18歳くらいでなりというのも、その頃は病識もなく今思えば摂食障害になっていたんだなと思う。
その後ものすごい恐怖感が襲ってきた。
とんでもない物を食べてしまった。
これでは太っちゃう。
よし、一週間食べることをやめようと。
水だけで翌週は過ごした。
妙に達成感があった。
やれば出来るじゃん。
他は何も出来ないけど、これなら自身を持って他の人より出来ることだって思った。
その後、本格的に食べなくなり、53キロが25キロになり入院した。
入院ですることは、高カロリー輸液をIVH挿入して太らせること。
これがきつい。
摂食障害は太りたくないのに、治療は太らせること、命をつなぐことだった。
太れば痩せようとするので、三食の食事を付き添いの親の目を盗んで点滴をひきずりながらトイレに捨てに行かなくてはならない。
ベッドからほとんど起き上がれない状況なのに、捨てに行くことに全ての体力を奪われた。
なんとか大部屋に移動できたが、ここからがまたきつい。
摂食障害が入院するのは精神科で、同じフロアにいるのは当然精神領域の疾患を持っている人が多い。
躁鬱病、統合失調症、認知症などと同じフロアに摂食障害が入院する。
摂食障害が食べるのが怖くて、
「看護師さん、怖くて食べられません。」
と言うと、
「駄目です。食べてください。美味しいから。それだけじゃ太らないから。」
という回答になる。
いや、まずいから食べたくないとか、太りたくないから食べたくないのではなくて、食べることがすごい怖いから食べたくないんですよ。
というと、先生を呼ばれてでは薬を変えましょうかとか言って安定剤が追加されるパターンとなる。
こうなると、恐怖があっても誰にも言えないという感じになってしまう。
摂食障害がこの状況で健康保険でできることは、三食食べさせる事と行動制限。
私はこんなに食べてるのに痩せてるよという話を一日中話す。
すると、自分が食べるのが怖くなる。
みんなでその人の食事しているところを見に行って本当に食べているかを確認する。
実際には食べていなくて、ゴミ箱に捨てていたり、トイレに捨てに行ってたりするのを見つけたり、トイレで吐いていたりする。
ベッドでギッギッって音がずっとなっているのはほぼ筋トレしている。
大量の下剤を服用するタイプもいる。
本当にご苦労さんだねw
こんな事を24時間やらないといけないのがとても疲れる。
自分の好きなものも当然食えないから早く退院したいって気持ちもあるけど、退院したら痩せる食事しか選べないからまたいずれ入院することになる。
入院している間は、自分でご飯を選ばないで済むから安心だけど退院してご飯の選択が無理って思っちゃう。
スーパーでガリガリの子が、何時間もパンやヨーグルトのカロリーを見ながら厳選していたら100%摂食障害です。
何時間もかけて、このカロリーならきっと大丈夫!と自分に暗示をかけている状況です。
入院している間は万引きする心配がないけど、退院したらまたしちゃうんじゃないかっていう心配しか無い。
そっち系の摂食障害も結構いて、一緒に入院していた摂食障害の子が数日後万引きで捕まったと新聞で知ることもある。
犯行を侵さないための入院とか、退院したら自分でご飯を選ぶことが出来ないので入院しているって人がほとんど。
太ったら退院、痩せたら入院っていうのをかれこれ8回も繰り返してる。
普通の食事をするなんて、一生かかっても絶対に無理としか思えない。
自費の施設なんて到底払える値段ではないし、今後も入退院を繰り返す事になりそう。
皆さんの大事な医療費をこんなことに使ってしまって本当に申し訳ない。
まあ飯の匂いを前に冷静でいるのは難しいからなあ
女は使えない