沖縄県の中城村が村内の小学5年生と中学2年生、その保護者を対象に実施したアンケートで、18・2%が貧困層に当たり、そのうち5割が赤字で生活していることが分かった。「借金をしている」が23%、「貯金を切り崩している」が27%だった。貧困世帯の約3割が給食費を滞納したり、約5割が衣料購入に余裕がなかったりした経験があるなど、家計の苦しさが浮き彫りになった。
アンケートは5月8~17日に実施。村内3小学校の5年生と保護者各206人、中学2年生と保護者各143人に経済状況を聞いた。全体の回収率は81%。等価可処分所得が122万円以下を貧困層とした。
保護者に家計の状況を尋ねたところ、貧困世帯の50%が「家計が苦しく赤字で生活している」と回答。「食料の購入に困ったことがあるか」との問いには貧困世帯の39%が「よくあった」「ときどきあった」、「衣料が買えなかった経験があるか」の問いには52%が「よくあった」「ときどきあった」と答えた。貧困世帯の33%は給食費の滞納経験があった。
就学援助制度については「利用している」が小中学生いずれも10%だった。貧困世帯の32%が制度を「知らなかった」と答え、12%が「周囲が気になり利用していない」とした。児童・生徒に「将来の夢」を聞いたところ、貧困世帯の67%が「思い浮かばない」と答えた。村福祉課がアンケート結果をまとめ、9日に開かれた「こども未来支援会議」で報告した。
会議は村、村社会福祉協議会、民生委員、学校関係者で構成。委員からは「支援制度の情報を早急に提供し、利用を促進する必要がある」「村民には児童福祉に携わった経験豊富な人材がおり、委員に加えて会議の充実を図るべきだ」などの意見があった。
村ではアンケート結果と会議での情報・意見を踏まえ子どもの今後の貧困対策施策により力を入れるという。(翁長良勝通信員)