札幌市西区にある札幌酒精は、甲類焼酎のサッポロソフトを中心とした、北海道で有数の酒造メーカーです。
その中でもウイスキーも製造しており、今回の37度のほか、40度、そして43度のSSの3種類があります。
しかしながら、いずれも自前で醸造、蒸留しているわけではなく(蒸溜所の場所も知られていない)、恐らくはスコットランドから原酒を輸入して工場で貯蔵、熟成しているものと思われます。
地元においても、ウイスキーを作っていることはあまり知られていません。
では早速ストレートから飲んでみます。
グラスに注ぐと、液色は中庸な琥珀色、香りはアルコール由来のものが多数を占めています。
口に含むと、やはりアルコールの刺激が前に出ていて、その後にカラメル、青リンゴ、ナッツと続きます。
味わいは、アルコールからの辛さもありつつも、酸味が前に出た印象です。
次にロックにすると、アルコールの刺激臭は消え、青リンゴが先に鼻へ到達します。続いてナッツ、ライムが香ります。
味わいは、ビターが前に現れ、それを支えるように酸味が訪れます。飲みきった後味としては甘さがあります。
最後にハイボールにすると、ほのかにピート由来のスモーキーさが漂い、奥からモルティさも感じられます。ただ、1:2位のとても濃い割合にしないと、香りはほとんど感じられません。
味わいは、ビターが先に来ますが、後から甘さがフォローする印象です。
640mL、アルコール度数37度、価格は900円ほどです。
正直、この価格帯として考えれば、そんなに悪くない印象です。
この価格帯のメインはブラックニッカクリアとトリスクラシックですが、その次くらいのランクには入るでしょう。
同じ北海道発祥の合同酒精のウイスキー(香薫、トップバリュウイスキー)に比べれば断然上です。
SSにしても40度にしても、1000円オーバーで中途半端な感じが否めなかったですが、37度は及第点をあげられる印象です。
特にロックであれば、ウイスキー感もあってそこそこ楽しめます。
札幌のお土産として、札幌のウイスキーだぞ、と買うのであれば、この37度がちょうどいいでしょう。
<個人的評価>
- 香り C: アルコールの刺激が強めだが、青リンゴ、ライム、カラメル、ナッツなど、比較的豊か。
- 味わい C: ビターが主体で、その後に酸味。後味に甘さも感じられる。
- 総評 C: 1000円以下のウイスキーとしては上出来。
サッポロウイスキー 640ml[長S] |
コメント