英南東沿岸で「化学物質の霧」 100人以上が病院に
英南東部イーストサセックス州の沿岸地域で27日、化学物質から生じたとみられる霧で体調不良を訴える人が続出し、100人以上が病院で手当てを受けた。
海岸の観光地バーリング・ギャップでは、霧がたちこめると、居合わせた人たちが息苦しさや目の痛みを訴えた。吐く人もいた。イーストボーン地区総合病院は、133人が手当てを受けたと述べた。
サセックス警察は「化学物質の霧」がなぜ発生したのか、捜査していると語った。
警察によると、霧は海から来たとみられているが確認はできていない。過去には、海峡を隔てた対岸のフランスにある化学工場から漏れ出た物質が、類似事案の原因だったことがあるという。
しかし、イーストサセックス消防隊によると、霧が塩素を含んでいた可能性は「非常に少ない」と述べた。警察によると、人体への影響は辛く不快ながら、深刻な症状ではなかった。
警察の報道官は、最初の通報は午後5時(日本時間28日午前1時)前にあり、「最大50人が目やのどの痛みを訴えた」と語った。初報はバーリング・ギャップだったが、立ち上がる霧が沿岸沿いに東に向かって進み、近隣の町ベックスヒルにまで広がったという。
家族と共にバーリング・ギャップを訪れていたカイル・クリックモアさんは、海岸にいた人々が次々に体調不良を訴え始め、10分もたつと全員が海辺からいなくなったと話した。
クリックモアさんは、「もやのような霧がどこからともなく広がって来て」、「空気は強い塩素の臭いがした」と語った。「10分前までは気持ちのよい晴れの日だったのを考えると、確かに普通ではなかった」。
「ばかばかしいほどに人がいて、とても暑かった。10分程度でひと気がなくなった。どれだけ人がいたかを思えば、とても驚きだった」
近隣住民に対しては、窓やドアを閉めておくよう勧告が出た。
英国では28日はバンクホリデー(公休日)。好天が予想されるため、多くの人が海岸を訪れると警察は予想している。
警察は状況の監視を続けるものの、「単独の事例で、再発するとは思っていない」と述べた。