マイホームを建てたり買ったりするとき、気になるのはお金のことです。住宅ローンひとつとっても、どこで借りればいいのか悩みますよね。
しかしその前に、ご存知でしょうか。家を建てたり買ったりする時にもらえる公的な補助金はたくさんあります。
金額も、100万円くらいならばもらえる可能性はけっこうあります。100万円あれば、ローンの返済計画が大きく変わってきますよね。しかも、後でお伝えしますが、最大300万円もらえるものもあります。
そこで今日は、あなたのマイホームの夢をサポートしてくれる補助金の制度について、分かりやすくお伝えします。是非、最後までお読みになってお役立てください。
1. マイホームを買うだけで10万円~30万円
対象:新築住宅・中古住宅
1.1.「すまい給付金」とは
「すまい給付金」は、2019年6月までに家を買った場合に受け取れるものです。年収・家族構成等の条件によって10万円~30万円がもらえます。
すまい給付金公式サイトの「かんたんシミュレーション」を使って具体例で試算してみましょう。
扶養者が配偶者と小学生のお子様2名(合計3名)の場合、年収500万円で計算すると、30万円受け取ることができます。これに対し、年収600万円以下の方は、同じ家族構成だと、10万円受け取れます。
以上は一例ですので、試算してみてください。もし受け取れない場合でも、他にも補助金はあります。この後にお伝えする他の補助金の活用をお考えください。
1.2.マイホームならほぼ条件をみたす
住宅ローンを組む場合、条件は以下の通りです。新築と中古で微妙に違いますが、ファミリーで住む家ならば、多くの家が条件をみたします(ただし、みたさない場合も、他の補助金を受け取れる可能性があります。この後をお読みください)。
【新築】
- 床面積が50㎡以上
- 施工中に第三者機関の検査を受けて一定の品質が認められた
【中古】
- 床面積が50㎡以上
- 現行の耐震基準をみたす(耐震基準をみたさない場合は、補強工事をしたら受け取れる補助金があります。詳しくは後述します。)
- 買う時に第三者機関の検査を受けて一定の品質が認められた
1.3.手続はかんたん
手続は、住宅事業者に代行してもらえるので、任せておけば大丈夫です。
期限だけ注意してください。住み始めてから1年3ヶ月以内に請求しなければなりません(いずれ「1年以内」に短縮される予定です)。
2.耐震・省エネのリフォームで100万円以上
対象:中古住宅
長期優良住宅化リフォーム推進事業補助金は、一定の条件をみたしたリフォーム工事を行うか、すでにリフォーム済みの家を購入した場合に、100万円~300万円の補助金がもらえるというものです。
- 評価基準型:「評価基準」をみたす
- 認定長期優良住宅型:「認定基準」をみたす
- 高度省エネルギー型:「認定基準」をみたし、省エネ
「評価基準」は、「認定基準」はみたさないけれどもある程度の性能向上が見込まれるレベルです。
【イメージ】
2.1.補助金はいくらまで?
どのパターンも、受け取れる補助金は基本的にかかった費用の1/3ですが、上限があります。上限額は以下の通りです。3世代同居のための改修をした場合は、上限額が50万円プラスされます。
- 評価基準型:100万円(3世代同居のための改修は150万円)
- 認定長期優良住宅型:200万円(3世代同居のための改修は250万円)
- 高度省エネルギー型:250万円(3世代同居のための改修は300万円)
詳しくは公式サイトの「概要チラシ」をご覧ください。
2.2.申請の手続
手続はリフォーム業者にやってもらいます。ただし、手続ができるのは「補助事業者」として登録している業者だけです。営業の方に聞いてみましょう。
補助事業者は公式サイトで公表されています。
3.いま話題の「エネファーム」設置で最大19万円
対象:新築住宅・中古住宅
「エネファーム」という言葉を聞いたことがあると思います。エネファームは、家庭用燃料電池システムです。家を新築したり購入したりする時にエネファームを導入すると、費用(機器の価格・工事費)の一部を国が補助してくれます。平成30年2月16日まで募集していますので、時間的余裕は十分あります。
詳しくは公式サイトをご覧ください。
3.1.燃料電池の性能によって5万円~19万円
補助金の額は5万円~19万円です。
ふつうの性能(PEFC)よりも、高性能(SOFC)の方が高く設定されています。また、「中古住宅」、「LPガス使用」、「寒冷地仕様」のどれかならば3万円プラスされます。
【PEFC(ふつうの燃料電池)】
【SOFC(高性能な燃料電池)】
3.2.申請の手続
補助金の申請手続は、業者に代行してもらうことができます。
また、自分でもかんたんにできます。公式サイトで必要書類の書式や、補助金の計算シートがダウンロードできます。記入例も紹介されています。
4.「省エネ」+「エネルギー生産」で75万円
対象:新築住宅・中古住宅
新築・購入する家が、省エネなつくりで、しかも、太陽光発電等でエネルギーを作り出すものであれば、75万円の補助金が受け取れます。「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)補助金」と言います。
