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2017-08-18 実写映画版『ジョジョの奇妙な冒険』がヤバすぎる!ネタバレ感想 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメントAdd Star

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■あらすじ『“スタンド”と呼ばれる特殊能力を持つ高校生東方仗助山崎賢人)。彼が暮らす杜王町は緑豊かで平和な町だったが、最近、謎のスタンド使いアンジェロ山田孝之)による変死事件が続発していた。そんな中、仗助の前に空条承太郎伊勢谷友介)と名乗る男が現われ、実の父親を巡る秘密と、奇妙な事件の背後に蠢く”スタンド使い”たちの存在を知らされる。同級生広瀬康一神木隆之介)、山岸由花子小松菜奈)、虹村形兆岡田将生)、虹村億泰新田真剣佑)らと出会い、愛する家族と町を守るため、危険な戦いに身を投じていく仗助。果たして凶悪な敵を倒すことは出来るのか!?』


※今回の記事は非常にネタバレしてます。未見の方はご注意ください!

※あと、原作の『ジョジョ』を読んでないと良く意味がわからないかもしれません。申し訳ない!


どうも、管理人のタイプ・あ~るです。

突然ですが、皆さんは現在公開中の映画ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』を観ましたか?えっ!?まだ観てない!?それはいけません、すぐに観ましょう!なぜなら、興行成績がヤバすぎるからです。

本作は、ご存じ荒木飛呂彦先生の同名人漫画実写化した長編映画で、公開前から注目を集めていた話題作なんですが、いざ公開してみたら想像を絶する異常な不入りに関係者一同ビックリ仰天!

初週の土日2日間で観客動員11万7000人、興収1億6600万円、ランキング5位という残念な結果になってしまったのですよ(ちなみに、先に公開された実写版銀魂』は土日2日間で動員39万3000人、興収5億4100万円を記録した)。

この状況は、同じ三池崇史監督した実写版『テラフォーマーズ』の成績よりも悪く、しかも公開2週目には早くもランキング10位圏外へ転落するという大惨敗を喫してしまい、製作元のワーナーブラザーズも大慌て!なぜなら、このままでは続編が作れなくなるからです。

今回の実写版『ジョジョ』はタイトルに「第1章」と入っているように、今後の大きな物語へ繋げるための「導入編」にすぎません。つまり完全に続編ありきのストーリー展開になっており、本作を観ただけでは意味の分からないシーンが多数含まれてるんですよ。

なので、僕は当然「次回作は確定済み」と思ってたんですけど、続編の製作はあくまでも”予定”で、「1作目がヒットすれば2作目以降を作る」という段取りだったらしい(まあ「原作は超人マンガで主演も人気俳優の山崎賢人だし、大ヒットは間違いないだろう」などと考えていたのかも…)。

ところが、想定外の結果になったことで関係者も焦ったんでしょうね。「オイ!このままじゃ企画が打ち切られて第2章が作れないぞ!」「張った伏線を回収できないじゃん!」みたいな感じになったらしく、とうとう公式が自らネタバレ動画投稿するという前代未聞の事態が勃発!

なんと、本編の重要なシーンを少しずつネットに公開し始めたんですよ。えええ!?マジか!?よっぽど追い詰められてるんだろうなあ(^_^;)

いや、もちろん観客の期待を煽るために本編のワンシーンを見せるっていうのは良くあることだし、何の問題もないでしょう。しかし、クレイジー・ダイヤモンドのバトルぐらいならまだしも、終盤のシアー・ハート・アタックやラストのサプライズシーンまで見せてしまうのは、ちょっとやりすぎじゃないの?

特にシアー・ハート・アタックなんて、原作ファンなら必ず「あっ!」と驚く超重要なシーンなわけで、ある意味、一番ネタバレしちゃいけない場面じゃないですか。それを公式が自分でバラすって…どうなんだろう?こういう宣伝は初めて見たなあ(-_-;)

このような公式の”暴挙”に対し、「いくら客が入らないからって、上映中の映画のオチを自らネタバレしてどーする!?」「これはさすがにダメだろ」「自暴自棄としか思えない」などと批判殺到している模様。

まあ公開1週目でまさかの5位、2週目で早くもトップ10位から消えてしまったのだから、焦る気持ちも分からなくはないんですが、先行して公開された動画と合わせると、ほとんどの「見どころ」を公開しちゃってるわけで、さすがにネタバレが過ぎるのでは?と思わざるを得ません。

こういう状況を見て、ファンの間では「実写版『ジョジョ』がコケたのは宣伝のやり方が悪かったからだ!」という論調が広まっているようです。ただ、「それは確かにその通りだけど、それだけじゃないよな~」とも思いました。

あくまでも個人的な見解ですが、タイトルに「第1章」と銘打ち、ストーリーも「続編」を前提として構成するなら、最初から全ての章を作った上で公開すべきだったと思います(つまり、3部作なら3本一気に撮ってしまえ!と)。

もちろんリスクもあるでしょう。しかし、例えば実写版『20世紀少年』の場合は、第1章が公開される前に第2章と第3章を撮影していたわけで。そうすると、コケたらえらいことになるから宣伝も必死にならざるを得ないし、その結果、興収計114億円の大ヒットに繋がったのですよ。

残念ながら実写版『ジョジョ』は、そういう覚悟が足りなかったと言わざるを得ません。もしどうしてもリスクが怖いなら、「第1章」などとせずに潔く「1話完結」のストーリーにすれば良かったんですよ。それならまだ納得できたのに、「ヒットしたら続編やります」的な甘い気持ちで映画を作るからこんなことになったんじゃないの?”覚悟”が足りないよ!

