朝投稿の記事にて「そろそろ”政次ロス”もおさまったか」みたいなことを書いたのですが考えてみたら今日、土曜日の再放送にてまたぶり返した人も、多かったりするのでしょうか(´・_・`)
政次死す! 「おんな城主 直虎」岡本プロデューサーが語る“衝撃の最期”の真相 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)
どこまで視聴者に伝わるかな、と思っていましたが、見た方が見事に読み取ってくれ、読解力の高さにびっくりしました。
それにしても、今年の大河はよくもまあ小野正次という人物を発掘し、それを高橋一生に演らせ、かつ、あのような役回りを与えたものだと感心します。。
しかも行き届いているのが、単にあのような人物を創造しただけではまだ、萌えにならない…三人の、仲の良い少年少女たちがいた…しかし時は流れ、運命に翻弄され、行く道をたがえた彼らは…という、初めに「関係性」をガッチリ作り上げたことが、そのキャラクターを百万倍にも活かすことになった。
以前、ジャニオタについての文章を書いたときに、腐女子の萌えはなにより「関係性」がベースになることを考察しました。
萌えをよく理解していないおっさんは、要するにイケメンさえもってくれば腐女子とやらは、萌えるんでしょ。と考えがちですが、そうではなく、どんなキャラクターが誰とどんな関係性を培うか、が萌えを生み出すのです。
これは本当に難しい問題で、例えばシンゴジラの庵野監督は「矢口と志村は、それ(萌え)を意識した」と発言しています。だから、志村役にイケメンの高良健吾を配役したのでしょう。しかし実際に腐女子のみなさんの心を鷲掴みにしたのは矢口と泉の関係性でした。イケメンとはほど遠い(失礼)松尾諭さんが「まずは君がおちつけ。」と冷静沈着に諫める姿、そしてそれを素直に受け入れ自分を取り戻すという二人の関係性。これが腐女子の心を熱くしたわけですが、しかしこのエピソードから見えてくるのは庵野秀明ほどの天才にして腐女子のニーズは完全には掴み切れていないという事実です。
見てください!直虎に刺され、直虎に裏切り者と罵られたあとの、この政次の、幸せに満ち溢れた満足げな表情!
「お前に殺されるなら本望だ」
「さらにお前のためにお前の犠牲になって死ぬのならなおのこと一粒で何回も美味しい」
と、全霊で訴えている顔ですよ。
それとて、その”お前”が、幼少の頃より亡き親友と共に強いきずなを33話もかけて徹底的に培ってきた”お前”だからこそ、萌えにつながるのです。関係性はよくわからんが殿のために死ぬなら本望、という昔の時代劇なら当たり前の描き方をしたって、萌えにはつながりません。
それにしても本当に、見どころの多い、神回の名に恥じぬ第33話でした。阿部サダヲ家康一世一代の凄技「逆ゴキブリ走法」も本当に見どころだったなあと「そのハナシ、今、いるぅ?」
そんなわけで、今のNHK大河はある程度、腐女子のニーズを理解できているのではないかと思います。が、まだ足りない。本当は、この回くらいで神回と呼ばれるようではいけません。もっと、もっと上を目指していただきたい。そのためには、”関係性”さえしっかりしていればもっともっと、ハードで汗臭い展開でいい。「まずは君がおちつけ」を思い出していただきたい。甘ったるいシーンはむしろ萌えのジャマにすらなることがある。イケメン大河、トレンディ大河と門外漢に揶揄されるようではダメなのです。そういう有象無象や大河を見ない歴史オタをすら驚嘆させるくらいにハードで渋い展開でいい。近年の大河の例でいえば、去年の今頃でしたかね、あの「直江状を渋すぎる声で朗々と朗読して家康を罵倒」を本編でフルコーラス流すくらいのことをしていただきたい!
今回はこんなとこです。以上。
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