ある日の合コンにて、女子の方から「どんな音楽を聴くんですか?」なんて嬉しい質問を受けたので、ちょっとだけ期待を込めて、「今は、リズム&ブルースかな」なんてスカして答えてみた。すると、可愛い顔して「私もリズム&ブルース好きです!」なんて言うもんだから、こっちはますます色めき立っちまって、よせばいいのに「へ〜。どんなアーティスト聴くの?」なんてヤボな質問を繰り出しちまった訳だ。そしたら案の定、全然知らないアーティスト名を言われちまって、俺は一瞬、「おい、ここは一体どこだ?ロスのロデオドライブか?はたまたニューヨークのハーレムか?これは夢か?」と本気で思っちまったよ。なあ、オネーちゃん、本当のリズム&ブルースってやつが何たるかは、”あの曲”があんたに教えてくれるよ。
どうもここから、いつになく”読むのが苦痛でしかないマジメな長文記事”になってしまいそうな気配なので、とりあえず「合コン」ネタの枕を撃ち込んで、記事のレベルを下げておきますぜ、ダンナ。
いつも素晴らしいブログを書かれているNagiさん。最近、「映画ブルース・ブラザーズのオリジナル全訳」という見事な仕事をサラリとやってのけてくれた。
全くもって最高だ。この偉業にリアルタイムで接することができた「神がくれた偶然」ってやつに、心から感謝する。いや、俺流に言えば「たまたま」の方がしっくりくるな。リアルタイムで接することができた「神がくれたたまたま」に、たまたまに手をあてて感謝しよう。
Nagiさんの熱い記事。
僕も大好きなブルース・ブラザーズ。そして、ジョン・ベルーシ。
そして、そんな敬愛するNagiさんが、自分で書いた事もすっかり忘れていたこの過去記事(「僕達のテーマソング」とか書いちゃってて、割と恥ずかしいのだが・・・)にくれた書き込み。
そして、メアリー・ルー・ロードの検索で、偶然思い出すことになった京都「磔磔」。
そして、今年の夏、フジロックのグリーンステージから漏れ聞こえてきた、チャボさんのあの歌声。
そんなかんなで今、”あの曲”が俺の頭の中で何度も何度も流れちまってる。寝てる時も頭から離れない。
これはやはり、”あの曲”について書かなければならないのかもしれないな。さっきからもったいつけてる”あの曲”ってのは・・・
CDについてる歌詞カードには書いていない、クライマックスとなる怒涛の「アーティスト名の連呼」を書きおこしているページはたくさん見つけた。だけど、そのアーティストの配置にまで言及しているページは、恐らく無い。
僕が下記に書く事を自然に頭の中で連想できて、それにまつわる色んな音がこの曲のハーモニーの如くバックで流れている人達もいれば、一方でただのカタカナの羅列として聴いている人達もいる。後者の方達、(余計なお世話かもしれないけれど、)ちょっともったいない気がするんだよね〜。
僕は、仲井戸麗市さんの事もリズム&ブルースの事もそれほど詳しいって訳ではないのだが、頑張ってこの曲に挑んでみたいと思う。
まずは実家に帰って、この本を探してきた。
僕のリズム&ブルースのバイブルだ。
そして、1994年の4月にFM802で放送された番組「LOVE OVERTUNE」にて、仲井戸麗市さんがDJを担当された回の録音を引っ張りだしてきた。
これは、関西にいるときに入手したものではなく、関東の田舎に帰ってから、ひょんなことから知り合ったチャボ・ファンの方から頂いた僕の宝モノだ。(あの方は、今、何をしているのだろうか?とても元気な方だったので、変わらず元気でいるといいな〜。)
この番組で、仲井戸さんが自分のルーツ・ミュージックを振り返っている。4回に渡る特集で、
4/7: 60's Beat !(ビートルズ、ストーンズ、キンクス、ゼム etc.)
4/14: Blues On The Road !(ロバート・ジョンソン、チャーリー・パットン etc.)
4/21:Chabo Doorsを語る(ドアーズのみ)
4/28:Chabo Solo Action(ブライアン・セッツァー、ニール・ヤング etc.)
