辛いことなら沢山あった。いや、今もある。
借金で生活が自由にできなかったり、結婚を前提にしていた同棲生活が終わってしまったりいろいろなことがあった。全部自分の責任だ、考えや計画性、意志の弱さが招いた結果だからどう言い訳をしても借金をしたのは僕だ。
だから、「やってしまったことはしょうがない――目を逸らすしかなかった。」そうやって借金で自分の持っていた物を失ってから今日まで生きてきた。多分、この記事をいつも読んでくれている人は一番思っているかもしれない。
危機感を感じられない
今の状況を本当にやばいと思っているのか?と言われたら僕は答えるでしょう。――やばくない。大丈夫。
借金を滞納しているこの状況をやばいと思っていない程おかしなことはないと自分でも思う。ただ、「しょうがない」の言葉で片付けてしまっている自分がいる。「どうにかなる」と思っている自分がいる。
そうやって、今の借金からも辛かったことからも目を逸らしてきた。
だけど、そんな僕も目を逸らせない出来事があった......
同棲生活をする際に家を出る時、母に言われた。
「行ってほしくは無いけれどしょうがないよね......」
涙を流しながら言われた――そんな姿を見たのは何年ぶりだっただろうか。そうだ、父が死んで以来、10年間見たことがなかった。
この時は絶対に幸せになろうと思って家を出た。しかし、結果は皆さんが知っているとおり借金まみれになって家に返ってくることになってしまった。
母にあんな風に思わせて家を出たのにその結果がこれで、おまけに借金を抱えてしまった。そのことが一番辛くて申し訳ない出来事だった。あそこまで思って家から送り出してくれたのにこの結果。考えるだけで心が痛くなる。
後ろを振り返っても終わったことだから気にしてもしょうがないのだけれど、いつまでもそのことは気にしてしまう。気にしていないといけないのかもしれない。
もともと、「自分の人生なのだから好き勝手に生きていいでしょ!!」なんて思っていた。しかし、今回の事を考えて考え続けたら僕だけの人生じゃないんだなって思うようになった。
なんでこういう考えになったのかはわからないけれど、多分、僕自身の人生は自分だけのものじゃなくて、親の人生でもあるんじゃないのかなと思った。
そう思えたことで嫌いだった母親との距離を近づけることができた。
高いお金と沢山の時間を使ってしまったけれど。