「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」はまだ耳なれない言葉ですが、以下の条件をみたす家です。
- 壁を断熱のものにする
- 冷暖房等の設備を省エネのものにする
- 太陽光発電等によってエネルギーを作り出す
つまり、出ていくエネルギーを減らすとともに新たなエネルギーを生み出すことで、年間のエネルギー量がプラスマイナスゼロ以下となる住宅です。
そして、経済産業省は、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」を広めるために、一定の基準をみたす住宅への補助金事業を行っています。これが「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」です。
詳細は運営母体「一般社団法人環境共創イニシアチブ」のサイトで見ることができます。
4.1.補助金は75万円~115万円
補助金の額は基本的に75万円です。
また、自家発電した電気を貯めるシステム(蓄電システム)で一定の条件をみたすものを設置すると、さらに最大で40万円多くもらえます。
4.3.申請の手続
申請できるのは以下の人です。
- 新築住宅:建築主
- 新築建売住宅:購入する予定の人
- 中古住宅:購入した人
すまい給付金と違ってあくまで公募ですが、以下のように、平成29年度の一次公募・二次公募の実績を見ると、申請件数の99%超が受け取れています。つまり、申請すればよほどのことがない限り受け取れるものです。
平成29年度は「七次公募」(9月1日~9月11日)、「八次公募」(9月13日~9月20日)が予定されています。
また、平成30年度も公募が実施される可能性が高いので、一般社団法人環境共創イニシアチブのサイトをチェックしてみてください。
5.リフォーム+耐震で最大65万円受け取れる
対象:中古住宅
住宅ストック循環支援事業補助金(エコリフォーム補助金)は、中古の住宅を、環境に優しいエコな家にリフォームした場合に受け取れるお金です。平成29年度は9月7日までなので、思い当たる方は急いで申請してください。
なお、一つ注意していただきたいことがあります。補助金の目的や条件が「4」でお伝えした「ゼロ・エネルギー・ハウス補助金」とかなりかぶるので、両方を受け取ることは認められません。
5.1.「若者」なら最大65万円
まず、いくら受け取れるかお伝えします。補助額は、公式サイトをご覧ください。工事の箇所・内容ごとに定められていて、上限は以下の通りです。
- 「若者」(※):50万円(耐震工事をするなら65万円)
- 年齢不問:30万円(耐震工事をするなら45万円)
※「若者」:平成28年10月11日の時点で39歳以下だった人
5.2.耐震性も必要
対象となるエコリフォームの条件は、主に以下の通りです。詳しくは公式サイトをご覧ください。
- 壁・ドア・窓等を断熱にする
- 「エコ住宅設備」(太陽熱利用システム・節水型トイレ・高断熱浴槽・省エネ給油機・節湯水栓)のうち3種類以上を設置する
- 完成後に耐震性がある
このように、単にエコな家というだけではなく、耐震性も必要なのです。
ただし、もともと耐震性があればエコリフォームだけで大丈夫です。
5.3.申請の手続
申請はリフォーム業者にやってもらうことになっています。ただし、申請ができるのは「補助事業者」として登録している事業者のみです。したがって、リフォームを依頼する時は、依頼先の業者が補助事業者登録をしているか、確認してみることをおすすめします。
6.すぐわかる!市区町村の補助金を見つける方法
国ではなく市区町村単位で補助金を実施していることがあります。「一般社団法人住宅リフォーム推進協議会」のサイトから検索できます。なお、「リフォーム」とありますが、新築でも活用できるものもあります。
そして、詳しくは、最寄りの自治体のHPをチェックしてみてください。
ただし、他の補助金と併用できないこともありますので、注意してください。
7.補助金の情報をいち早くゲットするために
以上は、今からでも間に合う補助金の話でしたが、補助金はこれら以外にもあります。ただし、毎年実施されるとは限りませんし、制度の中身も変わります。しかも、申請期間が設けられているものもありますので、できるだけ早く情報をゲットする必要があります。
以下のサイトが参考になります。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
マイホームのための資金計画にとって、住宅ローン減税はもちろんのこと、公的な補助金をもらえることは大変重要です。
補助金はいろいろありますが、どれも意外に条件の幅が広く、受け取りやすいことがお分かりになったと思います。
また、細かな手続についても、不動産業者やリフォーム業者に任せておけば良いことが多く、面倒なことをする必要はあまりありません。
まずは、どんな家に住みたいのか、ご家族と話し合ってみましょう。そして、そのイメージ通りの家にぴったりの補助金を見つけて、効果的に活用しましょう。
この記事が、あなたがマイホームを手に入れるのにささやかながらお役に立つことを願ってやみません。