世界で減少するエイズ感染者、なぜか韓国では増加

■20代男性の感染、なぜ多いのか

 新規感染者のうち男性が女性の約12倍で、男性感染者の35%が20代である理由について、医療界は「若い男性の性接触の頻度が高まったため」と分析した。これに加え、「危険な」性接触が多く、HIV感染について検査する機会が増えたことから、「水面上」に現れた感染者が増えたことを原因として挙げた。特に「同性間の性交渉で感染率が高まりを見せており、一部の同性愛者の間ではさまざまなパートナーと関係を持つといった問題がある」と指摘する。セブランス病院感染内科のチェ・ジュンヨン教授は「20代の男性感染者が増えているというのは、現在国内の同性愛者の間でHIVウイルスが勢力を拡大している可能性があるという話だ。若い感染者たちは、感染しているかどうかを自らチェックした後、病院を訪れるケースも多くなっている」という。ただ「同性愛者がすなわちエイズ拡散の主犯」という点については今も議論が続いている。今回の保健当局の統計でも、新たな男性感染者のうち「異性との性接触」(355人)が原因となったケースが「同性との性接触」(325人)を上回っている。

 保健当局は、HIVの感染予防事業を強化していく方針だ。HIVに感染した場合、まだ完治は困難ではあるものの、早期に発見すればするほど発病を先送りし、治療効果もあるためだ。全国の保健所ではすでに1989年からHIV感染無料匿名検査が施行されているほか、病院や医院では有料の匿名検査が可能となっている。韓国エイズ退治連盟など民間団体では、エイズ関連の相談も受け付けている。

 疾病管理本部の関係者は「米国で開発された『ツルバダ(Truvada)』というHIV治療剤は、性接触前の予防薬としても使用されている。韓国でも、こうした予防薬を取り入れる方向で検討中」と話した。

キム・ソンモ記者
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