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産経新聞大阪夕刊Biz【彩前線】より自転車が関西観光を変える 「穴場回れる」外国人に人気

 大阪や京都の市街地で自転車が見直されている。借りた自転車を目的地付近で返却できる「シェアサイクル」、早朝や夜間に自転車を貸し出す「レンタサイクル」の利用が拡大。急増する外国人観光客の間で、「電車や徒歩で見つけにくい穴場を回れる」と人気が急上昇している。(産経新聞大阪経済部 牛島要平)

風景楽しめる

 大阪・キタの繁華街にほど近い「ANAクラウンプラザホテル大阪」に今年5月、シェアサイクル「HUB chari(ハブチャリ)」の自転車ポートが設置された。宿泊客がフロントで申し込めば、自転車を借りることができる。

自転車のポートで整備担当者と話す「Homedoor」の川口加奈理事長(左)。外国人観光客の利用が急増している =大阪市北区(須谷友郁撮影)

 ハブチャリのポートは大阪市に11カ所、大阪府門真市に1カ所。自転車は目的地に近いポートで返却すればいい。ドコモ・バイクシェア(東京)のシステムを利用している。

 受付でキーを受け取り、料金(1時間200円)を現金で支払う「アナログ会員」と、インターネットで予約して料金(30分150円)をクレジットカードで支払い、カードやスマートフォンを自転車の操作パネルにかざして解錠する「スマート会員」がある。

 シェアサイクルは大阪ではまだ珍しいが、ハブチャリを運営するNPO法人「Homedoor」(大阪市北区)の川口加奈理事長(26)は「風景を楽しみながら移動したいという外国人観光客の利用が年々増えている」と話す。利用者は年間6千~7千人で、約6割が外国人という。

 ポートは、ホテルや店舗などに用地を提供してもらって設置。川口理事長は「300~500mごとにあれば電車、バスに次ぐ公共交通機関になる。2020年までにJR大阪環状線内120カ所が目標」と各方面に協力を求めている。

宿泊先へ配達

 一方、京都駅八条口から徒歩2分のレンタサイクル専門店「京都ecoトリップ」は乗り捨て不可でシェアサイクルではないが、独自のサービスで外国人をひきつける。

 料金は自転車の種類により1日800~2300円。静かな京都を散策できる午前6時半からの「早朝オプション」(追加料金300円)、寺社の夜間拝観に合わせた午後10時までの「夜間オプション」(同400円)、宿泊先への自転車配達や回収(同500~2千円)もある。

 運営会社「ステイドリーム」(京都市南区)の前谷智志社長(49)は「貸し出し・返却の際に、店員がお客さんと京都の魅力を語り合える」とシェアサイクルとの違いを打ち出す。

 利用者数は年間約3万5千人。5年前に約1割だった外国人の利用は現在、約4割を占める。今年7月には京都駅北側にも店舗をオープンし、9月には四条烏丸に3店目を計画する。

エコな乗り物

 外国人観光客の自転車ニーズが高い背景には、欧米を中心に車の渋滞緩和や地球温暖化対策などの目的で、シェアサイクルが普及している状況がある。

 2007年にパリで導入されたシステム「ヴェリブ」は約1800カ所のポートを整備。1台の1日当たり利用数は10回に及ぶ。

 国内では東京で千代田区などの都心6区が実証実験で約200カ所のポートを設置したが、他都市を含めてポート数は平均10カ所にとどまる。

 官民で自転車が走りやすい道路の整備やポート数の増設を進めれば、シェアサイクル、レンタサイクルといった自転車ビジネスは飛躍的に伸びる可能性を秘めている。

産経新聞・大阪夕刊より)

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