となっている。これらで放送されたチャボさんの選曲については、後日、機会があれば改めて紹介したいと思う。
あとは、この本を探したんだけど、残念ながら見つけることはできなかった。
これに、キヨシローさんとチャボさんのインタビューが載っている。まあいいや。
さあ、早川岳晴さんの優しいベースラインが聴こえてきたよ。
さっそくいこうか。
① オーティス・レディング(1941−1967)
主要レーベル:スタックス(メンフィス)
② サム・クック(1931−1964)
言わずとしれたソウルの巨人。説明不要の二大巨頭(ということで、詳しい説明はハショる)。
しかし、なぜにこの順番?という疑問は残る。サム・クックはオーティスより先輩だし、オーティスはクックを尊敬している。普通なら、「サームクック、あ〜あああ オーティス、あ〜あああ」ではないか。音の響きについても、この順番でも十分にしっくりくる。
この疑問の答えは、上記「ロックは語れない」のキヨシローさんのインタビューの中に答えがある。キヨシローさんは、はっきりと「オーティスが一番」と言い切っている。だから、チャボさんが書いたこの曲では、オーティスが1番最初のポジションで出てくるのは当然の事だと思う。
③テンプテーションズ(1961- )
主要レーベル:モータウン
④シュープリームス(1959-1977)
主要レーベル:モータウン
この曲のイントロは、ゆるやかなベースラインから始まる。ベースの早川岳晴さんが奏でる優しいベースラインが、まるでテンプスのマイガールのイントロのようである事から、テンプスがこの位置なのかなと予測できる。で、モータウンを代表するこの2グループの並びで収まった感じ。
ここから怒涛のアーティスト名連呼が始まるのだが、アーティスト名間にちょっとした”間”を作っていて、絶対にこの”間”も意味があると解釈し、”間”ごとに解説していきます。
⑤アレサ・フランクリン(1942- )
メンフィス出身。主要レーベル:アトランティック(アラバマ州マッスル・ショールズのフェイム・スタジオ)
⑥ウィルソン・ピケット(1941−2006)
アラバマ州プラットビル出身。主要レーベル :アトランティック、スタックス(ニューヨーク、マッスルショールズ、スタックスなど色々な所で録音している)
サザンソウルの代表的シンガーの男女ってところですかね。
これは偶然かもしれないけれど、デュアン・オールマンがマッスルショールズのフェイムスタジオにいる時に、この2人のバックで弾いているんです。
⑦サム&デイブ(1961-1981)
主要レーベル:スタックス
⑧ジェイムス・ブラウン(1933-2006)
スタックスサウンドを代表するソウル・デュオと、言わずとしれたキング・オブ・ファンク。この曲の最後にも名前が出てくるブルース・ブラザーズのテーマ曲である「ソウルマン」のオリジネイターと、映画でブルース・ブラザーズに神の啓示を与える牧師役の2組なのである。
⑨ボビー・ウーマック(1944-2014)
⑩クラレンス・カーター(1936- )
主要レーベル:アトランティック(フェイム)
ともにサザン・ディープ・ソウルのアーティストすね。僕もサザン・ディープ・ソウル、大好きです。ちなみにウーマックは70年代はフェイムでバックエンジニアも務めていた。
⑪キング・カーティス(1934-1971)
主要レーベル:アトランティック
サックス奏者
⑫O・V・ライト(1939-1980)
主要レーベル:ハイ(メンフィス)
キング・カーティスは、やっぱフィルモアでのアレサ・フランクリンとのステージと、後に出てくるバーナード・パーディー、コーネル・デュプリーを従えたキング・ピンズ!
そして、遂にでましたハイ・レーベル!
