かれこれ20年近く夏冬と連続当選してサークル参加してる身だが、真木よう子のコミケ参戦は別に問題ないと思ってる。
真木よう子の参加は、コミケの理念に照らし合わせると、何の問題もないからだ。
私のようにコミケに長く参加している古参でさえも勘違いしている人がいるのだが、
まず、コミケは、オタのためだけの、非オタは参加を許されない祭典ではない。
そして、今のコミケは、「非営利」の、「アマチュア」に限った場ではないのだ。
2013年に、申込書等、コミケ準備会側の公式文書に書かれている「コミックマーケットの理念」の記述から、「営利を目的としない」などの一連の文言が消えたことを知る人は少ないんじゃないだろうか?
コミケットはアマチュア、営利を目的としない団体(サークル)、個人のための展示即売会です。基本的に法人(会社)あるいはそれに準ずる方の参加はお断りします。
と、なっていた。参考 http://wanda.hatenablog.jp/entry/20100418/1271549068
長らく「営利目的でない」「アマチュアの」イベントであり、「法人」は原則ダメですよー、という理念を掲げていたが、
こうした理念がとっくの昔に形骸化していたのは、コミケにそれほど詳しくない者の目にも明らかであっただろう。
そして、最も新しいC93(今年の年末に行われるコミケ)の申込書に書かれているコミックマーケットの理念には、
と、書かれており、続いて、
とも書かれている。オタじゃないと参加はダメとか、オタク文化系の頒布物じゃないと参加はダメ、とも書かれていない。
このコミケの理念に照らし合わせると、真木よう子の参加希望を、現時点で全否定する理由は無い。
一個人として、事務所を通さず好きに作りたいのなら、本人がコミケを選んだって構わないだろう。
クラウドファンディングで本を作るのだって、別にいいと思うし、これからの時代の同人活動での一手法になりうると思う。
自分の金で作らないなら、参加は絶対に認めないぞ!なんてルールは、どこにも書いてないのだし。
また、「コミケでやる必要がないからコミケ以外でやれ」というのは暴論すぎる。
委託店等の販路が多くある昨今なら、「コミケでやる必要はない活動」となってしまう。
参加目的に「(ファンの)皆様と会いたかった」と言ってる点を持ち出し、参加するなと批判している人がいるが、
同人作家で、「買ってくれる人や~~さん(同人作家)と交流が楽しみ」みたいな呟きをしている人なんて簡単に見つかるし、
混雑しそうだから参加ダメ!なら、そもそも壁サークルや島中の大行列を生んでいるサークルはどうなんだ?となる。
禁止されている徹夜等を含め、そういう混雑を生んでいる大人気サークルは、コミケに参加するべきでなく、大手委託店等で通販のみを行うべきなのだろうか?
私が参加したこの20年近くの間に、オタとオタを取り巻く環境、そしてコミケも大きく変わった。
90年代には、アキバのビルの薄暗いフロアにスチールラックをおいただけ、という裏ビデオ屋のようだった同人委託店が、
同人だけで食っていけるような人も(参加者全体の数からすると割合は少ないが)見受けられるようになった。
つまり、明らかに営利目的・収益目的だなってとこも珍しくはなくなった。
壁サークルのような大手や有名どころは法人成りしてる例も見受けられ、限定グッズを売り出す企業ブースは毎回長蛇の列で大盛況だ。
企業の人間がブレーンとして関わって制作された、商業流通している本に顔負けの同人誌だってある。
コスプレ広場のコスプレイヤーには、芸能事務所に登録しているような子も増え、
芸能界へのステップアップを目指す子もおり、現役グラドルすら来るようになった。
現役プロ漫画家やイラストレーターが参戦する例だって、ずっと前から枚挙に暇がない。
そうしたコミケに参加するプロやアマチュアが、コミケを通して知名度をあげたい、広告宣伝効果を得たいという思いだってごくごく普通のことになっている。
コミケに参加したこと無い人でも、コミケ等大イベント前の怒涛の頒布物広告宣伝ツイートはよく目にするだろう。
好き嫌いはあるだろうが(私自身はこうした一連の変化は苦手だが)、こうして世とともに変わっていったのもコミケの現実だ。
私は今の言葉で言うところの陰キャなので、キラキラした芸能人や、リア充と言うのかパリピというのか、
なんというのかそういうある種の言葉でくくられる人が来て多数派になっていくのは嫌だ。
しかし、それは私の好悪に過ぎず、そうした好悪の感情をもとにある参加希望者を叩き、拒むことは、コミケの理念に間違いなく反している。
極端な話、コミケの理念に反せず、法令と、準備会が定めた運営ルールを守っているならば、
「オタなんて大嫌い」という人が、「オタ大嫌い論」という本を評論・情報ジャンルで頒布するために参加したっていいのだと思う。
コミケの準備会側が、搬入計画に懸念を示したりして参加させないと判断するならまだしも、
私のような一人ひとりのコミケ参加者らが、コミケの理念に反していない者を、
「こいつは参加するべきではない」「コミケに不慣れなこいつは問題を起こすに違いないから来るな」として叩き、
参加を断念させることになったら、ただただ禍根となる。
特に、オタというものの境界や定義がますます曖昧になっていくであろうこれからの時代に、
オタ的でないからと叩いて参加を断念させ排除するのは、悪用される恐れのある前例にもなろう。長文すまない。
まあつまり、真木よう子に批判的になるのは勝手だが、コミケット側も排除する必要はないし、排除にあたる正統的な理由もないってことだな それなら俺の感想と同じだ (叶姉妹含め)...