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@ABnorma123
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EOSのダン、視聴者の目線を代弁する役回りを押し付けられて、現実を見てしまったことでファンタジーな世界のHiGH&LOWの中で異質な側に立たされていたのが苦しかった。

コブラの「俺たちは間違ってねえ」、琥珀さんの「喧嘩は間違っててもその気持ちは間違ってねえ」は完全に"HiGH&LOWイズム"と言うべき心情なんだよな。
現実的に考えたらあんな寂れた商店街に先はないんだよ。コブラとノボルとヤマトが商店街のアーケードから街を見下ろして、「景色だけはいいんだけどな」「街だけじゃなくてその先まで見下ろせる気がするよな」なんて話をしていたけど、私はそうは思えなかったよ。これがいい景色?錆びたアーケードがズラッと並んでる光景が?って思ったよ。情緒的でグッとくる街並みではあるけど、でも景色として素晴らしいかって言われると違うよ。君たち3人の思い出がそこにあるから、補正がかかって輝いて見えるだけだよ。知らない人間に見せたらただの寂れた場所にしか見えないはず。
人が居なくて、地上げで店をたたむ人が増えてきて、立ちいかなくなってる場所。再開発で人を呼んで客増やしてようやく成立する環境。
思い出に浸ってる3人とは違って、ダンはテッツの言葉で現実を痛感したし、テッツの窮状にも理解を示した。それでも「仲間なんだからコブラにちゃんと相談しよう!」って言ったのは、話せばきっと分かってくれるという期待があったから。だって仲間なんだから。いつも強がってるばかりじゃなくて、ちょっと情けなかったり弱気になってても受け止めてくれるって信じてた。だって"仲間"ってそうだろって信じてた。
でも実際は、コブラはテッツを半ば責めるような言葉しかくれなくて、ダンの切実な言葉には「目先の金に捉われるなんて馬鹿だ」みたいな言い草で跳ね除けたんだ。
「お前は本当に努力したのか」なんて本当に重い言葉だと思うよ、そんなの言われて「したに決まってるだろ!」と返せないよ。自分の努力が足りなかったのかと思い返すのもしんどいし、尊敬するコブラにそんなこと言われたらひたすら悲しいよ。だから何も言えずに黙るしかなくて、でも心の中では「そんなこと言われたって無理なものは無理」って不満がくすぶって、そしてトドメは「俺を信じろ」。
みんな信じてたよ。ずっとずっと信じてたから、コンテナ街の戦いにだって止められても付いて行ったんだよ。
今回もそうだと思ってた。「俺は行かへんから。」なんてダンが言ってても、なんだかんだ、最後の決戦に遅れて全員登場すると思ってた。「やっぱり俺らがおらんとアカンやろ。」みたいにね。
違ったね……これは断絶では……?「一緒にいるだけが仲間じゃねえ」とか言ってる場合ではないのでは???
私はそもそもノボルはもっと冷静な人間だと思ってたから、コブラを制してダンたちの意見を聞いて、散々儲けてからいい気になってる九龍を潰してやろう、なんて言うのかと思ってたんだよね。だからダンたちが出て行くような状態になる前に全員の意見のバランスを取る行動をするのかと思ってた。でも、「やっと終わった……」って心底安堵したような表情を見て、利益云々よりも本当にこの苦しみを終わらせたくて仕方なかったんだな……って切なくなっちゃった。頭がいいからって全部割り切れないよね。だって本当に本当に苦しかったんだもんね。自分が一時期そこに加わってたこと考えたら、一刻も早く全部消して清算して、自分の中の辻褄を合わせたいって思うよね。だからDTCと完全に決別してしまっても、「とりあえず全部終わらせよう。そうすれば分かってくれる。」って話を進めてしまったんだ。

ドラマ1期の最後、達磨の日向とのいさかいの末にコブラが唐突に山王連合会の解散を宣言して、その時に「山王連合会はノボルの居場所を守るためだった」と聞かされたダンたちの気持ちってなんなんだろう?商店街を守るためじゃなかったんだ?って思ったんだけど、ダンさんもそう思ってたんだね。仲間だから、大切な友達が大切にしてる人だから受け入れて、自分もこの空間を大切にしようって三枚目のムードメーカーを引き受けてたくさんたくさん周りを笑わせて、でもずっとどこかで「でもコブラたちが頑張ってたのはたった一人のためで、俺らのためじゃないんだよな」という寂しい気持ちが残ってたんだね。
そりゃ寂しいよね、ずっと一緒に一つの思いでやってきたと思ってたのに、本当は違いましたって言われたんだもんね。寂しいよなぁ、切なかったよなぁ。
「テッツのことはほっといて、ホワイトラスカルズを助けに行くんか」って言ったダンさん、どんだけ辛かっただろう。自分が子どもみたいなこと言ってるって分かってるはずなんだよ。三枚目の立場を引き受けて、とぼけたフリをしてたって、人の気持ちに敏感な賢い人なんだから。でもテッツが「自分を優先してくれ」なんて言えるはずないから、全部引き受けてくれたんだよ。
そういう優しい人だから、テッツは総長のコブラよりも先に苦しい気持ちをダンさんに打ち明けたんだよね。

EOS、最高に素晴らしい映画だったけど、コブラが考える余地もなくDTCの苦しさを否定したのは辛かったなぁって思う。ヤマトはダンたちに寄り添ってたけど、でもやっぱり優先するのはコブラやノボルなんだよね。そういうの、今回山王から離れたメンバーはずっと感じてたと思う。
「俺らはみんな仲間だ」って言ってても、でもやっぱりコブラとヤマトとノボルは3人だけの絆があるんだもんなって思ってたと思う。でも、そういうのって女々しいしダサいから考えないようにしようって思ってたと思う。

「山王連合会って、何と戦ってるんですかね」

分かんないよなぁ。自分たちの居場所を守るための戦いだったはずなのに、敵に勝つには居場所を犠牲にしてでも立ち続けないといけないなんて言われたら、そんなの本末転倒じゃんって考えちゃうよな。お前ら3人はそれでいいかもしんないけどさぁってなるよな。

これからみんなどこに行くんだろう。九龍に真正面から脅しをかけられて、逃げ出すダウトを尻目に迷うことなく足を踏み出したコブラとSWORDは、現実を見てしまったダンたちを置いてどこに行ってしまうんだろう。
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