最近「エモい」というワードが流行っているが、音楽にもエモさは存在する。
先日以下のようなエントリーを見かけた。
まさにエモすぎる選曲。
この記事を見た後、椎名林檎のアルバムを全て聞き直した。個人的には「心」が一押し。
目次[表示]
- ヒップホップにおけるエモさとは
- エモい90年代洋楽ヒップホップ10選
- 1. Memory Lane (Sittin' In Da Park) / Nas
- 2. Eye Know / De La Soul
- 3. Bonita Applebum / A Tribe Called Quest
- 4. They Reminisce Over You (T.R.O.Y.) / Pete Rock & CL Smooth
- 5. Big Poppa / The Notorious B.I.G.
- 6. Miss U / The Notorious B.I.G.
- 7. This DJ / Warren G
- 8. Born 2 Live / O.C.
- 9. Ex-Factor / Lauryn Hill
- 10. Moment Of Truth / Gang Starr
- 番外編. The Light / Common
- まとめ
ヒップホップにおけるエモさとは
僕が一番詳しい音楽は90年代のヒップホップだが、実は90年代のヒップホップにはエモさが溢れているということに気づいた。
ここでヒップホップにおけるエモさの定義をしておこう。
ヒップホップにおいては、「エモさ=哀愁」だ。
切ないというか心臓が締め付けられるというか、過去の記憶を思い起こさせるような、もう一度時間を過去に戻したくても戻すことの出来ないもどかしさのようなものだ。
単にレイドバックしたゆったりした曲調でリラックスもしくはチルできるような曲という定義には到底収まるものではない。
それは歌詞の内容然り曲調然り、音楽の全体像から感じられるものであり、90年代ヒップホップはエモい名曲の宝庫だ。
今回の記事では選定に苦労したが、独断と偏見で90年代のエモい洋楽ヒップホップを10曲紹介しようと思う。
エモい90年代洋楽ヒップホップ10選
1. Memory Lane (Sittin' In Da Park) / Nas
もはやMemory Laneという曲名からしてエモさを醸し出している、文句なしにエモい一曲。
DJプレミアのトラックが何とも幻想的かつそれに乗っかるナズのラップがコンシャス過ぎて、まるで過去にトリップしているような気分にさせてくれる。
デビューアルバムからこんなエモい曲を作っている時点で脱帽と言ったところ。流石ナズ。
同アルバムは「The World Is Yours」や「One Love」といったエモい楽曲が多く、エモいとはなんたるかの教科書的アルバムなのではないかと思うので是非手に取ってみてほしい。
2. Eye Know / De La Soul
iTunesで配信されていないようだが、1stアルバム収録のEye Knowこそ彼らのエモさの集大成的一曲だ。
曲全体として切なくもありどこか爽やかさを感じる一曲で、フック(ヒップホップにおけるサビのこと)ではリリックもなく単純に音だけを聞かせるスタイルがまたエモい。
「I know I love you better」というフレーズがそもそもエモい。あまり有名な曲ではないようだが、もうとにかく聞いてほしい一曲。
3. Bonita Applebum / A Tribe Called Quest
ファンからしてみれば、ATCQのメンバーのQ-Tipという存在自体がエモいのだが、共感いただけるだろうか。
低めの声で「Bonita Applebum, you gotta put me on.」というささやきを繰り返す部分は特にエモい。
あと間の取り方が絶妙でトラックの哀愁を引き立たせているのも加わって絶妙な化学反応が起き、結果的にエモくなっているのだ。
計算せずともエモくなってしまうATCQの才能に感謝。
4. They Reminisce Over You (T.R.O.Y.) / Pete Rock & CL Smooth
亡き友に捧げられた曲ということでエモさポイントが高い。
「Reminisce」という単語ほどエモさを象徴する言葉はないと思う。エモさとはReminisceなのだ。
「When they reminisce over you」とラップしてフックに入るまでの流れとか、フックで流れるジャズ的なサウンドが相当エモい。
決して暗い曲ではないし、バラード的な曲でもないのだが、エモさを感じるのだ。
5. Big Poppa / The Notorious B.I.G.
この曲はサウンドや曲の構成が特にエモい。
アイズレー・ブラザーズのサンプリングで聞いた瞬間相当チル度の高い一曲だとわかる。
しかし音だけでなく、ビギーのラップの途中でPuff Daddyの哀愁たっぷりのチャットに移ったりと、言葉でもエモさを感じられる作りになっている。
キャッチーでもありドープでもあり、もちろんエモい。
6. Miss U / The Notorious B.I.G.
ビギーで一番エモい曲はこれ以外ないだろう。
なんていうのかうまく言葉で説明が出来ないが、曲全体を俯瞰したときに最大限のエモさを感じる。とにかく誰が聞いても空気感がエモいのだ。そして歌詞の内容は切ない。
もうとにかく四の五の言わずに聞いてもらえれば一瞬でエモいと思って頂けると思う。
7. This DJ / Warren G
90年代の西海岸はチル度の高いレイドバックした曲が多いので、必然的にエモさも上がってくるのだが、一番はこの曲だろう。
チル度の高い曲作りに関してはウォーレンGの右に出るものはいない。ドクタードレーでも彼には敵わない。
数あるGファンクの中でもこの曲は最もレイドバックしており、エモいと断言できる。
8. Born 2 Live / O.C.
この曲はサンプリングの元ネタが卑怯である。もうこんなんエモいに決まってる。
シリアスな歌詞の内容もエモさを強調している。
この曲だけリピートしていると脳がとろけてしまう感じがする。
9. Ex-Factor / Lauryn Hill
「ローリン・ヒル+バラード=エモい」という方程式が必然的に出来上がってしまっている。
歌声、元恋人への気持ちを綴った歌詞の内容、バラード的な曲調など、隙きのないエモさだ。
初めて聞いたときは胸を強く締め付けられる感じがした。英語があまりわからない人でもこの曲のエモさはわかると思う。
同アルバム収録の「To Zion」という曲も中々エモい。
10. Moment Of Truth / Gang Starr
ギャングスターの中では珍しくエモい一曲。
トラックもエモいのだが、MCのGuruの低い声質はかなりエモいのではないかと感じる。
個人的にエモい曲は何回もリピートしたくなるのだが、この曲も例に漏れず何度リピートして聞いたかわからない。
番外編. The Light / Common
90年代ではないので番外編として紹介するのがコモンのThe Light。
フックのコーラスが相当エモい。
「When you'll need someone I will be by your side.」というフレーズはもうエモすぎて惚れる勢いだ。
もちろんリピート必死。
まとめ
10曲に絞るのは相当苦労したが(絞れてない)、 こんな感じ。
エモい曲に出会えると生きてて良かったと思えるので、これからもこのエモい曲たちを聞いていこうと思う。
他にもエモい曲があれば是非教えて頂きたい。
下記の記事でも良質なヒップホップを紹介しているので興味のある人は是非。