女優の真木よう子氏が今冬開催されるコミックマーケット93へのサークル参加を表明し賛否両論の意見が出ています。
皆様に笑顔を本当に見せたい。
皆様の笑顔を見たい。
皆様と、お会いしたい。
約束を果たしたいのです。
https://twitter.com/makiyokohonnin/status/901056990981496833
「皆様の御希望の写真、ワタクシの本音。等、多数」掲載するフォトマガジンを発行
クラウドファンディングにて800万円を募集
5,000円~500,000円の間で支援できる
返礼品はフォトマガジン、オリジナルTシャツ、誌面での名前のクレジット権、本誌の撮影ロケ地決定権といったもの。
当選したらC93(2017年末)で1冊ずつ手売り、落選したら直販で販売。
「より皆様とお近づきになりたく、この様な企画を思いつきました」
https://camp-fire.jp/projects/view/40020
「只、皆様と会いたかっただけです」
https://twitter.com/makiyokohonnin/status/901081358843363331
書名・内容は未定、A5カラー320頁
○コミケとは
コミックマーケットは8月と12月に東京ビッグサイトで開催される同人誌即売会。同人誌即売会とは、
「主義・志などを同じくする人もしくは個人が自分(たち)の作品を作り、その展示や頒布を主とするイベント」
のが原則。なかでもコミケは世界最大の規模で、3日間で参加者数約50-60万人。
さらに、
を前提や目的としているため、「お客様」は存在せず、全員が「参加者」という扱い。
参加者の諸注意等が掲載されているカタログは購入を強く推奨されるが強制ではない(入場無料)。
サークル参加には抽選があり、当選したサークルのみ参加し、同人誌や自分の作品を頒布することができる。
一般参加の入場列は毎回長蛇の列となり、何時間も屋外での待機となる。
サークルの他に企業ブースも存在し、企業製作グッズの販売等を行っている。
○何が問題か
1. 自費出版が原則のコミケでクラウドファンディングにて製作した本を頒布
2. 「皆様のご希望の写真」を掲載→自分の志で出すわけではないのでは?(ゲスい言い方をすると、収益や売名のためなのでは?)
4. コミケを知らない/慣れていないファンに対応できるかどうか疑問
とりわけ問題なのは3.である。前述の通り、自分の作りたいものを作り多くの人に見てもらう、というのが
コミケの理念であり醍醐味であるが、ファンと会うということを目的とされているようである。
あの狭いブースでファンミーティングイベントを開くつもりなのだろうか。
また、4.も無視できない。氏のツイートへ付いているリプライを見ると、もし当選したらコミケ自体をあまり認知していないファンの方々が来場するように見える。
冬とはいえコミケが一般的に見て過酷なイベントであることは確かであり、「憧れのあの人にタダで会える」という軽い気持ちでファンが多く来ると倒れる人や事故なども
出てきかねない。これは真木氏本人が注意喚起などすればある程度対応できるかもしれないが、トラブル等で存続がしばしば危ぶまれるコミケの現状を理解していらっしゃるだろうか。
(・元元ネット民/コミケファンなどからのイメージがそう悪くなかったこと)
・彼らの周辺に入念な下調べや支援をする者がいた、もしくは自身でしていたこと
・コミケに対するリスペクトを持ち、「郷に入って郷に従った」こと
などが理由であろう。
彼らが売名目的でない、と言い切ることは不可能だが、その批判を上回る良い対応をしたため各所で称讃されたのだろう。
○さらに付随して……
真木よう子氏自身がTwitterで口の悪い批判者を晒し上げて謝罪?(という名目でファンに攻撃させている)
https://twitter.com/makiyokohonnin/status/901081358843363331
この部分も問題をぼやけたものにする一因となってしまっている。
見たところ、Twitterで交流している氏のファンは9割以上が氏自身の発言や行動を尊重しており、書かれた批判的意見は受け入れずに
「わざわざ批判するなら無理に買わなくていいのに」「納得できなけないならクラウドファンディングへ参加しなければいいのに」
と、正直言って頓珍漢な脇道へ逸れていく意見を発して、さらにそれが支持されている。
匿名のネットの為、心無い表現を使い攻撃する人がいること自体は困った事だが、それをとりあげることにより結果として批判的意見を一切封じ、
物議を醸している問題の論点からの乖離を助長するようなツイートはしないべきだった。
○結論
クラウドファンディングで出版した本を販売しファンの方々と会いたいのであれば、
コミックマーケットのサークル参加ではなく、個別のファンミーティングイベントを開催してください。
どうしてもコミケへ参加したいということであれば、来夏企業ブースに出展してください。
それが同人文化の為であり、真木よう子さんのファンの為でもあります。