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いや、なんで僕がこんなに熱くなってるかと言うと、「続編」を作って欲しいからなんです。僕は原作の『ジョジョ』のファンですが、実写版を観た感想としては「漫画の内容をかなり丁寧に再現しており、決して悪い出来ではない」という印象でした。

もちろん、絶賛するほど完成度が高いわけじゃないんですけど、スペインで撮影された風景も意外と作品世界観にマッチしていたし、新田真剣佑さんの虹村億泰も再現度が高かったし、フルCGで作られたスタンドもカッコ良かった!特にバッドカンパニー最高ッ!

…みたいな感じで、全体としては妙に面白かったんですよ。しかもクライマックスでは「え?ここでシアーハートアタックが出て来るの!?」とか、さらにエンディングでは「うおおお!こ、これは吉良吉影…!」など、原作ファンの心をガッチリ鷲掴みするようなサプライズの連続で興奮しまくり。なので物語の続きにも期待していたんですけどねえ…。

もし第2章が作られなかったら、この映画は虹村形兆を殺したスタンド使い(吉良吉影)の正体が分からないまま、中途半端な状態で完結してしまうわけです。DVDが発売されても、「第1章」のタイトルだけが虚しく残って結末は尻切れトンボのまま。そんなカッコ悪いことってあります?

だからこそ続編を作って欲しいし、ハッキリ言えば小松菜奈が演じる山岸由花子をもっと見たい!今回はほぼ活躍シーンが無かったけど、次回作ではスタンド(ラブ・デラックス)を使ったバトルもあるはず。そうなれば「このヘナチン野郎があああ!」と絶叫する小松菜奈を見れるかも!みんな、見たくない?僕はもの凄く見たいぞ!

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まあ、実際に「第2章」が作られたとしても、こういうシーンがあるかどうかは分かりませんけどねw↑

というわけで、現状では続編の可能性がほぼ無くなりつつある実写版『ジョジョの奇妙な冒険』ですが、そうなるとあまりにも悲しいので、自分で勝手に次回作の展開を予想してみましたよ(^_^)


●「第2章」に出ると思われるキャラ(スタンド)

・山岸由花子(ラブ・デラックス)

・広瀬康一(エコーズACT2)

岸辺露伴ヘブンズドアー)

・矢安宮重清(ハーヴェスト

・辻彩(シンデレラ

・吉良吉影(キラークイーン/シアーハートアタック)


●「第3章」に出ると思われるキャラ(スタンド)

・噴上裕也ハイウェイ・スター)

宮本輝之輔(エニグマ

杉本鈴美(幽霊

・猫草(ストレイ・キャット)

・吉良吉廣(アトム・ハート・ファーザー

・川尻浩作(キラークイーン/バイツァ・ダスト


●たぶん出ないと思われるキャラ(スタンド)

トニオ・トラサルディー(パールジャム)

・間田敏和(サーフィス)

・小林玉美(ザ・ロック

音石明(レッド・ホット・チリ・ペッパー)

ジョセフ・ジョースター(ハーミットパープル)

・静・ジョースター(アクトン・ベイビー)

・支倉未起隆(アース・ウインド・アンド・ファイヤー

・ジャンケン小僧(ボーイ・II・マン

・鋼田一豊大(スーパーフライ

・乙雅三(チープ・トリック

・ネズミ(ラット


原作の第四部『ダイヤモンドは砕けない』は、本編に直接関係ない「サブ・エピソード」が多いので一見長い物語に見えるんですが、吉良吉影(川尻浩作)に関わるキャラを中心に構成していけば割とストーリーは作りやすいかもしれません。

具体的には、まず第1章でほとんど出番の無かった山岸由花子が活躍するでしょう。広瀬康一に対する”愛情”がエスカレートしすぎて、ついにはスタンド戦(エコーズ VS ラブ・デラックス)に突入!康一が勝利するものの由花子は諦め切れず、辻彩のシンデレラを使って再度アタックを仕掛ける。

その後、岸辺露伴と矢安宮重清のエピソードを経て吉良吉影が登場するわけですが、もしかすると尺の都合でしげちーの場面はカットされるかもしれません。その代わり、「山岸由花子が吉良に狙われる」という展開になるのかも(第1章で由花子の”手”を見せるシーンがあったけど、あれが伏線だったりして…?)。

もし由花子が標的になるなら、康一にも「ラスボスを倒す動機」が生まれるので、ドラマ構成的にも丁度いいんじゃないでしょうか。で、仗助たちに追い詰められた吉良がシンデレラの能力を使って川尻浩作に成り代わり、雑踏の中へ消えたところで第2章完!

