 

そしてその日は軽い気持ちで一応登録だけして帰りました。

 

 

「ボランティアスタッフ」をやってみた

ボランティアスタッフというのは何をするか?というと、街なかにポスターを貼りに行ったり、募金活動したり。

そういう外に出るのはちょっと……というひとには、事務所内での作業がいろいろとあります。

 

わたしはとりあえず全部やってみました。

 

ポスター貼りは、3枚貼ると1000円割引。

初めてポスターを貼りに行く人にやり方を教えながら1日一緒にまわると、2人が貼ったぶんの合計枚数がそれぞれに加算される、というちょっとお得な制度もあります。

 

事務所内での作業は、たしか1時間につき1000円割引。

 

募金活動は1回だけ中野駅前でやってみましたが、つまんなかったのでやめました。

 

わたしがいちばんやったのがポスター貼りです。

多いときだと1日で80枚くらい貼れたりして、そうすると2万6000円ほどの割引になります。

知らない駅で降りて街を歩きまわるのはおもしろかったし、効率もいいので空いた時間によくやってました。

 

これをコツコツ続ければ、全額割引でいけるんじゃね⁉という考えがチラッと頭によぎります。

 結果、無理でした。

 

  

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結局ピースボートに乗るのにかかった費用はどうしたか

当時の乗船代は、たしか一番安い船底の部屋で145万円だったと思います。

100日間の旅で、食事代混みの値段です。

 

わたしは結局そのうちの約100万円をボランティアスタッフとしての活動で割引

残りのお金は競馬で当てた50万円で補填しました。

 

自分でも信じられませんでしたが、その春、わらしべ長者のように3週連続でG1レースを当てるというミラクルが起きたのでした。

 

ピースボートのメリットとデメリット

いい話と悪い話、どっちから聞きたい?

 

と言われたら、わたしは悪い話から聞きたいです。

なので、悪い話から書きます。

 

なかには、それって船旅全般に言えることじゃねーの?ってのも含まれてます。

そしてこれは10年ほど前に乗ったときの感想です。

 

デメリット

  • 船の設備が古い。
  • 寄港地に寄るのは1日か、長くても2日。かなり限定的な観光になる。
  • 台風などのアクシデントで、寄港地や日にちが変更になってしまうことがある。
  • オプショナルツアーが無駄に高い。
  • 平和活動について学ぼう!活動しよう!的な、意識高い系ピースボートスタッフ、および乗客がうざい。
  • ピースボートスタッフの、トラブルに対処する能力が低い。
  • ネット代が高い。
  • 寄港地で船を降りるときに混雑する。
 
  
メリット
  • 豪華客船にくらべたら乗船代は安い。  
  • 乗客は1000人くらいいるので、からもうと思えばいろんな人の話が聞ける。
  • 船に帰ってくれば宿代やご飯代がかからない。
  • 外国人スタッフが多いので、話しかければ英語の勉強になる。
  • 途中で船を離れて何日か自由に観光し、また船に戻ってくるということも可能。
  • 全然興味のなかった国にも行くので、それが逆にいい。
  • 24時間海が見られる。たまにイルカにも出会える。
  • 恋がうまれる(こともある)
 
なんかメリットの方は、ピースボートじゃなくて単なる船旅の良さばかりになってしまった…。
まぁつまり、そういうことです。
 
 

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実際に船で出会った、記憶に残るひとたち

推定70歳?のNさん

この方は船のなかで知らない人はいないような有名人でした。

きれいな白髪と特徴的なダミ声を持つ強烈なキャラクターの女性で、一度会ったら絶対に忘れません。

 

ひとり参加で、3回連続でピースボートに乗るというツワモノです。

 

わたしが見た限りでは、船に乗っていた他のどんな若者よりも自由なひとでした。

港でよく釣りをしていた姿を思い出します。

いまも元気かな……。

 

 

不登校の中学生男子と高校生女子

こんな子も乗っているんだなぁと驚きました。

もちろん親のお金で。

 

たしかに不登校でずっと家にひきこもっているよりはいいかもしれませんが。

かわいい子には旅をさせよとは言うものの、ピースボートという選択はどうなのか…。

なんだか親がお金でどうにか解決しようとしてる感があるなーと、個人的には思いました。

 

彼らももう成人してますが、何やってるのかなー。

 

 

船内で子供ができちゃったカップル

乗船してまもなくしてから付き合いはじめ、いつも二人一緒にいた彼ら。

お互いが、一番安い4人部屋にいるにもかかわらず、同室の人を追い出してたびたびセックスに励んでいたため、ひんしゅくを買っていた様子でした。

 

船を降りてから妊娠が発覚、結婚。

風の噂では、今では3人の子供がいるそうです。すごいなぁ。

 

 

自殺した人たち

すごく仲がいいというわけでもなかったんですが、そこそこ交流のあった人が3人、船を降りてから数年後、自殺したという話を聞きました。

そのうちの1人は、お葬式にも行きました。

 

全員20代です。

自殺の原因はわかりません。

 

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ピースボートにもう1回乗りたいか?と聞かれたら

いまは乗りたくないです。

ひたすら海の上にいる生活というのも貴重な経験でよかったですが、いまはもっと動き回りたい。

 

でも、歳をとって移動がダルくなったら、もう一回乗ってみるのもアリかなーとは思います。

のんびり海を眺めているうちに目的地に着くってのはほんとにらくちんですしね。

スタッフがもうちょっとちゃんとしてるひとたちだったらなーとは思いますが。

 

 

 

ディープすぎるユーラシア縦断鉄道旅行 (中経の文庫)

ディープすぎるユーラシア縦断鉄道旅行 (中経の文庫)

 

60歳過ぎてこんなきつい旅を続ける下川さんほんとすごい。旅は体力が大事。

 

 

希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想 (光文社新書)

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 こんな本が出てたとは。

とりあえずタイトルは、ピースボートという団体をよくあらわしてると思います。

 

もちろんそういうのとは無縁で、ただただ船旅を楽しんでるだけの乗客もたくさんいますよ。

 

 

 


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