この2人の接点は、、、。
⑬ルーファス・トーマス(1917-2001)
主要レーベル:スタックス
⑭カーラ・トーマス(1942- )
主要レーベル:スタックス
親子。デュエットもしてます。カーラはオーティスともデュエットしています。
⑮レイ・チャールズ(1930-2004)
⑯スティービー・ワンダー(1950- )
主要レーベル:モータウン
共に盲目のシンガー。
⑰ソロモン・バーク(1940-2010)
主要レーベル:アトランティック
⑱ドン・コヴェイ(1936-2015)
⑲ステイプル・シンガーズ(1948-2000)
主要レーベル:スタックス
こちらも皆、サザン・ディープ・ソウルすね。バークとドン・コヴェイの曲は、ローリング・ストーンズもカバーしています。
⑳フォー・トップス(1956- )
主要レーベル:モータウン
㉑ エディ・フロイド(1937- )「ノック・オン・ウッド」+ドラム
主要レーベル:スタックス
一瞬、ドラムが「ノック・オン・ウッド」風になります。
㉒ アーサー・コンレイ「スウィート・ソウル・ミュージック」
主要レーベル:アトランティック
オーティス・レディングに見いだされたシンガー。彼のヒット曲「スウィート・ソウル・ミュージック」も、名曲の引用が多くある楽しい曲です。
㉓ ジョー・テックス(1935-1982)
主要レーベル:アトランティック
㉔ ウィリアム・ベル(1939- )
メンフィス出身 主要レーベル:スタックス
㉕ パーシー・スレッジ (1941-2015)
主要レーベル:アトランティック
この3人も、またまたサザン・ディープ・ソウルです。
㉖ バーナード・パーディー(1939- )
ドラマー
㉗ コーネル・デュプリー(1942-2011)
ギタリスト
どちらもシンガーではなく、スタジオ・ミュージシャン。2人ともソロ・アルバムも出しているようですが、残念ながら僕は聴いた事が無い。
㉘ ネヴィル・ブラザース(1977-2012)
㉙ Dr.ジョン(白人)(1940- )
㉚ カーティス・メイフィールド(1942-1999)
主要レーベル:カートム
ニューオリンズ勢に、なぜかカーティスをぶっこんできましたね。
㉛ アラン・トゥーサン(1938-2015)
㉜ ボー・ディドリー(1928-2008)
㉝プロフェッサー・ロングヘアー(1918-1980)
今度は、ニューオリンズ勢でボー・ディドリーを挟んでますね。
㊱マジック・サム
ついにブルースがきました。
㊳ジミー・リード
㊴ライトニング・ホプキンス
ブルースが続きます。
㊶フレディ・キング
ブルースの三大キング。
㊸アルバート・コリンズ
㊺スティービー・レイ・ボーン(白人)
こちらもブルース。
㊻ビル・ウィザース(1938- )
主要レーベル:モータウン
㊽ダニー・ハザウェイ(1945-1979)
主要レーベル:アトランティック
㊾メンフィス・サウンド
㊿ハイ・サウンド
51.モータウン・サウンド
メンフィス・サウンドと言えば、やはりスタックスですかね。実は、ハイ・サウンドもメンフィスです。
R&Bのレコードも、レーベル買いすればたいていハズレが無いのは、演奏しているバック・ミュージシャンが一緒だからなんですよね。R&Bにハマると、自然と演奏者のクレジットもチェックするようになります。
52.スモーキー・ロビンソン(1940- )
主要レーベル:モータウン
53.ブッカー・T&THE MG’S(1962- )
主要レーベル:スタックス
54.スティーブ・クロッパー(白人)
55.グリーン・オニオン
56.ダック・ダン(白人)
前に出てきた ブッカー・T&THE MG’Sのメンバーを特出し。
彼らのヒット曲、グリーン・オニオンでは、実はダック・ダンはまだ演奏していない。(当時は、ルイス・スタインバーグ)
57.チャック・ベリー(1926-2017)
58.T・ボーン・ウォーカー(1910-1975)
ロックンロールの創始者と、ブルースにエレキギターを持ち込んだ最初の人物。
59.ブルース・ブラザーズ
60.ジョン・ベルーシ(白人)
最後はベルーシ締めですよ。なんて粋な曲なんでしょうか。思わずホロリときます。
61.リズム・アンド・ブルース
62.「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」ブルック・ベントン
最後のチャボさんのつぶやき。この曲の終わり方が、まるでレイニー・ナイト・イン・ジョージアのイントロ風だからかと思われる。
この曲は色々なヴァージョンというか、ライブではその日の空気で色々なアーティスト名が飛び出します。もちろん「キヨシロー」って言う時も多々あります。
最後に、僕がリズム&ブルースにハマったきっかけは、ブルース・ブラザーズと、この曲と、映画「コミットメンツ」の影響である。
映画「コミットメンツ」については、また、機会があれば書いてみたいと思う。
長い記事になっちまった。夏の夜ってやつはたいてい長いものなので、こんな感じもたまにはいいよな。
(記事も情けない事に未完成です。今後、修正・加筆していきます)