続く第3章では、逃げた吉良を皆で捜す展開に。その途中、噴上裕也(ハイウェイ・スター)とか宮本輝之輔(エニグマ)などの敵スタンド使いが適当に襲って来てバトルを繰り広げる。さらに杉本鈴美や猫草のエピソードを挟みつつ、川尻(吉良)との最終決戦へ!出るか?第3の爆弾:バイツァ・ダスト!

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…とまあ、こんな感じで続編を作ってもらいたいわけですよ、僕としては。いや、最悪、色んなエピソードを削って「次回で吉良を倒す」みたいな展開でもいいから、何とか続きを公開して欲しい(個人的にはトニオさんの話も観たいんだけどなあw)。

あと気になった点は、今回の映画で仗助の周りにいつも群がっている3人の女子高生が、全く女子高生に見えないんですよね(もう完全に「セーラー服を着た風俗嬢」って感じw)。なので、次回作ではもう少し若いJKをお願いします(^_^)


KohKoh 2017/08/21 13:16 漫画の実写化というものはなかなか難しいようで... 前から疑問に思っていましたが、何故わざわざ予算を掛けて漫画の実写映画を製作するんでしょう。内容も興行も失敗した例の方が多いような...
テレビドラマで十分じゃないでしょうかね?

type-rtype-r 2017/08/21 21:28 >何故わざわざ予算を掛けて漫画の実写映画を製作するんでしょう。

詳しいことはこちらの記事に書いてあるので読んでいただきたいんですが↓

http://d.hatena.ne.jp/type-r/20150620

簡単に言うと「儲かるから」です。今の邦画業界は少しでも映画人口を増やそうと必死になっていますが、完全オリジナルの内容ではアピール力が弱い。しかし、人気漫画を実写化すれば、原作の知名度をそのまま利用できるし、さらに人気アイドルを主役にすれば相乗効果で集客も見込める。つまり、手っ取り早くお客を集めるには極めて効率的な方法なんですよ。

あと、失敗作が多いイメージがあるかもしれませんが、少なくとも”商業的には”成功作が多いんです。もし世の中の実写映画が失敗作ばかりなら、とっくの昔に淘汰されているはずですが、毎年毎年実写映画の作品数が増えている現実から判断すれば、「多くの実写映画が成功している」と考えるべきでしょう。

mm 2017/08/22 00:08 確か原作者の荒木飛呂彦先生って超がつくほどの映画好きですよね。(好きな映画ランキングの本とか出しちゃってますし)リップサービス抜きのガチ評価を下したらどんな感じになるのかちょっと気になります(^_^)

type-rtype-r 2017/08/22 13:25 >リップサービス抜きのガチ評価を下したらどんな感じになるのか

荒木先生はこれまで2冊の映画関連書籍を執筆していて、一つはホラー映画について解説した『奇妙なホラー映画論』。もう一つがサスペンス映画を中心とした『超偏愛!映画の掟』です。このうち『超偏愛!映画の掟』の中では、「面白い映画の5つの条件」という項目を掲げ、「自分で映画を観る時も、これらの条件を満たしているかどうか、常に意識している」と語っていました。

このように、映画好きの荒木先生は”映画の完成度”について非常に厳しい目を持っているようですが、実写版『ジョジョ』に関しては客観的な評価はできないんじゃないかなと(笑)。自分で脚本をチェックしたり、登場人物のセリフを変更させたり(虹村形兆がプッチ神父のセリフを喋っている)、スタンドのデザインを修正したり、この映画にガッツリ関わってますからねえ。

しかも、ジャパンプレミアで公開されたビデオメッセージでは「登場人物や主人公のキャラ作りが、映画的なサスペンスにのって場面を圧倒的に支配しています」「それは、山崎さんの仗助としての存在感が作品を引っ張っていってくれているのをはじめ、キャストのみなさんが素晴らしかったからです。CGや劇中音楽もカッコよく、映画を盛り上げてくれています」と絶賛してましたからね。

まあ、『ドラゴンボール・エヴォリューション』の公開時に「脚本やキャラクターは、原作者としては『え?』って感じですが、もしかすると現場の努力で大傑作になっているかも。ファンの皆さんは別次元の『新ドラゴンボール』として鑑賞するのが正解かもしれません」などとコメントした鳥山明先生に比べれば、だいぶマシな評価なんじゃないでしょうか(^_^)

工作員工作員 2017/08/24 00:40 宣伝の失敗が大きいと思います。
公開前はジョジョ最大の見せ場であるスタンドの映像が
全くと言っていい程なかったので、これはまた原作ファンが裏切られるパターンだと思ったのではないでしょうか。(パワードスーツの出てこないスターシップトゥルーパーズ等)

type-rtype-r 2017/08/24 21:08 もちろん宣伝のマズさも失敗した要因の一つでしょう。事前にスタンドの映像をあまり見せなかったのは、「観客に興味を持ってもらうための戦略」だと思いますが、全くの逆効果で大コケ!焦った広報が慌ててスタンドの映像を公開しまくると、今度は「見せすぎ!」と非難され…。難しいですねえ(^_^;)